コールドプロセス製法で作る手作り石鹸って?
記事更新日:2023年8月21日石鹸を作る場合、さまざまな製法があります。そのなかでもコールドプロセス製法は、手作りに向いている製法です。さまざまなメリットがあり、時間をかけてゆっくり石鹸を作り上げることができます。ただし、デメリットもあるので、コールドプロセス製法で石鹸作りをする前に特徴をしっかりとらえておくことが大切です。
今回は、コールドプロセス製法で作る手作り石鹸について説明します。特徴とともに作り方の概要も説明するので、これからコールドプロセス製法で石鹸を手作りしたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
「コールドプロセス製法」とは?
コールドプロセス製法とは、どのようなものなのでしょうか。まずはコールドプロセス製法の概要について説明するので、ひととおり押さえておきましょう。
ホットプロセスとの違い
コールドプロセス製法は、従来の石鹸の製法とは大きく異なるものです。従来の加熱けん化法と呼ばれる方法は熱を使用するため、コールドプロセスに対してホットプロセスと表現することができます。ホットプロセスの場合は90℃以上の温度でけん化することにより、短時間で石鹸を仕上げることが可能です。これに対してコールドプロセスにおいては、低い温度で石鹸を仕上げます。ホットプロセスと比べて低温で石鹸を作るため、コールドプロセスは冷製法とよばれることもあります。
コールドプロセス製法の特徴
コールドプロセス製法で作られた石鹸には、ホットプロセス製法で作られた石鹸と比べてさまざまな違いがあります。まず、コールドプロセス製法で作られた石鹸は、ホットプロセス製法よりも熱による成分のダメージが少ないという特徴があります。これは、石鹸にさまざまな効果をプラスしたいときに大きな効果を発揮します。たとえば、コールドプロセス製法で作る石鹸には熱に弱い美肌成分を配合することができます。肌によい効果のある石鹸を作りたい場合にはコールドプロセス製法はとても役に立つといえるでしょう。
コールドプロセス製法のメリット
コールドプロセス製法で作られた石鹸には、さまざまなメリットが期待できます。コールドプロセス製法で作られた石鹸のメリットとは、具体的にどのようなものがあげられるのでしょうか。ここでは、コールドプロセス製法で石鹸を作った場合のメリットについて紹介します。
保湿効果が高い石鹸ができる
コールドプロセス製法で石鹸を作ると、保湿効果の高い石鹸を作ることが可能です。なぜなら、コールドプロセス製法は低温で石鹸の製造をおこなうため、植物油に含まれている保湿成分のグリセリンを多く配合することができるからです。しっかり保湿成分を取り入れることができるため、手肌にも優しい石鹸に仕上げることができます。
使用する成分を組み合わせる自由度がある
コールドプロセス製法で作る石鹸には、成分を自由に配合しやすいという特徴もあります。低温で時間をかけて石鹸を作るため、さまざまな成分をしっかり閉じ込められます。単に汚れを落とすだけではなく、肌によい効果を与える石鹸を作りたい場合は、コールドプロセス製法を利用することで、希望に合った石鹸を作りやすくなります。
コールドプロセス製法のデメリット
さまざまなメリットがあるコールドプロセス製法ですが、なかにはデメリットといえる部分もあるのが事実です。コールドプロセス製法には具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか。コールドプロセス製法のメリットを生かして石鹸を仕上げるには、コールドプロセス製法のデメリットについても理解しておいたほうがよいです。ここでは、石鹸作りにおけるコールドプロセス製法のデメリットについて紹介するので、きちんと押さえておきましょう。
作るのに時間がかかる
コールドプロセス製法のデメリットとしては、石鹸を完成させるまでに長い時間が必要だという点です。なぜなら、強アルカリ薬品の除去に2ヵ月程度の乾燥工程が必要となるからです。そのため、石鹸を作ってすぐに使用したという場合には、コールドプロセス製法は向かないといえます。コールドプロセス製法で石鹸作りをするなら、計画的に石鹸作りをおこなうようにしたほうがいいでしょう。
泡立ちにくい
コールドプロセス製法で作った石鹸は、泡立ちにくいというデメリットもあります。ただし、泡立ちについては配合する原料の種類などによって調整することも可能です。しっかり泡立つ石鹸を作りたい場合は、原料についてもきちんと配慮しておくとよいでしょう。
コールドプロセス製法による石鹸作りの流れ
では、コールドプロセス製法で石鹸を作るには、具体的のどのような手順を踏めばいいのでしょうか。コールドプロセス製法による石鹸作りは、家庭でもそれほど難しくありません。ここでは、コールドプロセス製法による石鹸作りに必要な物とともに、作り方の流れを説明します。
必要な物
コールドプロセス製法においては、さまざまな物を用意する必要があります。具体的には、以下のものが必要です。 【コールドプロセス製法による石鹸作りに必要な物】 ・ボール ・泡だて器 ・ゴムベラ ・石鹸を流し込むための型 ・はかり ・計量カップ ・タオル ・エプロン ・ゴム手袋
基本的な流れ
最初に材料の分量をはかっており、必要な量を用意しておきましょう。精製水に苛性ソーダを混ぜ、ゆっくりとかき混ぜていきます。液体の温度が下がってきたら、油脂を加えてさらに溶かしていきます。さらによくかき混ぜていきます。泡だて器を持ち上げたときにたれる液体によって表面に線ができるようになるまでかき混ぜる必要があるので、何度かにわかながらひたすら混ぜる必要があります。混ぜ終わったら、型に流し込み、タオルをかぶせて保湿しながら固めます。石鹸は2日から1週間程度で切り分けをおこないましょう。さらに、その後1~2カ月程度熟成させると石鹸の完成です。
コールドプロセス製法で石鹸を手作りしてみよう!
コールドプロセス製法なら、自宅で石鹸作りをおこなうことができます。特殊な機械や技なども必要ないため、初めてでもきちんと石鹸を完成させることが可能です。たくさん混ぜたり、固めるために時間をおいたりする必要はありますが、計画的におこなえば問題なく石鹸作りを楽しめます。コールドプロセス製法なら、肌によい成分をプラスすることもできるので、手作りで簡単に肌によい石鹸を作ることができます。コールドプロセス製法で作った石鹸は高い保湿効果も期待できます。また、自分で石鹸を作れば、どのような原料が入っているかよく分かるので、石鹸を安心して使うことができるでしょう。
石鹸は私たちの生活にとってなくてはならない存在です。毎日使うものだからこそ、自分で手作りするというのはとてもおすすめです。たしかにコールドプロセス製法は時間がかかりますが、たくさん作ってストックしておけば石鹸がなくなってしまって困ることはないでしょう。たくさん石鹸を作っておけば、周囲の人にプレゼントすることもできます。安心して使える石鹸をプレゼントされたら、とても嬉しいですよね。美肌成分などをプラスすることで、より魅力的なオリジナル石鹸を作ることも可能です。コールドプロセス製法を利用して、気軽に石鹸作りを始めてみてはいかがでしょうか。