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赤ちゃんの感情って?発達と変化について解説

赤ちゃんの感情は、大人とまったく同じ状態にあるわけではありません。体の成長とともに、心も少しずつ発達していくのです。そのため、赤ちゃんの感情をしっかり理解するには、成長に応じてどのような心の変化があるのかしっかり押さえておく必要があります。赤ちゃんの感情の状態を知っておけば、赤ちゃんとよりうまく接することができるはずです。

赤ちゃんの感情は、具体的にどのような状態にあるのでしょうか。今回は、赤ちゃんの感情について変化のしかたや接し方を解説します。

赤ちゃんの感情って?発達と変化について解説

赤ちゃんの感情

赤ちゃんの感情は、大人とはどのように違うのでしょうか。赤ちゃんの気持ちにしっかりと寄り添うためには、赤ちゃんの感情の状態をしっかりと把握することが必要不可欠です。ここでは、赤ちゃんの感情の基本について見てみましょう。

産まれて間もない赤ちゃんは感情面が未発達

産まれたばかりの赤ちゃんは、感情面が未発達です。そのため、ちょっとしたことで感情が不安定になりやすいのが特徴的です。とはいえ、漠然とした安心感や不安感をもつだけのことが多く、外にあらわれる感情表現は反射的なものであることがほとんどです。

主な感情は興奮と快不快

赤ちゃんの感情は、それほどバリエーションが豊かではありません。主な感情としてあげられるのは、興奮と快不快だけです。外からの刺激を受けると、これらの感情のなかでどれかとして表現することになります。

環境や発育とともに感情があらわれてくる

赤ちゃんの感情は、環境や発育によって少しずつあらわれていきます。時間が経つにつれて、さまざま複雑な感情ももつようになっていくのです。感情表現のバリエーションが増えたら、それだけ赤ちゃんが成長している証拠と考えることができます。

感情の変化と発達

では、赤ちゃんの感情は具体的にどのように変化していくのでしょうか。ここでは、成長によって発達する子どもの感情の変わり方を紹介します。

新生児

産まれたばかりの新生児は、ほとんど興奮という感情しか持ち合わせていません。うれしいときと悲しいときの区別もないので、大きな刺激を感じればそれだけ大きな反応をするという状態です。

3ヶ月児

3ヶ月児になると、快不快の感情をもつようになります。気持ちいいと感じればうれしそうな反応をし、おむつが汚れて気持ち悪ければ嫌そうな反応をするでしょう。ただし、この時点でも反射的に行動しているだけに過ぎず、意図的な行動はまだすることができません。

6ヶ月児

6ヶ月児になると、これまでの感情に加えて怒りや恐怖などの感情も芽生えるようになります。嫌なものを避けようとする意識ができてくる時期でもあります。

1歳児

1歳児になると、よりさまざまな感情をもつようになります。愛情や得意だという気持ちをもち、よろこびを表現できるようになってきます。また、疲労という感情ももつようになります。

1歳6ヶ月児

1歳6ヶ月児になると、他者との関係を意識するようになってきます。年下への愛情をもつこともあれば、他人に嫉妬心をもつこともあるでしょう。人間関係を作るための土台となる感情が芽生える時期です。

2歳児

2歳児になると、共感という感情ももてるようになってきます。また、やっていいことと悪いことの区別もつけられるようになり、より大人に近い感情をもつようになります。

赤ちゃんの笑顔

赤ちゃんが笑っている姿は、親にとって癒しそのものです。ただし、赤ちゃんの笑顔には、実は2つの種類があります。具体的には、生理的微笑と社会的微笑の2種類があげられます。これらの笑顔には、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、生理的微笑と社会的微笑の違いについて紹介します。

生理的微笑

赤ちゃんが生理的微笑をするのは、主に新生児期から生後2ヶ月頃までの時期です。生理的微笑は、本能的な行動に過ぎません。そのため、赤ちゃんがいくら楽しそうに笑っていても、実際はうれしい感情を意識して笑っているわけではないのです。また、生理的微笑は赤ちゃんの自己防衛手段であるともいわれています。笑うことで周囲が優しくしてくれるという認識から、本能的に笑顔を作っているのです。なお、この時点では赤ちゃんの視力は発達していないため、周囲の人が笑顔を見せていても赤ちゃんはそれをはっきりと認識することはできません。

社会的微笑

赤ちゃんが社会的微笑をするのは、生後3ヶ月頃です。社会的微笑は視力の発達によって起こるものと言われています。赤ちゃんが周囲の人の表情の変化を理解できるようになり、1つの情報として笑顔を認識するようになるために起こります。社会的微笑は身近な人が笑顔でいるのを見て、その表情を真似しているということになります。

感情の発達を促す行動

赤ちゃんの感情の発達をうまくサポートするには、どのような行動をすればよいのでしょうか。赤ちゃんは身のまわりの環境から影響を受けつつ、感情を育んでいきます。そのため、周囲からの働きかけはとても重要です。ここでは、赤ちゃんの感情の発達を促すのに効果的な行動を紹介します。

スキンシップ

赤ちゃんの感情を育てるには、スキンシップが重要です。実際に他人と触れ合うことで、赤ちゃんの中にさまざまな感情が芽生えるきっかけを生み出します。赤ちゃんと過ごすときは、なるべくスキンシップがとれるようにするとよいでしょう。赤ちゃんとスキンシップをしっかりとれれば、赤ちゃんの心の成長を促すのにおおいに役立ちます。

信頼感を与える

赤ちゃんの感情の発達をサポートするには、信頼感を与えることも大切です。とくに、赤ちゃんの求めることに応えてあげることが重要だといえるでしょう。赤ちゃんがしてほしいことをしっかり理解できるようにするには、赤ちゃんの様子をきちんと見守ることが必要不可欠です。そのためにも、赤ちゃんと過ごす時間を大切にし、何を求めているのかしっかり観察するようにするとよいでしょう。

定期的に声をかけたり笑顔を見せたりする

赤ちゃんの気持ちをしっかり育てるには、定期的に声をかけたり笑顔を見せたりすることも大事です。手が離せない状況でもこまめに赤ちゃんに気を配るようにするとよいでしょう。赤ちゃんはまわりの人の様子から、いろいろな感情やその表現のしかたを学んでいます。そのため、そういったささいな行動の繰り返しが、赤ちゃんの感情にさまざまな影響を与えます。

赤ちゃんの感情は複雑に変化している

赤ちゃんの感情は複雑に変化している

赤ちゃんの感情は、大人が考えているよりも複雑に日々変化しています。赤ちゃんがすぐに泣いたり笑ったりするのは、そういった事情があるからです。赤ちゃんの感情が不安定なのは、成長の過程では当然のことだといえるでしょう。赤ちゃんは周囲の人のさまざまな感情に触れながら、少しずつ自分自身の心を育てていきます。つまり、周囲の人のささいな言動も、赤ちゃんにとっては成長のための重要な情報源となっているのです。そのため、赤ちゃんの感情の成長を支えるためには、積極的に周囲がさまざまなサポートをしてあげることが大切です。心の成長に役立つケアができれば、赤ちゃんの感情はより豊かに育っていきます。赤ちゃんのときからしっかりと感情を育んでいくことは、立派な大人として成長するためにとても重要なステップとなるでしょう。