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刺繍の歴史とは?各地域での発展の流れを見てみよう

細かくて美しい模様が印象的な刺繍。刺繍はどのようにして生まれ、どのように発展してきたのでしょうか。刺繍の歴史はとても古く、長い時間をかけて現在まで伝わっています。刺繍を施すなら、どのような流れで刺繍がおこなわれてきたのかについてもひととおり理解しておくとよいでしょう。

今回は、刺繍の歴史について詳しく紹介します。各地域での始まりやそれぞれの有名な刺繍についても紹介するので、ぜひチェックしてみてください。

刺繍の歴史とは?各地域での発展の流れを見てみよう

刺繍の歴史

刺繍の歴史はとても古く、正確な起源は分かっていません。刺繍は人の暮らしと密接にかかわっており、国や文化によってもそれぞれ異なるバリエーションがあります。刺繍の歴史は地域によっても異なるため、それぞれの地域ごとに把握したほうがよいでしょう。

ヨーロッパ刺繍

ヨーロッパでは、古くから刺繍がおこなわれてきました。そのため、ヨーロッパでは地域によって、さまざまな刺繍のバリエーションがあります。刺繍の歴史を知るなら、ヨーロッパの歴史を理解しないことには始まらないでしょう。ここでは、ヨーロッパにおける刺繍について見てみましょう。

ヨーロッパ刺繍の歴史

ヨーロッパにおいては、エジプトの遺跡から刺繍が見つかっています。実際にいつの時点で刺繍が始まったのかは定かではありませんが、それでもかなり古い時代から刺繍がおこなわれていたことが分かります。エジプトでおこなわれていた刺繍は、ローマでさらに発展しました。その後、刺繍はさらにヨーロッパ各地でも広がっていきます。長い歴史の中では、信仰を示したり身分の高さを表したりする手段としても使われていました。刺繍は次第に庶民にも広まっていき、さらに各地域でさまざまなバリエーションができていきました。刺繍は人々の暮らしの中で少しずつ発展していったのです。

ヨーロッパ刺繍の代表例

ヨーロッパの刺繍といえば、やはり「フランス刺繍」が有名でしょう。カラフルで素敵な色使いが特徴的であり、さまざまなオリジナルの刺繍を楽しむことができます。また、白い布に模様を入れるノルウェーのハーダンガー刺繍なども素敵です。ヨーロッパ刺繍は講座を通じて技法を身につけることもできるので、ぜひ挑戦してみるとよいでしょう。

中国刺繍

刺繍としては、中国の刺繍もあります。中国の刺繍の歴史もとても長く、約3000年もの歴史があるといわれています。中国刺繍とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。ここでは、中国刺繍の概要について紹介します。

中国刺繍の歴史

中国刺繍は、きらびやかな金や銀の糸を使っているのが特徴的です。中国で刺繍が始まったのは、インドから刺繍が伝わった後だといわれています。中国で独自に発展し続ける中では、刺繍はとても重要なものとして扱われていました。皇帝の服にはさまざまな動物や紋様の刺繍が施されており、とても美しいです。中国刺繍の技法は、その後、工芸品や舞台用の衣装のためにも応用されるようになりました。このようにして、さらに独自の変化を遂げていき、現在まで伝わっています。

中国四大刺繍

中国には、四大刺繍と呼ばれるものがあります。 これは、刺繍が工芸品や舞台用の衣装として発展する中で確立されたものです。中国刺繍を語るうえでは、四大刺繍の存在を無視することはできないでしょう。中国四大刺繍について、それぞれ紹介します。

蘇繍

中国刺繍のひとつ目としては、蘇州で発展した「蘇繍」があります。蘇繍はいまから2600年以上前から始まったものです。特に宋の時代頃に大きく発展しており、明の時代に独自のスタイルを確立するにいたりました。蘇繍がもっとも高い注目を集めていたのは清の時代であり、皇帝が身につける衣服にも刺繍が施されていました。細かくて繊細な模様が上品な印象を醸し出すため、蘇繍は中国のみならず世界から高い評価を得ています。

粤繍

広州の「粤繍」は広東省で発展した刺繍であり、広繍とよばれることもあります。歴史は意外と短く、200~300年ほど前に始まったものです。色使いが鮮やかなところが特徴的で、構図も複雑で細かくなっています。美しい花や鳥などのモチーフが多く取り入れられており、華やかな印象が強い刺繍です。中国の神話に登場する鳳凰などが刺繍されることもあります。

湘繍

湖南の湖南省長沙市で発展した「湘繍」は、もともと伝わっていた伝統的な刺繍をもとにしつつ、蘇繍や粤繍の要素を取り入れて確立されました。縫い目がきれいにそろっており、模様が美しく表現されているのが特徴的です。色の濃淡がはっきりしているのも大きな特徴のひとつということができ、描かれている模様にはリアリティがあります。

蜀繍

四川省成都市のあたりで発展した「蜀繍」は、川繍ともよばれています。蜀繍は絵柄が美しく、生き生きと表現されているのが特徴的です。刺繍には立体感があります。花や鳥、虫や魚などさまざまな絵柄が取り入れられています。山や川などの美しい風景が取り入れられることもあります。

日本の刺繍

刺繍は、日本においても独自の発展を遂げています。日本独自の刺繍はどのようにして現在に伝わってきたのでしょうか。ここでは、日本における刺繍の歴史についてみてみましょう。

日本の刺繍の始まり

日本の刺繍は、もともと中国から伝わってきました。そのため、日本の刺繍は中国の影響も大きく受けています。具体的には、飛鳥時代に日本でも刺繍がおこなわれるようになりました。時代に合わせて衣服に刺繍をほどこすこともあり、時代によってさまざまな刺繍のスタイルが生まれています。

日本刺繍

日本の刺繍は、装飾文化や仏教に関わる出来事の中で発展してきました。具体的には、京繍(きょうぬい)、加賀繍(かがぬい)、江戸繍(えどぬい)などのバリエーションがあります。刺繍の職人が刺繍をおこなっていたため、それぞれ繊細な作りが美しい刺繍となっています。

刺し子

日本の刺繍としては、東北で古くから伝わる刺し子も忘れてはいけない存在です。代表的なものとしては、青森県の津軽地方で発展した「こぎん刺し」があります。もともとは寒い地方での衣服の防寒や補強が刺し子の始まりだといわれています。いまででは、気軽におこなえる刺繍のひとつとして、さまざまなものに刺し子の技法による刺繍が施されています。

刺繍をするなら歴史について理解しておこう

刺繍をするなら歴史について理解しておこう

刺繍は長い歴史をかけて少しずつ現在の姿へと発展してきました。美しい刺繍は、多くの人々の暮らしの営みの中で大切にされてきたものです。ヨーロッパを中心に始まったものが、いつしか人々に伝承されて日本にも伝わってきました。日本においても刺繍は独自の発展を遂げており、さまざまな美しい姿をいまでも表現し続けています。

刺繍と一口にいっても、よく見てみると国や地域によってさまざま異なる特徴をもった刺繍が見られます。同じ刺繍であるにも関わらず、このような違いが見られるというのはとても面白いですよね。刺繍をおこなうなら、いろいろな国や地域の刺繍にも挑戦してみるとさまざまな発見があるかもしれません。刺繍はさまざまな技法があり、色使いによる表現方法も多種多様です。さまざまな技法を取り入れれば、自分のオリジナルの刺繍作品も作ることができます。まずは刺繍の技法をしっかりと身につけて、素敵な作品を作れるようにしましょう。