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華道の流派とは?基本や代表的な流派について紹介!

華道にはさまざまな流派があります。そもそも「流派」とはどのようなものであるかよくわからないという人もいるでしょう。華道を始めるなら、流派についても知っておくことが大切です。流派によって学べるスタイルが異なるので、しっかり流派について理解しておかないと、イメージと違うと感じてしまう可能性もあります。

今回は、華道の流派の意味や具体的な流派の種類について説明します。これから華道を始めたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

華道の流派とは?基本や代表的な流派について紹介!

華道の流派とは?

華道には、さまざまな流派があります。流派とは、家元を中心にして組織されたグループのようなものです。流派は、家元の他に宗家を中心として構成されています。現在、華道の流派は300以上も存在するといわれていますが、そのなかでも代表的な流派が存在します。基本的に、華道を習うのであれば、それぞれの流派に所属したうえでそれぞれのやり方を学んでいくことになるでしょう。華道では、基本となる部分は流派どうしで共通しているところもあります。しかし、細かい考え方や技法については、流派によって異なる部分もあるのが実際のところです。華道を始めるのであれば、それぞれの流派の違いをある程度把握しておくことが大切になるでしょう。

華道の家元・宗家とは

華道の家元や宗家とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。華道の流派について理解するためには、それぞれについて基本を押さえておくことが重要なカギとなるでしょう。ここでは、華道の家元や宗家とはどのようなものであるかについて解説します。そのうえで、華道の基本である家元制度について説明するので、しっかりと確認しておきましょう。

家元とは

家元とは、華道の流派において最高の権威をもっている人のことです。最高権威をもっている家元は、伝統や流儀を伝承するための責任者のような存在とも言えます。一般的には、家元は血縁による世襲制で受け継がれることも多いです。そのようにして伝統や流儀を伝承することにより、それぞれの流派の重要な部分が世代から世代へ引き継がれています。

宗家とは

宗家とは、華道の流派において家元以外に中心となる家のことを表します。宗家は、他の呼び方として当主や本家とも呼ばれることがあります。華道の流派においては、伝統や流儀を伝承するために家元に次いで重要なポジションにあるといえるでしょう。

家元制度

このように、最高権威をもつ家元を中心に流派の伝統を伝えていくスタイルを「家元制度」と表現します。家元制度は、華道以外にもさまざまな日本の伝統で取り入れられています。たとえば、茶道、書道、能、日本舞踊などの分野でも、家元制度は広く受け入れられています。ただし、分野によっては「家元」とはよばない場合もありますが、基本的な仕組みは同様です。

華道の3大流派

華道には、さまざまな流派があります。そのなかでも、華道の3大流派とよばれるものがあります。ここでは、華道のなかでも特に大きな存在感を放つ3つの流派について確認しましょう。

池坊

池坊は、日本で最古の華道の流派です。もともと華道は、池坊によって確立されたといわれています。そのため、歴史も長く、さまざまな変遷を遂げて現在まで伝わっています。

草月流

草月流も、華道の流派としてはとても有名です。それほど歴史は長くありませんが、それでも大きな存在感を放っているのが特徴だといえるでしょう。

小原流

小原流は、西洋の花を積極的に活用する流派です。剣山を使う生け花を最初に取り入れたのも小原流だといわれています。

華道で有名な7流派の特徴

華道では、3大流派のほかにもさまざまな流派があります。特に3大流派を含めた7つの流派が知られています。ここでは、7つの流派の特徴についてそれぞれ見ておきましょう。

池坊

池坊はすでに紹介したとおり、日本の華道を確立した歴史の長い流派です。池坊は華道そのものを表す流派であるため、厳密には「流」をつけずに呼びます。池坊の技法は、「立花」「生花」「自由花」の3つに分かれています。最もシンプルな立花は、最も古い技法です。大自然の景色について、草木を使って表現します。生花は3種類の花を用いて表現する方法です。さらに、自由花は、花を自由に使って好きなように表現する方法を意味しています。

草月流

草月流は、堅苦しいルールにとらわれず、自由に花を生けるのが特徴的です。そのため、他の流派を習っている人からすると、華道の概念を超えていると感じられる作品も見られます。ダイナミックな生け花を楽しめるので、そういったスタイルが好みの人におすすめです。

小原流

小原流は、明治時代に生まれた華道の流派です。西洋の文化が日本へ入ってきたところで、積極的に西洋の花を取り入れたのが特徴となっています。そのため、盛花のスタイルが生まれました。さまざまな花を使ってアレンジを楽しみたいのであれば、小原流を選ぶと日常的に花を扱いやすくなるでしょう。

龍生派

龍生派は、池坊から分かれてできた流派です。とはいえ、分かれて別の流派として確立されていることからも分かるように、龍生派では池坊とは異なる考え方や技法が確立されています。固定観念にとらわれない発想力や柔軟性が求められるのが大きな特徴であるといえるでしょう。そのため、新しい花の魅力を引き出したいといった意欲がある人であれば、龍生派で実力を発揮しやすいはずです。

嵯峨御流

嵯峨御流は、「伝承花」と「心粧花」の2つにさらに分かれています。「伝承花」は、古くから伝わってきた伝統に則って花を生ける方法です。それに対して「心粧花」は、花や草木の美しさを感じながら、生ける人の思いを大切に表現することに重きを置いています。冠婚葬祭に適した花の生け方も学べるため、応用しやすいでしょう。

未生流

未生流は、植物をありのままではなく、幾何学理論と結びつけて考えるのが特徴的な流派です。計算によって生み出された比率を意識し、それに従って花を活けていきます。そのため、感覚的に花を活けていく他の流派とは、一線を画すとえるでしょう。理論をしっかり学んで花を活けたいという人におすすめです。

古流

古流は、高さのある花の活け方をするのが特徴的な流派です。これは、「三才型」とよばれています。ダイナミックながらも繊細さをあわせもつ生け花を楽しむことが可能です。

華道の流派やそれぞれのスタイルを理解しておこう

華道の流派やそれぞれのスタイルを理解しておこう

華道にはさまざまな流派が存在します。そのため、華道をたしなみたいのであれば、それぞれの流派の違いについて理解しておくことが大切です。流派によって花の捉え方や考え方は大きく異なる部分もあります。「意外と自由だ」と感じる流派もあれば、「教えが厳しい」と感じる流派もあるでしょう。また、伝統的な技法を重んじる流派だけでなく、自分の感性を優先する流派も存在します。大切なのは、自分に合う流派を的確に選ぶことです。自分のイメージと違う流派や、性格に合わない流派を選んでしまうと、せっかく華道を始めても長続きしないかもしれません。華道は自分自身を鍛えることもできますが、基本的には自分自身がモチベーションを保てる程度の楽しさがなければ辛いだけになってしまうでしょう。そういった事態を避けるためにも、華道の流派やそれぞれのスタイルについてしっかり理解しておきましょう。