石鹸の種類と製法の違いについて| 通信教育・通信講座のSARAスクールジャパン資格講座
現在位置
通信教育・通信講座SARAトップ > 手芸・ハンドメイドの資格取得講座一覧 > 手作り石鹸資格取得講座 > 石鹸の種類って?原料や製法の違いについて押さえよう

石鹸の種類って?原料や製法の違いについて押さえよう

石鹸にはさまざまな種類があります。たくさんの種類があるのは、石鹸の原料や製法にさまざまな種類があるためです。石鹸の種類によっては、性質は大きく異なることがあります。石鹸をより深く理解するためには、石鹸の原料や製法の違いについてしっかり理解しておいたほうがよいでしょう。

今回は石鹸の種類について、原料や製法の違いを説明しながら紹介します。それぞれの石鹸の詳しい違いを押さえて、石鹸の種類や性質の特徴をきちんと理解できるようにしましょう。

石鹸の種類って?原料や製法の違いについて押さえよう

石鹸の種類

石鹸にはそもそもどのような種類があるのでしょうか。石鹸と一口にいっても、実はさまざまな種類があります。種類は分け方によってもいろいろあるので、ここでは用途別と形状別に分けて石鹸の種類について説明します。

用途別

石鹸は用途に合わせて作られているものも多いです。用途に合わせて石鹸を選ぶことにより、それに適した使い心地を得られます。まずは用途別に石鹸の種類についてみてみましょう。

化粧石鹸

化粧石鹸とは、体を洗うための石鹸のことです。顔を洗う石鹸は、体を洗うための石鹸とは分けられていることもあります。メーカーによってもさまざまなバリエーションが用意されており、好みに合わせて選ぶことができる石鹸です。

薬用石鹸

薬用石鹸とは殺菌や消毒のために使う石鹸です。食器や布巾などを殺菌または消毒するために使うことを想定したものです。菌に強い成分が配合されています。ただし、薬用石鹸は基本的に医薬部外品として扱われています。なお、薬用石鹸の中には体に使うことを想定して作られているものもあります。

洗濯用石鹸

洗濯用石鹸は、水質汚染や衣服の褐色などを避けつつものを洗えるように工夫されている石鹸です。水温によって洗浄力が変化し、水温が上がるほどに洗浄力は高くなります。

形状別

石鹸は形状にもいろいろな種類があります。普段何気なく使用している石鹸も、実はそれぞれ種類が異なるものです。形状によって、石鹸の性質や特徴にもちょっとした違いがあります。ここでは、形状別に石鹸の種類を見てみましょう。

固形石鹸

固形石鹸は、手の平に収まる程度のサイズに成形された石鹸です。ただし、用途によっては大きいサイズの固形石鹸も作られています。乾燥すると割れやすいという特徴があります。

紙石鹸

紙石鹸とは、固形石鹸を薄く削いだ石鹸のことです。手洗いの際に1回使用することを想定して作られており、携帯用として使われます。特に小さい女の子向けに作られたもので、昔は駄菓子屋などで売られていました。

液体石鹸

液体石鹸は常温でも柔らかくなる石鹸に水を加えたものです。手洗い用やボディソープなどさまざまなタイプがあります。洗浄効果が高いため、体を清潔に保つことができます。固形石鹸に比べると割高です。

原料の違いによる種類

石鹸は原料にも種類があり、それぞれ違った特徴を備えています。石鹸の性質は原料によっても大きく異なるので、ぞれぞれの特徴をしっかり押さえておくとよいでしょう。ここでは、石鹸の原料による違いについて説明します。

油脂の違い

石鹸を作るときに使われる油脂には、たくさんの種類があります。動物性のものもあれば、植物性のものもあります。ここでは、石鹸に使用される代表的な油脂についていくつか紹介します。

