鉛筆デッサンに必要な道具とは?鉛筆の持ち方も解説
記事更新日:2024年10月29日鉛筆デッサンをする場合、必要な道具を揃える必要があります。具体的には、どのような道具が必要なのでしょうか。鉛筆デッサンは、最初は少ない道具だけで始めることが可能です。ただし、上達に合わせて用意したい道具もいくつか存在しています。
今回は、鉛筆デッサンに使用する道具について紹介します。鉛筆デッサンを始めるなら、自分の段階に合わせて道具を用意することが大切です。鉛筆デッサンをこれから始めようと思っている人は、チェックして必要な道具を用意してみてください。

目次
モチーフの重要性
デッサンを始める際に忘れてはならないのが、描く対象となるモチーフです。
シンプルな形状のものから始める
初心者の方には、シンプルな形状の静物がおすすめです。例えば、りんごや洋ナシなどの果物、マグカップやティーポットなどの食器類、簡単な形状の花瓶などが適しています。これらのモチーフは、日常的に目にする機会が多く、形状も比較的単純なため、形の把握や光の当たり方の観察がしやすいのが特徴です。
幾何学的なモチーフ
また、立方体や球、円柱などの幾何学的なモチーフも、デッサンの基礎を学ぶ上で非常に重要です。これらの形は、あらゆる物体の基本となる形状であり、これらを描くことで立体の捉え方や陰影の付け方を効果的に学べます。幾何学的なモチーフは、単純さゆえに、光の当たり方や陰影の変化を明確に観察することが可能です。 例えば、球体では光のグラデーションを、立方体では面と面の関係性や稜線の表現を学ぶことができるでしょう。これらの基本的な形状をマスターすることで、より複雑な形状のモチーフにも応用が利きやすくなります。また、幾何学的なモチーフを組み合わせることで、構図や配置のバランス感覚も養えるのです。
石膏像
さらに上達してくると、複雑な形状の石膏像がよく用いられます。石膏像がデッサンのモチーフとして重宝される理由はいくつかあります。まず、石膏は白色で均一な質感を持っているため、光と影の関係を純粋に観察しやすいという特徴があるのです。 また、石膏像は動かないので、長時間じっくりと観察しながら描くことができます。さらに、多くの石膏像は人体や古典的な彫刻を模したものが多いため、人体の構造や美しいフォルムを学ぶのにも最適です。 石膏像を描くことで、複雑な曲面や凹凸の表現方法を学べ、立体感や量感の表現力が向上します。また、古典的な彫刻を模した石膏像を描くことで、美術史や解剖学的な知識も同時に学ぶことが可能です。石膏像デッサンは、美術大学の入試などでもよく出題される課題であり、デッサン力を総合的に評価する指標としても用いられているのです。 初心者の方は、まずは身近な静物から始め、徐々に幾何学的な形状、そして複雑な石膏像へと移行していくことで、段階的にデッサン技術を向上させることができます。モチーフの選び方や配置にも工夫を凝らすことで、より魅力的なデッサンを作り上げることができるでしょう。
鉛筆デッサンに必要な基本的な道具
鉛筆デッサンを始めるにあたって、最低限必要な道具はそれほど多くありません。しかし、適切な道具を揃えることで、より効果的にデッサンを学び、上達することができます。ここでは、鉛筆デッサンに必要な基本的な道具について詳しく見ていきましょう。
鉛筆
鉛筆デッサンの要となるのは、やはり鉛筆です。デッサン用の鉛筆は、一般的な文具としての鉛筆とは異なり、さまざまな濃さや硬さが用意されています。代表的なものとしては、三菱鉛筆のハイユニやユニ、ステッドラーのマルス ルモグラフなどがあります。 これらの鉛筆は、芯の質が高く、安定した描き心地を提供します。また、濃さや硬さによって線の太さや濃淡が変わるため、表現の幅を広げることができます。鉛筆の選び方や使い方を工夫することで、より豊かな表現が可能になります。 初心者の方は、まずは2H、HB、2Bの3種類の濃さの鉛筆を揃えるところから始めるのがおすすめです。慣れてきたら、自分の描くデッサンの特徴に合わせて、4B〜4Hの範囲で鉛筆を選んでいくとよいでしょう。 鉛筆の濃さや硬さを使い分けることで、線の強弱や陰影の表現に変化をつけることができます。また、鉛筆の持ち方や力の入れ具合によっても表現が変わるので、様々な試行錯誤を重ねながら、自分に合った鉛筆の使い方を見つけていくことが大切です。
