華道の礼儀作法とは?生け花の基本について知ろう
現在位置
通信教育・通信講座SARAトップ > 趣味の資格取得講座一覧 > 華道資格取得講座 > 華道の礼儀作法とは?生け花の基本について知ろう

華道の礼儀作法とは?生け花の基本について知ろう

華道においては、礼儀作法が重視されています。このことは、花の生け方にも大きな影響をもっています。そのため、華道を始めるなら礼儀作法とともに、生け花の基本を理解する必要があるでしょう。とはいえ、ひとつひとつ理解していけば、誰でもしっかりとそれぞれを習得することができるはずです。

今回は、華道の礼儀作法の基本について説明します。華道の生け花の基本についても一緒に紹介するので、これから華道を始めたいと思っている人は、ぜひ参考にしてください。

華道の礼儀作法とは?生け花の基本について知ろう

華道の礼儀作法

華道においては、細かい礼儀作法が大切にされています。具体的には、どのような礼儀作法なのでしょうか。華道を始めるのであれば、礼儀作法に関する知識は大切にしなければなりません。そこで、まずは華道における礼儀作法についてここで基本をまとめておきます。始めて華道をたしなもうとしている人は、しっかりと確認するようにしてください。

「花は人の心である」という考え方

華道では、「花は人の心である」という考え方を大切にしています。たとえば、花を見て何を感じるかという感情も、華道では重要なものとなります。花と向き合うことで、自分自身と向き合うことにもつながるのです。さらに、華道では、花を通して美の追求もおこないます。どのような表現であれば美しいのかについて、さまざまな角度から考えていく必要があるでしょう。そして、華道では実際に花を使って、表現したいものを作っていきます。花と通じ合うことで、さまざまなことをおこなっていきます。

花を拝見するときの作法

華道においては、自分で花を生けるだけでなく、他の人が生けた花を拝見することも重要な要素として位置づけられています。花を拝見するときは、床の間から畳一帖を隔てたところに座るのが基本です。そして、必ず花に向かって一礼することを忘れないようにします。全体の構成をしっかり確認したり、花材の取り合わせもよく見たりしてみましょう。さらに、花器や花台までをよく拝見することが大切です。加えて、花を生けた人へ感謝の気持ちを込めて一礼することも重要です。 なお、改まった席で花を拝見するときは、特に礼儀を意識する必要があります。具体的には、礼儀として、生けた人に挨拶をしてから拝見しなければなりません。

自由花の作法

華道においては、自由花もあります。自由花の場合、その名の通り特に作法としてのルールはありません。ただし、それぞれの流派の考え方に沿いながら、花を生けていく必要があるでしょう。

華道の基本道具

華道に取り組むときには、さまざまな道具を使用します。まず、飾るための花材が必要です。そして、花材をカットするためには、花鋏も用意する必要があります。花鋏は一般的な鋏とは違い、固い植物の茎でもカットしやすくなっています。さらに、花を生けるための花器も用意しましょう。花器のなかには、花材を支えるための剣山を設置します。

華道の流派と特徴

華道には、多種多様な流派が存在しています。流派によって、それぞれ異なる特徴もあります。華道の流派は数え切れないほどたくさんありますが、ここでは最も有名な3つの流派について特徴とともに紹介します。

池坊

池坊は、華道を生み出したもととなった流派です。もととなったものであるため、厳密に言うと流派ではなく、大本ということになります。池坊では、立花・生花・自由花の3つの花の生け方があります。

草月流

草月流は、自由な発想で花を生けるのが特徴的な流派です。基本立真型・基本傾真型が基本となっており、そこから応用してさまざまな生け花を展開しています。

小原流

小原流は、西洋の花を積極的に活用する流派です。花の生け方としては、花意匠・瓶花・盛花・花舞の4つがあります。

生け花の骨組み

生け花をおこなうときは、骨組みが重要になります。この骨組みとは、どのようなものであるのでしょうか。ここでは、生け花の骨組みの基本について紹介します。

生け花の骨組みとは?

生け花の骨組みとは、花を生けるときの基本となる花材を意味しています。華道の世界では、これは「役枝(やくし)」とよんでいます。ただし、流派によってさらに異なる定義がおこなわれています。たとえば、池坊では、「真」「副」「体」の役枝があります。さらに、草月流の役枝は、「真」「副」「控」です。加えて、小原流では、「主枝」「客枝」の2つに分かれています。

役枝が3つの場合の生け方

役枝が3つある場合、「真」が最も長くなるようにします。「真」から生け始め、「副」から「体」または「控」の順番に生けていきましょう。なお、上から見たときに不等辺三角形になるようにするのがコツとなります。手前から見れば、奥に「真」がある状態となります。

役枝が2つの場合の生け方

役枝が2つある場合、「主枝」が最も長くなります。作品の中心の最も奥に配置しましょう。さらに、「客枝」は作品の中心かつ最も手前にくるようにします。

花材の季節感と取り合わせ

花材は、季節感と取り合わせを意識することが大切です。これは、流派に限らず共通する考え方となっています。まず、華道は日本の四季を重視しているので、季節の旬を表す花材を使用するが基本です。ただし、通年使用できる花材もあるので、バランスを意識しましょう。さらに、作品に取り合わせる花材の種類を考えることも重要です。全体的な調和や色彩を考慮しつつ、空間を素敵に演出できるような組み合わせにしましょう。

生け花の基本ルール

生け花をするときは、基本的なルールを意識する必要があります。基本的に、花は鑑賞する人のほうに向けましょう。そして、人工物を見せないようにすることも重要です。特に剣山が見えないように生けるようにしてください。そのためには、大振りの葉や草ものなどを低い位置に配置することがポイントとなります。

生け花を長持ちさせる方法

生け花を長持ちさせるためには、水切りや水換えも重要です。水切りは、花材の根元を水の中に浸しながら、水中で斜めに切り落とすようにしておこないます。水切りをしたら、切った部分が空気に触れないようにし注意しましょう。水揚げ剤・活力剤を使うのも効果的です。水替えは、直射日光や高温を避けておこないましょう。

生け花がうまくいかない時の対処法

生け花をしていると、うまくいかないときもあります。たとえば、花が浮いてしまうときは、折り留めや縦割り留めなどをするといいです。さらに、剣山にうまく刺せないときは、何度も刺し直していると根元がやわらかくなってしまいます。そのため、一度根元を斜めに切り落としてからさしなおすと、うまくいきやすいです。

生け花や華道の基本についてしっかり理解しよう

華道では、礼儀作法や基本のルールがとても重要な意味をもっています。それぞれについてしっかり理解していなければ、どんなにセンスがあっても、華道を本当の意味で理解しているとはいえないでしょう。華道の作法をしっかり理解するためには、基本から丁寧にしっかりと学ぶ必要があります。華道で一人前になるためには、何年もの長い年月が必要であるのは、そういったことが理由となっていると言えます。生け花や華道を始めるのであれば、そういった覚悟をもち、細かいところからしっかり学んでいくようにしましょう。