日本の伝統工芸「つまみ細工」とは?歴史と海外への広がりについて知ろう
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日本の伝統工芸「つまみ細工」とは?歴史と海外への広がりについて知ろう

日本に伝わる「つまみ細工」は、長い歴史の中で多くの人に受け継がれてきた伝統工芸です。そのため、つまみ細工を始めるなら、その歴史についても理解しておくとよりよいでしょう。最近では、もともとのイメージとは違う流行も起きており、海外にもその人気が広まっています。

今回は、つまみ細工について歴史や海外への広がりについて紹介します。これからつまみ細工を始めたいと考えている人や、すでにつまみ細工を始めていても歴史についてはよく分かっていないという人はぜひ参考にしてください。

日本の伝統工芸「つまみ細工」とは?歴史と海外への広がりについて知ろう

つまみ細工とは?

そもそもつまみ細工とは、どのようなものなのかよく分かっていないという人もいるでしょう。つまみ細工は、日本に伝わる伝統的な工芸品です。もともとは薄絹(羽二重)を正方形に切り取り、つまんだり組み合わせたりして花や草などを形づくって装飾するための技法として広まりました。発症したのは古い時代ですが、その伝統がさまざまな経緯を経て現代まで継承されてきています。よって、つまみ細工について学ぶことは、日本の歴史について学ぶことにもつながるでしょう。 つまみ細工の代表的な作品としては、和装に合わせる女性の髪飾りがあります。東京都指定の伝統工芸としては、「江戸つまみ簪(かんざし)」もあります。つまみ細工は正式に認められている伝統工芸なのです。ただし、現在では和装に限らず、アクセサリーとして幅広く利用されています。作者のアイデア次第で斬新な作品も生まれており、今後の発展も楽しみな工芸品だといえるでしょう。つまみ細工作りは趣味としても人気が高まっているので、いまのうちに勉強しておくと活躍できる可能性も高いです。

つまみ細工の歴史

つまみ細工は伝統的な工芸品です。とはいえ、具体的にはどのような歴史があるのか分からないという人も多いでしょう。ここでは、つまみ細工の発祥から現代までの歴史について分かりやすく説明します。

つまみ細工の起源

つまみ細工は、もともと京の宮廷の女官たちが作り始めたことで発祥しました。ここでは、いつも着ている着物の余り布を用い、花飾りを作っていたといわれています。それからつまみ細工はさらに注目されるようになり、専門的につまみ細工を作る職人も誕生しました。ここからつまみ細工は、ひとつの商品として出回るようになっています。

江戸時代の流行

つまみ細工は江戸時代の中期頃になると、江戸にも伝わってきました。そして、つまみ細工を専門的に作成する職人によって、かんざしが多く作られるようになります。その結果、江戸時代には、つまみかんざしが大流行しました。つまみかんざしの人気はいたるところに広まり、武家や町の娘など多くの女性に広まっていたといわれています。つまみ細工は軽量で持ち運びもしやすいので、江戸のお土産としても人気になっていたといわれています。

明治時代の発展

つまみ細工は、明治時代になるとさらに一般に広く浸透しました。摘み師や花簪師といった専業の職人が現れ、制作を請け負っていました。また、この頃には女子教育の一環として手芸全般が奨励されるようになりましたが、その科目のひとつにつまみ細工も含まれていました。そのため、つまみ細工は女子のたしなみともいえるものになっていたのです。この頃から大正時代にかけて、つまみ細工を作るための教則本が多く出版されました。そのため、教育現場だけでなく、世間全体につまみ細工の存在が浸透したといわれています。

近年の需要の減少

大きな人気を博していたつまみ細工ですが、和装文化が終わりに近づくにつれて、その需要は減少し始めます。なぜなら、着物を着なくなれば、それに似合うつまみ細工のかんざしやアクセサリーも不要となるためです。つまみ細工は和装に合わせて作られているので、どうしても洋服には似合いません。また、洋服を着るとなると、髪型も全体的に変わってしまうでしょう。かんざしの需要がなくなったことで、つまみ細工職人による生産も減少していきました。つまみ細工が使われるのは、花街のような一部の場所に限られてしまいました。そして、一般的に使用されるのは、七五三や成人式など和装をするときのみとなっています。

趣味としての広まり

需要がなくなったように思われていたつまみ細工ですが、近年は趣味の手芸として注目が集まっています。特に、2000年代になると、つまみ細工教室が全国的に増えていきました。つまみ細工は専門の職人も存在しますが、もともとは女官が楽しみのひとつとして作り始めたものです。そのため、現代でも趣味としてつまみ細工の作品作りを楽しむことは十分に可能です。近年は需要が少なくなっていた分、むしろ目新しいものとして注目している人も増えています。

海外にも広がるつまみ細工

つまみ細工は、もともと日本独特の季節感や美意識を表現できる作品です。しかし、最近では海外でもつまみ細工が広がっています。海外ではつまみ細工は「KANZASHI」とよばれています。また、「TSUMAMI KANZASHI」「Fabric Flower」などとよばれることもあるようです。 海外でつまみ細工は、主に子供用のヘアアクセサリーとして作られています。また、人によっては、自分なりのオリジナリティを加えて作っているケースもあり、さまざまな多彩な表現を見ることができます。海外のつまみ細工の作品を見ると、作り方や材料が日本とは異なる部分もあります。そのため、海外の作品も見てみると、よりさまざまなアイデアが浮かびやすくなるかもしれません。 また、つまみ細工を専門的に仕事にするのであれば、海外向けに情報を発信するというのもひとつの手でしょう。海外でもつまみ細工に注目する人は増えているので、語学力などがあればそれを活かすことも可能です。つまみ細工にはさまざまな可能性があるので、作品の作り方だけでなく、つまみ細工のプロとしての活動方法についても自分なりのアイデアを出してみるといいでしょう。

つまみ細工に取り組むなら歴史を理解しておこう

つまみ細工に取り組むなら歴史を理解しておこう

つまみ細工は、日本で古くから親しまれてきた伝統工芸のひとつです。女性が手軽に取り組める手芸として、人気を博してきました。最近は、再びつまみ細工に注目が集まるようになっており、趣味として取り組む人も増えています。つまみ細工を始める前に歴史について正しく理解しておけば、つまみ細工についてより深く知ることができるでしょう。そのことは、つまみ細工に実際に取り組むうえでも役立つ可能性が高いです。つまみ細工の歴史を知ることは、日本の歴史を知ることでもあるので、ぜひ積極的に勉強してみることをおすすめします。

つまみ細工についてより深く知りたいと思うなら、資格を取得するのもおすすめです。資格取得のための講座では、つまみ細工の歴史や手法はもちろん、他にもさまざまなことを学べます。つまみ細工に本気で取り組みたいと思っているなら、資格を取得するとひとつの武器とすることも可能です。なぜなら、資格があると周囲の人から信頼を得やすくなり、仕事にも直結する可能性があるからです。つまみ細工の情報を正しく理解すれば、それを踏まえたうえでつまみ細工に対する新しいアイデアも出しやすくなるでしょう。つまみ細工を始めるなら、歴史をはじめとする知識をしっかりと理解したうえで取り組むことをおすすめします。