小学校で行われている「食育」とは?

 

子どもの成長にとって食育は、とても重要な役割を果たしています。とくに小学生になると、普段の食事は大人とほとんど変わらないものになるため、その意義はより大きくなります。そのため、それぞれの小学校ではさまざまな工夫を取り入れた個性豊かな食育が展開されています。

今回は、小学校で一般的に行われている食育についてまとめるとともに、いくつか具体的な例をあげて小学校で実際に行われている食育について見ていきます。

小学校における食育の取り組み

小学校で行われている「食育」とは?

 

食育は、小学校でも子どもの成長に役立つものとして取り入れられています。まずは、多くの小学校でよく取り入れられている一般的な取り組みについて紹介します。

給食を教材とした取り組み

給食が出る学校では、そのメニューにも食育の考え方を取り入れています。給食は、1ヶ月分の献立が給食表というかたちで提示されることが多いです。給食表のなかには毎日の給食の献立が細かく記載されており、それぞれの栄養素についても詳しく紹介されています。小学校の給食は、ただ食事をするためだけのものではなく、子どもたちに自然と栄養について目を向けさせる機会にもなっています。

また、学校のなかには「3群点数法」という栄養バランスの考え方を取り入れているところもあります。「3群点数法」とは、食品の栄養をその役割別に3つのグループに分け、赤・緑・黄の3色で表したものです。赤は「体の中で血や肉になる食べ物」を示しており、たとえば肉や魚、大豆、乳製品がこれにあたります。緑は「体の調子を整える食べ物」を示しており、たとえば、野菜や果物、海藻のことです。黄は「力や体温になる食べ物」を示しており、たとえば、穀類、油、砂糖などが当てはまります。このうち1度の食事で必ずとりたいものが、赤と緑です。食品の栄養素は細かく分かれているため、とくに低学年の子どもにはわかりにくいですが、こういった大まかな色分けをすることで、簡単に食べ物の働きについて理解することができるようになっています。

栽培活動

小学校では、子どもたちが自分たちの手で野菜を育てる活動も行っています。これは生活科や理科といった授業の一環として行われることが多いですが、食育的な意味合いも持ち合わせている活動です。ミニトマトやナス、ピーマンのほか、地域の特産品を栽培している学校もあります。実際に自分で食べ物を育てることは、食べ物に関する感謝の気持ちを育てることにも大いに役立ちます。

収穫した作物を調理

子どもたちが育てた作物は、収穫したあと調理して食べることもあります。自分で作った食べ物を調理して食べるという経験は食べ物に対する親近感を強くしますし、学校の仲間とともに調理を行うことはコミュニケーションを学ぶ機会にもなります。

給食材料の下処理の手伝い

実際に給食の材料となる食材の下処理を体験させる学校もあります。調理をする前の生の食材に触ったことがない子どもは意外と多いため、このような取り組みは子どもにとっても非常に貴重な体験となります。調理される前の肉や魚、野菜を実際に触りながら調理の工程を知ることは、子どもたちの食に対する関心も高める効果が期待できるでしょう。

食育の授業

小学校では「食育」をテーマにした授業も取り入れられています。たとえば、自分の朝ごはんに何を食べているかを発表したり、おやつを毎日どれくらい食べているか話し合ったりしています。そのほかにも栄養について学んだり、乱れた食生活が続くとどのような事態になるのか自分たちで調べることもあります。

小学校における食育の事例紹介

小学校における食育の取り組み

ここからは、実際の小学校を例にあげ、具体的な食育の取り組み内容について紹介します。

「マナー給食」「デザートバイキング給食」(東京都葛飾区・細田小学校)*1

東京都葛飾区の細田小学校では、「マナー給食」や「バイキング給食」といった特色ある給食が取り入れられています。

*マナー給食

 

マナー給食は、5年生と6年生でそれぞれ実施します。5年生では和食、6年生では洋食のマナーにつて学びます。

・和食のマナー給食

 

5年生では、和食のマナーについて学びます。子どもたちは実際に食事をとる前に、箸や茶碗の持ち方、和食器の並べ方、骨のある魚の食べ方などについて講義を受けます。一見、普段の食事で身に付いていそうな内容ばかりですが、実際に確認していくと自分の間違いに気付く子どもも少なくないそうです。

和食のマナー給食では、「ご飯、みそ汁、魚料理、煮物、おひたし、デザート、お茶」が家庭科の教員や栄養士によって用意されます。それぞれの食材には地元の名物や特産品が多く使用されています。

・洋食のマナー給食

 

6年生では、洋食のマナーについて学びます。和食のマナー給食同様、食べる前に子どもたちは食事のマナーについて学びます。食器の並べ方や、ナイフやフォーク、ナプキンの使い方について説明を受けます。

本格的なコース料理に見立てたメニューが用意され、それを体験することでテーブルマナーを実践的に学びます。洋食のマナー給食では、「サラダ、スープ、メインディッシュ、パン、デザート、アイスティー」が用意されます。料理はすべて子どもたちの目の前で盛りつけられ、子どもたちの席へ順に運ばれます。また、会場となる教室にはクラシック音楽が流され、本格的な雰囲気のなかで洋食を味わいます。

・マナー給食の効果

 

マナー給食の実践によって、子どもたちの食に対する関心は目に見えてわかるほどに高まります。以前は魚の頭や皮を残していた子どもが残さずそれら食べられるようになったり、いつも1品ずつ食べていた子どもがおかずを順番に食べる「三角食べ」ができるようになったりしたそうです。

*デザートバイキング給食

 

デザートバイキング給食は、各学期に1回ずつそれぞれの学年で実施されています。通常の給食のあとに、デザートがたくさん乗ったワゴンが教室に運ばれます。デザートの内容は、季節のフルーツやケーキなどです。子どもたちはきちんと列を作り、順番を守って目当てのデザートを皿に取っていきます。デザートバイキング給食の際は栄養指導が合わせて行われており、子どもたちはこれを通して食に対する知識をしっかり身に付けています。

食と向き合い実践しながら考える学習(兵庫県内小学校)*2

兵庫県の小学校では、食に関するさまざまな学習が取り入れられています。ここでは、3年生と5年生で行われた学習内容について紹介します。

*「昔の道具と人々のくらし」に関する学習

小学校3年生の授業では、七輪を実際に使用することで、昔の人々の暮らしについて考える授業が行われました。七輪を使う前に自分たちにどの程度の知識があるか発表し合ったり、昔の人の苦労を想像したりすることで、食に関する関心を多角的に深めることに繋がっています。

*「国産と外国産の豆腐」に関する学習

小学校年5年生の授業では、日本の食料自給率について考えるための授業が行われました。具体的には、子どもたちにとって身近な食材である「豆腐」について、国産と外国産のものが販売されていることを取り上げ、考察する授業です。この授業では、実際に自分が買い物に行った場合にどちらの豆腐を買うか話し合ったり、国産の食品を広めるためにはどうしたらいいか考えたりします。また、問題に詳しいゲストティーチャーの話を実際に聞くことで、国産の食品を購入すべき理由を深く理解します。このような活動を行うことで、日本全体の食に関する問題を自分たちの身近な問題としてとらえ、考える力を磨きます。

小学校ではより実践的な食育が行われている

小学校ではより実践的な食育が行われている

 

小学校では、多種多様な食育に関する取り組みが行われています。実際に手を動かして食品の扱い方やマナーを身に付けたり、自分の頭で食に関する問題を考えたりすることは、食に関する知識や関心を深めるためにとても役立ちます。子どもたちは、小学校での活動をとおして大人になるための準備をしていきます。

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