スタイリストの仕事内容とは?流れをみてみよう
記事更新日:2023年8月21日ファッションスタイリストにはとても華やかなイメージがありますよね。しかしながら、スタイリストを目指したいと考えている人であっても、スタイリストが具体的にどのような仕事をしているのかについて、よく知らないという人も多いのではないでしょうか。
スタイリストの仕事は洋服をコーディネートしたり、スタイリングしたりすることだけではありません。今回は、スタイリストの仕事について、具体的な内容やスケジュールについてみてみましょう。
目次
スタイリストの仕事内容
スタイリストになると、仕事としてさまざまなことを行う必要があります。まずはその内容について確認しましょう。
依頼を受けて打ち合わせ
スタイリストとして仕事の依頼を受けたときは、はじめに必ず打ち合わせを行います。打ち合わせでは、必要な衣装のイメージについてしっかり確認を行わなければなりません。用意すべき服や小物は、クライアントの希望や撮影の状況によって全く異なります。それらをきちんと把握しなければ、求められているスタイリングを用意することが難しくなってしまうでしょう。打ち合わせでは相手の話をよく聞き、求められているスタイリングについてできる限りたくさんの情報を集めることが重要です。
衣装をコーディネート・スタイリングする
打ち合わせのあとは、スタイリストのメインの仕事ともいえる衣装のコーディネートやスタイリングを行います。
*衣装を準備する
用意すべき衣装について理解できたら、必要なものを集めます。撮影で使用する衣装は、各アパレルブランドやメーカーから借りることが多いです。なかには、スタイリストの私物を使用することもあります。
*衣装の組み合わせを考える
必要な服や小物がそろったら、実際に着てもらう組み合わせやアレンジについて考えます。クライアントに求められているイメージを参考にして、衣装を身にまとうモデルや俳優に似合うスタイリングを作る必要があります。この工程こそがスタイリストとしての腕の見せどころです。よりよいものを作るために、かなりの時間をかけるスタイリストが多いです。素敵なスタイリングを用意することができれば、その後の仕事にも大きくつながる可能性があるので手を抜くことはできません。
*撮影現場に同行する
撮影当日は撮影現場でその様子を見守ります。撮影中の服の乱れなどを直すのもスタイリストの仕事です。撮影した写真や映像をチェックし、問題がなければ無事に撮影終了となります。撮影は長時間に及ぶことも多いです。また、早朝や深夜に行われることも少なくはありません。体調を崩さないように気を付けることが必要です。
衣装を返却
撮影が終わったら借りた衣装の返却を行います。一度の撮影だけでも、衣装として用意する服の数はかなりたくさんです。そのため、借りたブランドやメーカーにきちんと返却が行えるよう、しっかりと確認作業を行う必要があります。
1日の仕事の流れ
次にスタイリストの仕事の1日の流れについてみてみましょう。スタイリストと一口にいっても、雑誌やテレビの撮影ではスケジュールはそれぞれ異なります。今回は、「ファッション雑誌の撮影」「ドラマのロケ」という2つのパターンに分けてみてみましょう。
ファッション雑誌の撮影の場合
ファッション雑誌の撮影は、撮影を行う場所によって開始時間もさまざまです。今回はお昼前から撮影本番が始まるという想定でスケジュールをみていきます。
*スタジオへ
お昼前から撮影が始まる場合、朝の9時頃にはスタジオへ到着している必要があります。使用する衣装を車から降ろし、必要なものがそろっているか入念にチェックします。
*最終的な打ち合わせ
だいたい9時半を過ぎると、出版社の担当者やカメラマンなどによる最終的な打ち合わせが始まります。細かいイメージについて確認を行います。
*モデルのヘアメイクの開始
10時半頃になると、衣装を着るモデルたちがスタジオにやってきます。担当者によってヘアメイクが施され、撮影を始めるための準備が開始します。
*撮影本番
モデルの準備が整うと撮影のスタートです。スタイリストはモデルが着用する服を随時確認し、汚れなど問題を見つけたらきれいに直します。実際にはスタイリストがアシスタントに指示を出して行うことが多いです。モデルはカットごとに衣装を着替えるので、スタイリストもそのたびに慌ただしく動き回ります。
*休憩
撮影がひと段落すれば休憩に入ります。少し遅めのお昼ごはんとして、スタジオの近くの飲食店からお弁当を配達してもらうことが多いです。スタイリストはカメラマンなどと一緒に食事をとり、次の撮影の打ち合わせを行います。
*撮影の再開
休憩後はそのまま撮影が再開となります。午前よりもスムーズに撮影が進むことが多いですが、その場の状況に合わせて臨機応変な対応をすることが大切です。
*撮影終了
撮影が全て終わると、カメラマンや出版社の担当者とともに撮影した画像のチェックを行います。衣装などを手早く片付ける必要がありますが、基本的にはアシスタントに返却などを任せます。
ドラマのロケの場合
ロケとなると、スタイリストは朝早くから夜遅くまで非常に忙しく動き回ることになります。スタイリストのスケジュールをみると、体力が必要なことがよく分かります。
*移動
ドラマの制作会社から指定された集合場所に行き、ロケバスに必要なものを詰め込みます。カメラマンやヘアメイクの担当者とともにロケバスに乗り込み、現場となるロケ地まで移動します。
*ロケ地に到着
ロケ地に到着したらロケバスに積み込んでもってきたものを下ろし、衣裳部屋へ移動させます。同時に、必要なものがきちんとそろっているか最終チェックを行います。
*出演者の到着
ドラマの出演者が到着したら、ヘアメイクの担当者とともにキャラクターを作っていきます。ドラマの出演者は撮影時間に合わせてやってくるので、いろいろな人がどんどんやってくることもあります。また、シーンが変われば衣装が変わることもあるので、並行して対応していかなければなりません。
*撮影の立ち合い
撮影に立ち合い、衣装に問題がないか確認します。衣装にゴミがついているような場合には、きれいに取り除きます。
*休憩
ディレクターの指示が出たらお弁当を受け取って休憩をとります。休憩時は、打ち合わせを行うことも多いです。
*移動
撮影場所が変わる場合は下ろした荷物をロケバスに戻し、移動します。新しい現場についたら再び衣装を下ろして必要なものを並べます。
*撮影終了
予定されていた撮影が全て終わると、その日の撮影は終了です。衣装の整理を行ったり、翌日の打ち合わせを行ったりしたのち解散となります。宿泊先へ移動したら、翌日に備えて休みます。
スタイリストの休日は?
スタイリストの休日は、不定期であることが多いです。スタイリストとして出掛ける仕事がない休みの日でも、仕事に関わる連絡が入ることはあります。そのため、完全に仕事のことを忘れられる日はほとんどないというのが現実です。のんびりする時間ももちろん必要ですが、ファッションは流行が命なので空いた時間を見つけて情報収集を行うことも必要です。
スタイリストの仕事内容は幅広い!
スタイリストの仕事では衣装を選ぶだけでなく、周りの関係者と協力してさまざまなことを行う必要があります。拘束時間も長いため、体調管理はとても大切です。忙しくて大変な仕事ではありますが、自分のセンスや能力が評価されたときはこのうえないよろこびを感じることができる仕事でもあります。ファッションが大好きで人のために努力を重ねることが苦にならないという人であれば、スタイリストとして活躍するチャンスがたくさんあるでしょう。