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石鹸の原料や成分って?他の洗剤との違いを知ろう

石鹸は私たちにとって、とても身近なものです。とはいえ、石鹸の原料や成分について詳しく理解しているという人はそれほど多くないのではないでしょうか。石鹸の材料はとてもシンプルであり、成分についても比較的理解しやすいです。

今回は、石鹸の原料や成分はどのようなものであるかについて説明します。普段の生活から切り離して考えることはできないものなので、しっかりと押さえておきましょう。他の洗剤との違いについても触れるので、ぜひ参考にしてみてください。

石鹸の原料や成分って?他の洗剤との違いを知ろう

石鹸の原料

石鹸の原料としては、どのようなものが使われているのでしょうか。石鹸は手作りできることからも分かるように、石鹸の原料はかなりシンプルです。ここでは石鹸の原料について説明するので、ひととおりしっかり確認してみましょう。

天然油脂

石鹸は天然油脂を原料として作られています。もしくは脂肪酸とよばれる原料が使用されることもありますが、脂肪酸は天然油脂から作られているため、結局天然油脂が元の原料となっている点は同様です。天然油脂としてはさまざまな種類がありますが、そのなかでも石鹸作りに適している油脂は、牛脂、パーム、ココヤシなどです。これらの油脂を使用すれば、水にもある程度溶けやすく洗浄力が高いバランスのとれた石鹸を作ることができます。それに対して、仮に石鹸作りに適さない油脂を使ってしまうと、水になかなか溶けにくかったり、洗浄力があまりなかったりする石鹸になる恐れがあります。機能性の高い石鹸を作るためには、石鹸の材料の選び方がとても重要だといえるのです。

苛性ソーダや苛性カリ

石鹸作りでは、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)や苛性カリ(水酸化カリウム)とよばれる材料も必要です。これらを天然油脂と混ぜることにより、石鹸の泡立ちや洗浄力などを調整することができます。調合の仕方によって石鹸の使用感も大きく変わる可能性があるため、石鹸作りに適した苛性ソーダや苛性カリを選ぶようにしましょう。

合成洗剤の原料

石鹸は、天然油脂と苛性ソーダまたは苛性カリという2種類の材料を使って作ることが分かりました。では、石鹸と対極の存在ともいえる合成洗剤はどのようにして作られているのでしょうか。合成洗剤を作る際にも天然油脂が使用されることもあります。ただし、合成洗剤の原料としては、石油が使用される場合も少なくありません。原料となる油を使い、複雑な化学合成をおこなうことにより合成界面活性剤を作り出します。そのため、合成洗剤は家庭で簡単に手作りできるものではありません。複雑な化学合成がおこなわれるため、専門的な知識がなければ合成洗剤を作るのは難しいでしょう。合成洗剤はさまざまな用途に合わせて汚れを落としやすくすることを念頭に置き、さまざまな企業の専門的な設備によって作られています。

石鹸の成分

主に2種類の材料を使って作る石鹸には、どのような成分が含まれているのでしょうか。石鹸は材料を混ぜて作るシンプルなものであるため、成分も分かりやすくシンプルなものとなっています。そのため、石鹸の成分については、誰でもきちんと理解することが可能です。ここでは、石鹸の成分について基本的なところを説明します。

主成分

石鹸は、天然油脂の脂肪酸と、アルカリである苛性ソーダや苛性カリによってできてきます。これらは、石鹸素地ともよばれ、石鹸の基礎となっています。これだけでも石鹸として使用することができますが、石鹸素地以外にも成分が加えられることもあります。

添加物

実際に使用する石鹸では、石鹸素地に添加物を加えることが多いです。添加物と聞くと体に悪い成分にも思えますが、添加物といっても体にとってもよい効果をもたらす場合もあります。もちろん、完全無添加とよばれる石鹸であれば、ほとんど石鹸素地のみで構成されています。しかし、それ以外でも化学成分無添加であれば、自然由来の添加物を使用することで体に優しい洗い上がりを実現できるのです。化学成分が含まれていない石鹸であれば、添加物が含まれていても大きな問題はないでしょう。 石鹸の添加物としては、保湿成分が使われることが多くあります。たとえば、グリセリンや蜂蜜、植物性オイルなどが含まれることが多いです。また、薬用石鹸の場合は、殺菌成分や肌荒れ防止成分を配合することもあります。石鹸は種類によってさまざまな添加物が含まれており、選び方を工夫すれば肌によい成分をもつ石鹸を使用できます。

石鹸や他の洗剤の成分表示

では、石鹸や他の成分表示はどのような点が違うのでしょうか。石鹸と合成洗剤は原材料に大きな違いがあるとおり、成分にも大きな違いが見られます。また、石鹸といっても、成分をよく見てみると純石鹸以外であることも多いです。純石鹸であっても、石鹸には必ず界面活性剤が含まれています。何となく悪い印象をもつ方もいるかもしれませんが、どのような石鹸であっても界面活性剤は必ず入っています。界面活性剤は水と油の関係を作りだすものであり、石鹸で汚れを落とすには必要不可欠な成分です。ここではそのことを考慮したうえで、石鹸や他の洗剤の成分表示についてチェックしてみましょう。

石鹸

一般的には、単純に純石鹸だけで作られているものを石鹸とよびます。私たちが日常的に使用している石鹸は、場合によっては単純に石鹸とよべないものである可能性もあります。具体的には、純石鹸分以外の界面活性剤の含有割合が30%未満のものを複合石鹸といいます。

合成洗剤

純石けん分以外の界面活性剤の含有割合が30%以上になると、合成洗剤とよばれます。ただし、台所用の洗剤については、純石けん分以外の界面活性剤の含有割合が40%以上になる場合に、合成洗剤と呼ばれることになっています。

石鹸にはたくさんの成分が含まれている

石鹸にはたくさんの成分が含まれている

石鹸の原料はとてもシンプルであり、成分も把握しやすくなっています。ただし、石鹸にはさまざまな添加物が使用されることもあり、石鹸の種類によっては異なる成分が含まれることもあります。添加物と聞くと危険なもののようにも思えますが、実際は体にとってプラスの作用をもつ場合も少なくありません。添加物だからといってすべてを悪く考えるのではなく、それぞれの成分がどのようなものなのかしっかり把握することが大切です。特に化学成分無添加の石鹸を選ぶようにすれば、添加物と聞いて不安になるような影響が及ぶことはほとんどないといえるでしょう。

石鹸は基本的に天然油脂と苛性ソーダまたは苛性カリがあれば、作ることができます。天然油脂は自分の好みや作りたい石鹸のタイプに合わせて選ぶことが可能です。もちろん、天然油脂の中には石鹸作りに向かないものもあるので、その点を考慮して石鹸作りに合うものを選ぶことも忘れない用意しましょう。手作り石鹸でもある程度の汚れはきちんと落とすことができます。そのため、自分で石鹸を手作りすれば、日常のさまざまなところで手作りの石鹸を活用することが可能です。石鹸は誰でも使うものなので、たくさん作って周囲の人にプレゼントするのも素敵でしょう。石鹸を手作りするなら他に蜂蜜や植物オイルをプラスするなどすると、よりオリジナルティのある石鹸になります。必要な材料を用意して、自分だけの石鹸作りを楽しんでみてはいかがでしょうか。