牛脂

まず、石鹸に使用される動物性の油脂としては、牛脂があげられます。牛脂はきめ細やかな泡が立つのが大きな特徴です。動物性だけあって人間の皮脂にも馴染みやすく、洗い上がりもよいです。その分、刺激も少ないので、肌が弱い人でも安心して使用できます。

ヤシ油

さらに、石鹸に使われる油脂としては、ヤシ油があります。ヤシ油は泡立ちがよいことと、洗浄力が高いことを大きな特徴としてあげられます。石鹸としての高い効果をもっています。ただし、乾燥しやすかったり、刺激が強かったりといった弱点もあります。

オリーブ油

オリーブ油は肌に優しく、うるおいを与える成分も多く含まれています。その反面、しっかりとした洗浄力を期待できるのがポイントです。ただし、泡立ちはそれほどないため、物足りなさを感じる人もいるかもしれません。とはいえ、比較的手に入れやすい植物油でもあるので、石鹸作りに取り入れやすいといえるでしょう。

脂肪酸の違い

石鹸を作るときは、脂肪酸を直接反応させる中和法を用いることもあります。その場合、脂肪酸の種類によってでき亜がある石鹸にも性質に大きな違いが出ます。ここでは、代表的な脂肪酸についてもいくつか押さえておきましょう。

ミリスチン酸

ミリスチン酸は冷たい水にも溶ける性質をもっています。ヤシやパーム核などが原料となっており、泡はやや粗くて大きいのが特徴的です。

パルミチン酸

パルミチン酸は水に溶けにくい性質をもった脂肪酸です。原料はパームや牛脂で泡もやや大きめで、泡は長く持続しやすいです。

石鹸の製法

石鹸は製法にもさまざまな種類があります。製法によっても石鹸の性質は異なるので、製法の違いもしっかり押さえておいたほうがよいでしょう。製法によっては、石鹸を自宅で手作りすることも可能です。石鹸の製法としてはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、石鹸の製法の違について説明するので、ひととおり確認しておきましょう。

機械練り石鹸

機械練り石鹸とは、中和法によって作られた石鹸のことを表しています。分解した油脂を使い、脂肪酸のみをアルカリと反応させて石鹸を作ります。油脂ではなく脂肪酸を原料とするため、工程の手間を省くことができます。ただし、中和法で作られた石鹸は環境による変質が起きることもあります。

枠練り石鹸

枠練り石鹸の製法としては、大きく分けて鹸化法と冷製法の2種類があります。鹸化法はさらに鹸化塩析法や焚き込み法などがあります。鹸化塩析法はより純度の高い石鹸を作ることができる製法です。焚き込み法は比較的製法が簡単なため、家庭でも作ることができます。また、冷製法はコールドプロセスともよばれます。油脂に苛性ソーダを加えて、加熱せずに石鹸を仕上げる方法です。冷製法も家庭でおこなえますが、適度の油脂が残る場合があります。

石鹸にはたくさんの種類がある

石鹸にはたくさんの種類がある

石鹸とひとくくりにして呼ばれることが多いですが、実は石鹸にはたくさんの種類があります。原料や製法はそれぞれ異なるので、石鹸そのものの効果もまったく違う場合があります。そのため、石鹸を使用するときはその石鹸の特徴をよく理解しておくことが大切だといえるでしょう。石鹸の種類によっては、使用目的に合わない可能性もあるので注意が必要です。石鹸の違いをきちんと把握したうえで、用途に合った石鹸を使い分ける必要があります。

石鹸は原料や製法によっては自宅で手作りすることも可能です。自分で石鹸を作れば、原料や製法もよく理解できるので、実際に石鹸を使用するときも安心して使用できます。石鹸の中には刺激の強いものもあるので、肌に合わないものを使用すると荒れてしまう場合もあります。手作り石鹸であれば、自分との相性を考えながら作ることができるので、好みや用途に合わせた石鹸を自由に作ることが可能です。自分自身の体や用途に合わせて石鹸を選ぶようにし、石鹸による洗浄効果をきちんと発揮できるようにしましょう。