刻み食って?メリット・デメリットとともに作り方を紹介!
現在位置
通信教育・通信講座SARAトップ > 食・パティシエ・スイーツの資格取得講座一覧 > 介護食資格取得講座 > 刻み食って?メリット・デメリットとともに作り方を紹介!

刻み食って?メリット・デメリットとともに作り方を紹介!

介護食の中では、刻み食はとてもメジャーなものです。とはいえ、刻み食の定義やメリット・デメリットを正しく把握している人ばかりではないでしょう。実際に介護食として刻み食を提供する場合、具体的に刻み食の概要を理解しておくことが求められます。

今回は、刻み食の概要について説明します。定義とともにメリット・デメリットについても触れるので、刻み食について具体的な知識をもっていない人は、この機会にしっかりと押さえるようにしてください。

刻み食って?メリット・デメリットとともに作り方を紹介!

刻み食とは?

刻み食とは、どのような食事のことを表しているのでしょうか。刻み食の作り方をチェックする前に、基本的な概要についてしっかりと理解しておきましょう。ここでは、刻み食の概要について基本を説明します。

「刻み食」ってどんなもの?

刻み食は、食べる人が噛む作業をしなくて済むように5mm~1cm程度の大きさに食材を細かく刻んだ食事のことです。刻み食は介護食の定番の形態として活用されてきています。ただし、実際には体の機能のうち噛む機能だけが低下している人ばかりではありません。そのため、刻み食だけで対応できない場合も多く、デメリットもある食事形態といえます。

刻み食が向いている人

刻み食にはデメリットもあるため、刻み食を提供する場合は刻み食が向いている人かどうかをしっかりと見極めることが必要でしょう。刻み食が向いているのは、たとえば歯がない人や歯が悪い人などがあげられます。また、口が開きにくい人も刻み食に向いているといえるでしょう。さらに、咀嚼力が低下している人にも刻み食は一定の効果があるでしょう。ただし、刻み食を食べるためには、飲み込む力や唾液の量などが必要なので、それらが低下していないことが条件となります。

刻み食の特徴

刻み食には具体的にどのような特徴があるのでしょうか。ここでは、刻み食の特徴について、メリットとデメリットをそれぞれ紹介します。刻み食のメリットとデメリットをしっかり理解して、刻み食を実際に提供するときに活かせるようにしてください。

メリット

刻み食のいちばんのメリットは、すでに噛み砕いたような状態で提供されるため、噛まなくても食べられる点です。刻み食はある程度は食材の雰囲気が残っていることから、ミキサー食に比べると見た目の彩りをそのまま楽しむこともできます。また、良くも悪くも単に刻んだ食材なので、香りや味はもとの状態のまま感じることができます。刻み食はこういったメリットがあることから選ばれて提供されるケースがあります。

デメリット

刻み食には、デメリットもある点に注意しましょう。まず、刻み食は誤嚥のリスクもないわけではありません。刻み食はバラバラの状態で口に入れるため、口の中ではまとまりにくいです。そのため、飲み込む力が低下している人が刻み食を食べてしまうと、誤嚥につながりやすいでしょう。さらに、刻み食は調理するときに包丁やまな板に何度も触れることになります。また、複数の食材を切り刻むので、何度も包丁やまな板を繰り返し使用します。そういったことから、刻み食は雑菌に触れる可能性も高く、食中毒のリスクもあります。特に自宅で刻み食の調理するのであれば、しっかりとした衛生管理に力を入れたほうがいいでしょう。さらに、刻み食はもともと細かく刻まれていることから歯にはさまりやすく、食事の後に口の中にカスが残りやすいという問題があります。よって、刻み食を提供するのであれば、口腔ケアにもかなり力を入れなければなりません。そうしないと、食事のとき以外に歯に挟まっていた食材が原因となり、誤嚥が起きてしまう可能性もあるでしょう。刻み食に限らず口腔ケアは大切ではありますが、刻み食を提供するとなるとより徹底的な口腔ケアが必要になります。

刻み食の作り方とポイント

刻み食を作るときは、気をつけたいポイントもいくつかあります。刻み食の作り方としては、どういった点がポイントとなるのでしょうか。刻み食を実際に作って提供するのであれば、きちんとポイントを押さえて作ることがとても大切です。ここでは、刻み食を作る際のポイントについて説明するので、これから刻み食の提供を考えている人はぜひ参考にして適切な刻み食を提供できるようにしてください。

しっかりと刻む

刻み食の基本はとにかくしっかりと刻むことです。特に、水分があるものや柔らかいものであれば、基本的に刻むだけでも提供することができます。食材を刻む大きさは、実際にその食材を噛む人の力に合わせて決めることが大切です。その人の噛む力がある程度以上あるのであれば、それほど小さく刻む必要はありません。反対に噛む力が弱い場合はなるべく小さく食材をカットする必要があります。

食材の性質に合わせて調理方法を調整する

刻み食は、食材の性質に合わせて調理方法を調整しましょう。特に水分が少ないものや固いもの調理方法は工夫しなければなりません。たとえば、キャベツは汁物に入れて水分量を増やしたり、やわらかくしたりしたほうがいいです。さらに、揚げ物を提供するときは、たれやソースをあらかじめ含ませるようにすると、味に違和感がないながらも食べやすくできます。さらに、卵でとじるようにするのも、食べやすさを確保するのに効果的です。加えて、とろみをつけるようにすると、さらに刻み食を食べやすい状態にすることができるでしょう。

食材をほぐす・つぶす

食材によっては、刻むよりもほぐしたりつぶしたりするほうが効果的な場合もあります。たとえば、魚は身をしっかりほぐせば刻む必要はありません。また、かぼちゃやじゃがいもなどはつぶしてペースト状にしたほうが食べやすいでしょう。

刻み食を調理するときの注意点

刻み食を調理するときは、注意したい点もあります。まず、刻み食を作るときは、口の中でのまとまりやすさをしっかり考えたほうがいいです。刻み食は口の中でばらつきやすく、誤嚥につながりやすいので要注意です。そのためにも、とろみをつけてまとめるというのはとても効果的です。食材によってはパサつきやすい場合もあるので、しっかりと水分を補う調理方法を選ぶことも重要です。加えて、食中毒などの問題を防ぐためにも、調理用具は常に清潔にしておきましょう。高齢者は免疫力が低下している場合もあり、普通の人なら耐えられる菌にも負けてしまうケースがあります。体力がない高齢者は食中毒で大事に至るケースもあるので要注意です。できれば刻み食のための専用の包丁やまな板を用意し、使うたびにしっかり消毒までおこなうようにするのが理想的です。

刻み食の概要や作り方を詳しく知っておこう

刻み食の概要や作り方を詳しく知っておこう

刻み食はさまざまな特徴をもつ介護食です。良い部分だけでなく、デメリットもあるのが実際のところなので、介護食として提供するときは刻み食のことをしっかりと理解しておいたほうがいいでしょう。刻み食の概要をきちんと把握しておけば、必要なときに刻み食をきちんと提供することができます。刻み食の提供時には、衛生面などしっかりと意識したい注意点も多いので、細心の注意を払わなければなりません。デメリットについて多く触れましたが、刻み食には良い部分もあるので、使い分けをしっかりとおこなえるようになるといいでしょう。刻み食を活用して、介護食をスムーズに提供できるようにしてください。