犬のマズルコントロールとは?基本知識とやり方を解説
記事更新日:2023年8月21日犬のしつけをおこなう方法のひとつとして、マズルコントロールという方法があります。マズルコントロールとは具体的にどのような方法なのでしょうか。マズルコントロールを上手に活用すれば、犬をよりしっかりとコントロールできるようになります。
犬によってはマズルコントロールが向いていない場合もあるので、見極めをきちんとおこなうことも重要です。今回は、犬のマズルコントロールの概要や基本的なやり方について説明します。犬のしつけのひとつの方法としてぜひ取り入れてみてください。
目次
マズルコントロールとは?
そもそも犬のマズルコントロールとは、どのようなものなのでしょうか。最初にマズルコントロールの意味について確認しておきましょう。
マズルとは「口吻(こうふん)」を意味している
マズルとは、口吻(こうふん)のことを意味しています。口吻とは、口のまわりから鼻先にかけての部分です。マズルは犬にとって大きな意味をもつ部分となっています。
犬のマズルコントロール
マズルコントロールは、もともとは母犬が子犬のマズルをくわえる行為を示しています。敏感な部分を覆うことにより、「守れるくらい強い」という意味を表しているのです。マズルコントロールをおこなうことで、上下関係を教えることが可能になります。
犬のマズルコントロールをする目的
では、飼い主が犬のマズルコントロールをおこなうことには、どのような意味があるのでしょうか。マズルコントロールは、犬を飼ううえでとても重要な意味をもつ行動となります。そのため、犬のマズルコントロールをする目的をしっかりと押さえておくことが大切です。ここでは、飼い主が犬のマズルコントロールをおこなう意味について説明します。
本来は母犬がすることを飼い主が疑似的におこなう
飼い主がマズルコントロールをおこなう場合、本来は母犬がすることを飼い主が疑似的におこなうことになります。母親のような強い立場の代わりとしての役割を飼い主が果たす必要があります。
飼い主がリーダーであることを理解させる
飼い主がマズルコントロールをおこなうと、犬に飼い主がリーダーであることを理解させられます。飼い主がリーダーであることを犬に理解させることは、犬と人間の良好な関係を築き、犬の安全を守るうえでとても重要です。よって、飼い犬に対してはしっかりとマズルコントロールを実施していくことが重要になるでしょう。
愛犬が安心して飼い主に従えるようにおこなう
マズルコントロールは、愛犬が安心して飼い主に従えるようにおこなうことも重視する必要があります。犬が飼い主に従うためには、飼い主が絶対的に安心して頼れる強い立場であることを示す必要があります。かわいそうだと思って何もしないのは、犬にとってよいことにはなりません。しっかりと犬のマズルコントロールをおこなうようにしましょう。
マズルコントロールの効果
犬のマズルコントロールには、具体的にどのような効果があるでしょうか。マズルコントロールをおこなうなら、マズルコントロールの効果をも的確に把握しておいたほうがよいでしょう。犬のマズルコントロールの効果について説明します。
興奮している愛犬を落ち着かせることができる
マズルコントロールをおこなうと、興奮している愛犬を落ち着かせることができます。マズルコントロールに犬が慣れてくると、さまざまなしつけの場面でも役立てることが可能です。そのため、犬が少しずつマズルコントロールに慣れることができるよう、日常的に取り入れていく必要があります。
日頃からおこなうことで歯のお手入れがしやすい
マズルコントロールのメリットとしては、歯のお手入れがしやすくなることもあげられます。日ごろからマズルコントロールをおこなっていくと口元をおとなしくさせやすくなるため、飼い主が犬の歯に触れやすくなります。歯の健康は体の健康にも直結するので、マズルコントロールを上手に活用して定期的なお手入れができるようにしておきましょう。
病院でも暴れにくい
マズルコントロールができるようになると、犬が病院でも暴れにくくなります。病院は普段とは違う場所なので、犬は不安を感じて普段よりも行動が激しくなることもあるでしょう。しかし、きちんとマズルコントロールができていれば、そういった場面でも困ることがありません。
マズルコントロールのやり方
マズルコントロールを犬に覚えさせるためには、やり方に気を付けることが大切です。ここでは、犬のマズルコントロールのやり方について、詳しい方法を紹介します。
まずは犬が触られて喜ぶところに触れる
マズルコントロールはいきなり完璧におこなおうとするのではなく、犬が嫌がらないことから始めるようにしましょう。たとえば、顎周りなど犬が触れられて喜ぶところから始めるようにするとよいです。そうすれば、犬もスムーズにマズルコントロールを受け入れられるようになります。
リラックスしたらやさしくマズルを包む
犬がマズルコントロールに慣れてリラックスしてきたら、今度はやさしくマズルを手で包み込むようにしましょう。最初は嫌がって犬が払いのけようとする場合もありますが、時間をかけて繰り返しおこなっていけば、徐々に受け入れられるようになっていきます。
数秒間おとなしくしていたら褒める
犬にマズルコントロールを覚えさせるときは、数秒間おとなしくすることができたら褒めてあげるようにしましょう。犬は褒められることで、しつけを身につけることができます。分かりやすく褒めることで、犬の覚えも早くなるでしょう。
マズルコントロールの注意点
マズルコントロールをおこなうときは、注意すべき点もあります。最後にマズルコントロールの注意点について説明するので、マズルコントロールを実践するときはぜひ参考にしてみてください。
マズルコントロールは必ず必要なしつけではない
マズルコントロールは必ず必要なしつけというわけではありません。必要を感じないのであれば、他のしつけだけで済ませても問題はないでしょう。
無理矢理すぎるマズルコントロールはしない
マズルコントロールは、無理に犬を制止するためのものではありません。少しずつ慣れさせていき、犬が不安や苦痛を感じることがないように気を付けましょう。
人間に不信感を抱いている犬にはおこなわない
マズルコントロールは、人間に不信感を抱いている犬にはおこなわないほうがよいでしょう。人間に不信感を抱いている犬は、マズルコントロールを強く嫌がる傾向があります。ほかのしつけやコミュニケーションを通して、少しずつ人間との生活に慣れさせていくことが大切です。
マズルコントロールのやり方は難しくない
マズルコントロールは基本さえ押さえればそれほど難しいものではありません。しっかりとマズルコントロールをおこなうことができれば、犬との生活をよりスムーズにすることが可能です。 なお、マズルコントロールをとり入れたいと思う場合、なるべく子犬のうちから取り入れたほうがよいでしょう。子犬のうちからおこなっていけば、犬が違和感をもたずにマズルコントロールに慣れていくことができます。犬のしつけのひとつの方法としてマズルコントロールをとり入れ、愛犬との関係を良好なものにしていきましょう。