画用紙
デッサンを描くための画用紙も重要な道具の一つです。入試用などでよく使用されているのは、 ・サンフラワーM画用紙 ・TMKポスター紙 ・KMKケント紙 などです。 初心者の方には、スケッチブックにもよく使用されているサンフラワーM画用紙がおすすめです。適度なザラつきがあり、鉛筆のノリや発色を良く表現できます。画用紙の選び方は、描きたいモチーフや表現したい雰囲気によっても変わってきます。 厚みや表面の質感、色味などを考慮して選ぶことが大切です。また、画用紙の保管方法にも注意が必要で、湿気や直射日光を避け、平らな状態で保管することで、長期間良好な状態を保つことができます。
カルトンや木製パネル
デッサンを描く際は、画用紙を固定するためのカルトンや木製パネルが必要です。カルトンは厚紙を重ねた板で、作品を挟んで保管することもできます。木製パネルは、画用紙を水張りして使用します。予算や用途に応じて選んでください。 カルトンや木製パネルを使用することで、画用紙がたわむことなく安定した状態で描くことができます。また、デッサンの途中で作品を移動させる必要がある場合にも便利です。カルトンは軽量で持ち運びやすいため、屋外でのスケッチにも適しています。 木製パネルは耐久性が高く、長期的な使用に適しています。選択の際は、自分の制作環境や描き方に合わせて選ぶことが重要です。
クリップ
カルトンや木製パネルに画用紙を固定するためのクリップも必要です。目玉クリップと呼ばれるものが一般的で、画材店や文具店で購入できます。 クリップは画用紙をしっかりと固定するだけでなく、作業中に画用紙がずれたり、風で飛ばされたりするのを防ぐ役割も果たします。また、クリップを使用することで、画用紙の四隅を描く際にも邪魔にならず、スムーズに作業を進められます。 クリップの選び方としては、適度な強さで画用紙を固定できるものを選ぶことが大切です。強すぎると画用紙を傷つける可能性があり、弱すぎると固定が不十分になってしまいます。
消しゴムとねりけし
デッサンでは、通常の消しゴムに加えて、ねりけしも重要な道具です。ねりけしは、描き間違えた部分を消すだけでなく、光の表現や鉛筆の調子を整えるのにも使用します。通常の消しゴムは鋭い光や強い陰影を表現する際に使用し、ねりけしはより柔らかい光や繊細な陰影の表現に適しています。ねりけしは、形を自由に変えられるため、細かい部分の修正にも便利です。 また、ねりけしを使用することで、鉛筆の濃淡を調整したり、ぼかし効果を出したりすることもできます。ただし、ねりけしは使用していくうちに汚れていくので、定期的に新しいものと交換する必要があります。消しゴムとねりけしを上手く使い分けることで、より豊かな表現が可能になります。
カッター
デッサン用の鉛筆は、通常の鉛筆削りではなく、カッターを使って削ります。これは、芯を長く出して使用するためです。細めのカッターを選ぶと、鉛筆の先を細く整えやすくなります。カッターを使用することで、自分の好みの形に鉛筆の先を整えることができ、より繊細な表現が可能になります。 また、カッターで削ることで、鉛筆の芯を長く露出させることができ、様々な角度から鉛筆を使用することができます。ただし、カッターの取り扱いには十分な注意が必要です。安全な使用方法を学び、常に注意を払いながら使用することが大切です。また、カッターの刃は定期的に交換し、常に鋭い状態を保つことで、より効率的に鉛筆を削ることができます。
鉛筆デッサンに便利な道具
基本的な道具に加えて、あると便利な道具もいくつか存在します。デッサンの技術が向上するにつれて、これらの道具を揃えていくとよいでしょう。
