「食育」とは?食育基本法から紐解く食育の基礎知識

 

「食育」とはどんなものか知っていますか。「食育」ということばそのものは耳にしたことがあっても、具体的に何を意味するのか説明できる人は少ないのではないでしょうか。もしかすると、食育は教育の場面で語られるイメージが強いかもしれません。しかし、食育は教育に限ったものではなく、日本人の生活全体を見据えて考えられたものです。そのため、食育に関係がない人はいませんし、すべての人が食育について関心を持つことが望ましいと言えるでしょう。

そこで今回は、食育の基本的な考え方について、食育という概念が生まれた背景を交えて説明します。

食育とは

「食育」とは?食育基本法から紐解く食育の基礎知識

 

「食育」とは、どのようなことを意味しているのでしょうか。まずは、食育の基本的な考え方について理解しましょう。

生きる上での基本

食べることは、生きるために必要な基本的活動です。食育は、食に関するさまざまな知識を習得し、実践することを目的としています。

また、食育は教育の3本柱と言われる、知育、徳育、体育の基礎となるべきものと定義されています。とくに子どもにとっての食育は、心身の成長や人格の形成にも大きな影響を与え、その後の人生における豊かな心と体を作る重要なものとされています。

食の知識を身につけ、食を選ぶ力を身につけること

食育の目的は、大きく分けて2つあります。1つ目は食に関する知識を習得すること、2つ目はそれにより食を選択する力を身に付けることです。どちらも、多角的に食と向き合い、さまざまな経験をすることで得られる力とされています。

食育の背景

食育は、「食育基本法」によって定義された概念です。食育基本法の内容について確認しておきましょう。

食育基本法の施行

食育基本法は、平成17年(2005年)に施行された法律です。社会の変化が激しいなか忙しい毎日を送る日本人は、食についてさまざまな問題を抱えています。このような背景を受けて、食育基本法は、生きるための基本である食に対する人々の意識を改善し、豊かな人間性を育てることを目的として制定されました。

食育基本法の目的

食に関する問題には現代の社会的問題が密接に関わっています。そのため、食育基本法はそれらの原因を明らかにし、国民の食に対する意識を改善することを目指しています。健全な心身を保つためには、国民がこれを正しく理解することが必要不可欠と言えるでしょう。

└食育基本法における食育
食育基本法のなかには、食育の目的や方法がさまざまな視点で盛り込まれています。法律というかたちで食育についての国の指針を示すことで、食育の推進に関する取り組みを計画的に進めることが期待されています。

なぜ食育が必要なのか

現代の日本人の食生活に関するさまざまな問題は、生活スタイルに大きな影響を受けています。人々の食を軽視する傾向がこのような事態を招き、悪化させていると言わざるを得ない状況です。

食事の質の低下

現代の日本では、忙しさなどの理由から、自分の健康と向き合う時間が確保できない人が大勢います。そのため、不規則でバランスが偏った食生活が当たり前になっている人が多くなっており、なかにはそれが心身に悪い影響を及ぼしている人も増えています。食は人間の活動の源ですから、必要な栄養が十分に摂取できないことは、日常生活にも大きな支障をきたします。

肥満・生活習慣病の増加

本来摂取すべき栄養が不足している人は、糖質、炭水化物、脂質を必要以上に摂取する傾向があります。そのような食生活が慢性化すると、肥満やがん、糖尿病といった生活習慣病を誘発してしまいます。

食の安全上の問題

危険な食品添加物の使用、食中毒の発生などは、食の安全を揺るがす大きな問題です。しかし、食に対する関心が低い人は食に関する正しい知識を身に付ける機会が少ないため、こういった問題を自分で回避することが難しくなります。

食を大切にする心の欠如

現代は「飽食の時代」とも言われており、食べ物が溢れ返っている状態です。食べ物が大量に廃棄されることも珍しくないため、食を大切にする心が欠如していると言わざるを得ません。これを改善しないことには、人々の食への関心は高まることはありません。

季節感ある食文化の喪失

日本は海外から輸入した食品への依存が強く、地域の特徴を生かした食べ物や伝統的な食文化に触れる機会が少なくなっています。確かに、季節に関係なくさまざまな食べ物をいつでも好きなときに食べられるというのは非常に便利なことです。しかし、その反面、これは食に対するこだわりを喪失させる原因にもなっています。

食育で育てたい「食べる力」とは

食育が目指しているのは、多くの人の食に対する興味を深め、日本人の「食べる力」を向上させることです。この力には以下の効果が期待されています。

心身の健康を維持できる

栄養バランスを考慮した食事を規則正しくとることで、心身の健康を維持することができます。食は身体だけでなく、心の成長や安定にも影響を及ぼします。

食べ物の選択や食事作りができる

バランスのよい食べ物の選び方や合わせ方を知ると、自分の手で健康的な食事を作ることも可能になります。自分が口にする食事を自分で作ることは、食への関心をより高めることにも繋がります。

社会性を身に付けることができる

家族やまわりの仲間とともに食について学び、一緒に食事を楽しむことで、人とのコミュニケーションの大切さや楽しさを学ぶことができます。とくに子どもにとっては、食事は基本的なマナーを身につける機会でもあります。

日本らしい食文化を実践することができる

欧米の食文化や海外から輸入された食品ばかりに頼らず、地域の特色や日本らしさを生かした食事をするようにすると、食から季節の変化を感じられるようになります。季節によって何をどのように食べるか考えることは、自然と、食に対する興味を強くさせます。また、地産地消は地域経済を活性させる効果も発揮します。

食べ物や作る人への感謝の心をもつことができる

自分が食べているものの背景に目を向けると、食べ物を生産するためにはたくさんの人の関わりがあることがわかります。そうすると、食べ物やそれを生産・提供している人々へ感謝の気持ちを持つことができ、食を大切にする心も育ちます。

食育月間と食育の日

食育基本法に基づいて作成された食育推進基本計画では、「食育月間」と「食育の日」が定められています。それぞれ、食育の推進のためにさまざまな取り組みが行われています。

食育月間

食育推進基本計画により、毎年6月が食育月間として定められています。食育月間には、国や地方公共団体などが協力し、食育推進の運動を重点的に実施しています。各地で食育に関するさまざまなイベントが開催されたり、広報媒体などを通じて食育の知識を広く周知したりしています。

食育の日

食育推進基本計画では、食育月間と合わせて、毎月19日を食育の日に定めています。定期的に食育について考え、見直す機会として各地で啓発活動が実施されています。

食育は人生を豊かに過ごすための基礎知識

食育は人生を豊かに過ごすための基礎知識

 

食育とは、食についての知識を実践的に吸収し、身につけるための活動です。現代の日本では食に関するさまざまな問題が発生しています。不規則な食生活や栄養の偏り、それらに起因する生活習慣病、食品の海外依存、食の安全性への不安など、問題をあげるとキリがありません。これらを解決するためには、食に関する正しい知識を身につけ、実践していくことが必要不可欠です。

とくに、子どもの食に対する意識は将来の食習慣にも大きな影響を及ぼすため、食育は幼少期から行うことが重要です。大人でも、食習慣の乱れや不安を強く感じている人は、食育の内容を意識して普段の生活のなかに積極的に取り入れていくべきでしょう。

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