盆栽の歴史って?海外の反応や最近の人気ぶりを紹介
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盆栽の歴史って?海外の反応や最近の人気ぶりを紹介

盆栽はどのようにして生まれたものなのでしょうか。盆栽には長い歴史があり、その中でさまざまな人の手により少しずつ変化してきました。盆栽の変化は現代でも続いており、さまざまな新しい発想が組み込まれています。そのことには、海外での盆栽の人気の高まりも少なからず影響しているといえるでしょう。

今回は、盆栽の歴史や最近の人気ぶりについて紹介します。盆栽を取り巻く状況について詳しく知りたいと考えている人はぜひ参考にしてみてください。

盆栽の歴史って?海外の反応や最近の人気ぶりを紹介

盆栽とは?

そもそも盆栽とは、どのようなものなのでしょうか。ここでは、盆栽の歴史や海外の反応を確認する前に、盆栽の基本的な意味や概要を押さえておきましょう。

盆栽の意味

「盆栽」という漢字には、それぞれ意味があります。まず、盆栽の「盆」とは鉢を意味しており、盆栽は鉢に入っていることを表しています。また、盆栽の「栽」は生きている樹草をさしており、盆栽の鉢に植える植物の種類を表現しています。盆栽の文字の意味を知るだけでも、盆栽の定義について確認できますね。

盆栽の概要

盆栽は、限られたスペースの中で自然美や空間美を表現する手法です。盆栽用の鉢と樹草の組み合わせにより、その調和を鑑賞して楽しむことが目的とされています。単なる園芸技術ではなく、アートの要素もあります。

盆栽の起源

もともと盆栽は、中国で発祥したといわれています。といっても、発祥したのはかなり昔で、唐の時代に盆栽が生まれました。なお、中国では盆栽ではなく、「盆景」という名前で親しまれています。中国で発祥した盆景が日本に伝わって盆栽になり、独自の発展を遂げていまの状態にいたっているのです。

日本での盆栽の歴史

中国から日本に伝わった盆栽は、どのようにして発展を遂げたのでしょうか。日本においても古くから盆栽が始まっており、さまざまな歴史を経て現在の姿が形成されています。ここでは、日本独自の盆栽の歴史についてみてみましょう。

平安時代

日本に盆栽が伝わったのは、平安時代です。ただし、平安時代といっても、盆栽が伝わったのは末期の頃でした。中国の盆景が日本に伝わった後、少しずつ変化して日本ならではの文化として定着しました。現代においても盆栽は趣味として楽しむイメージが強いですが、当時も貴族のような富裕層に限らず、禅僧や武士などにも幅広く親しまれていました。このときからすでに盆栽は多くの人が気軽に楽しめるものとして人気となっていたのです。

江戸時代

江戸時代になると、盆栽はさらに多くの人に広まっていきました。具体的には、裾野が一般庶民まで広がり、ほとんど誰でも楽しめるものとなっています。また、園芸技術と焼き物の技術の両方が発達したことにより、盆栽でおこなえる表現も多様化しました。このことにより、よりさまざま自分らしい表現を楽しめるようになりました。

明治以降

明治以降、盆栽のイメージは少し変化します。なぜなら、政府の要人の中に盆栽の愛好家が多かったからです。このことにより、盆栽は幅広く誰でも楽しめるというよりも、高尚なたしなみというイメージになっていきました。

海外にも広がる盆栽ブーム

盆栽のブームは、日本国内にとどまりません。最近では海外でも盆栽のブームが広がっています。ここからは、海外に広がっている盆栽ブームについてどのような状況なのかみてみましょう。

外国人が盆栽に興味をもつ理由

そもそもなぜ外国人が盆栽に興味をもつのでしょうか。盆栽に興味をもつのは、日本文化に関心がある外国人です。侘び寂び文化のような日本独特の世界観に対して興味をもっている外国人は、盆栽にたいしても深い興味を示します。SNSでも拡散されるようになり、さらに関心をもつ人が増えています。

世界的ブームの始まり

盆栽が世界に広がったのは、1900年のパリ万博会場で日本庭園や盆栽の展示がおこなわれたからです。認知度が高まり、外国人からの注目が集まるようになりました。その後、1989年からは世界盆栽大会も始まり、世界各国から多くの人が参加しています。また、盆栽の輸出については、2004年以降の9年間をみると金額が10倍にもなっています。

現代の盆栽人気は?

いまの盆栽の人気はどのような状況になっているのでしょうか。ここでは、現代の盆栽人気の状況について確認しておきましょう。

若者からの興味関心

最近では、盆栽に興味をもつ若者が増えています。盆栽といえば、リタイヤ後のお年寄りが趣味として楽しむものというイメージをもっている人も少なくないでしょう。しかし、そのようなイメージは少しずつなくなってきており、盆栽は若者も抵抗なく取り組むようになっていています。特に海外では、もともと盆栽に対してお年寄りが取り組むものというイメージはありません。日本独自の魅力的なアートとしても捉えられています。

モダン盆栽としての進化

盆栽は、これまでのイメージとは一味違うモダン盆栽としても進化しています。たとえば、インテリアに溶け込むようなデザイン性の高い盆栽も多く生み出されるようになっています。特に和風なものだけでなく、洋風なものも増えている状況です。盆栽は和風なイメージが強いですが、モダン盆栽にすることで幅広い可能性があるといえるでしょう。

初心者でも始めやすい

盆栽は初心者でも取り組みやすいため、興味をもった多くの人が簡単に始められます。特に小さなサイズの盆栽であれば、マンションのベランダでも育てることが可能です。コンパクトなので場所をとらず、世話も比較的簡単です。初心者でも始めやすいので、多くの人の間に広がりやすい傾向があります。

サイズの縮小

盆栽にはさまざまなサイズがありますが、最近では特に小さなサイズの盆栽に対する人気が高まっています。具体的には、10cm以下の「ミニ盆栽」を好んで育てる人が増えている状況です。ミニ盆栽は、プチ盆栽や豆盆栽ともよばれています。これまでとは異なる新しい盆栽の分野としても注目されています。ミニ盆栽の中には、指に乗せられるほど小さなサイズも存在します。なかには、どれだけ小さな盆栽を作ることができるか競っている人たちもいるでしょう。小さな盆栽を作るには技術が必要ですが、そのことがかえって面白いと感じられるようです。小さいだけでなく、盆栽らしい自然を感じられるように仕立てなければなりません。そのために試行錯誤する過程を他の楽しむ愛好家が増えています。

盆栽の歴史やブームについても知っておこう

盆栽の歴史やブームについても知っておこう

盆栽をこれから本格的に始めたいと考えているなら、盆栽の歴史やブームについても把握しておくといいでしょう。盆栽の歴史やブームを知っておくと、盆栽に対するイメージや捉え方にも変化が起きる可能性があります。盆栽は自由に取り組めるものだという認識をきちんともてるようになると、より幅広い発想で取り組めるようになるはずです。盆栽を趣味として楽しみたい場合でも、せっかくならしっかりとした方向性をもって取り組みたいですよね。盆栽はアートとしての側面もあるため、盆栽を取り巻く状況をしっかりと知っておくことはとても役立つことです。盆栽は今後もさまざまな姿に進化していくでしょう。その様子を確認しつつ、自分自身で新しい盆栽のジャンルを確立することも可能です。自分なりの発想やアイデアを活用し、盆栽を楽しみましょう。