イーゼル
デッサンを描く際に、イーゼルがあると非常に便利です。イーゼルは画板を立てかけるための支持台で、立った姿勢や座った姿勢で快適に描くことができます。イーゼルを使用することで、描く角度や高さを自由に調整でき、長時間のデッサン作業でも疲労を軽減できます。 使用する環境や頻度、持ち運びの必要性などを考慮して、自分に合ったイーゼルを選びましょう。屋外でのスケッチにも適した軽量なものもあるので、用途に応じて選択すると良いでしょう。
ティッシュ・ガーゼ
鉛筆で描いた部分をぼかすために、ティッシュやガーゼを使用します。これらを使うことで、より繊細な表現が可能になります。ティッシュは柔らかく、大きな面積を均一にぼかすのに適しています。一方、ガーゼは目が細かいため、より細かい部分のぼかしに適しています。ぼかし作業は、デッサンに立体感や奥行きを与える重要な技術です。 ティッシュやガーゼを使用する際は、力加減に注意し、画用紙を傷つけないように気をつける必要があります。また、ぼかし作業を行う前に、鉛筆の粉をしっかりと払っておくことで、よりきれいなぼかし効果を得られます。テ ィッシュやガーゼの選び方も重要で、柔らかすぎるとコントロールが難しく、硬すぎると画用紙を傷つける可能性があるので、適度な柔らかさのものを選ぶことが大切です。
デスケル
デスケルは、モチーフの比率や構図を決めるのに便利な道具です。特に石膏デッサンや人物デッサンなどで重宝します。デスケルを使用することで、正確なプロポーションを把握し、バランスの取れた構図を作ることができます。 また、遠近感や角度の測定にも役立ち、より精密なデッサンが可能です。デスケルの使い方に慣れることで、デッサンの基礎的なスキルを向上させることができるでしょう。
鉛筆の芯を尖らせるヤスリ
カッターだけでは鉛筆の芯を上手く尖らせるのが難しい場合があります。そんなときに便利なのが、ヤスリです。芯を細かく整えることができます。ヤスリを使用することで、鉛筆の芯を思い通りの形に整えることができ、より繊細な線や陰影の表現が可能です。 また、カッターで削るよりも芯が折れにくく、鉛筆を長持ちさせることができます。デッサンの表現力を高めたい場合は、ヤスリの使用を検討してみるとよいでしょう。
擦筆(さっぴつ)
ティッシュやガーゼでは対応できない繊細な部分のぼかしに使用するのが擦筆です。鉛筆デッサンでは、柔らかめのタイプがおすすめです。擦筆を使用することで、なめらかな陰影の表現や、微妙な明暗の変化を表現できます。 特に人物画や静物画など、柔らかい質感を表現したい場合に効果的です。擦筆の使い方をマスターすることで、デッサンの表現の幅が大きく広がり、より魅力的な作品を作ることができるようになります。
フィキサチーフ
完成した作品を保護するために使用する定着液がフィキサチーフです。鉛筆の粉が落ちるのを防ぎ、作品を長期保存するのに役立ちます。フィキサチーフを使用することで、デッサンの鮮明さを保ち、経年劣化を防ぐことができます。 また、作品の表面に薄い保護膜を形成するため、軽い擦れや湿気からも作品を守ることができます。ただし、使用する際は換気に注意し、作品全体に均一にスプレーするなど、適切な使用方法を守ることが重要です。
ワンチン(腕鎮)
ワンチンは、手が画用紙に直接触れないようにするための道具です。市販のものを購入するか、角材で代用することもできます。ワンチンを使用することで、手を画面に直接触れさせずに描くことができ、画面の汚れを効果的に防ぐことができます。 また、ワンチンは手首を支える役割も果たすため、長時間のデッサン作業での疲労を軽減する効果もあります。使用する際は、ワンチンの高さや角度を調整し、自分の描きやすい位置に設定することが大切です。
下敷き
トレーシングペーパーやコピー用紙などの薄い紙を、描いている画用紙と手の間に敷くことで、画面の汚れを防ぐことが可能です。下敷きは、手の汗や皮脂が直接画面に付着するのを防ぐだけでなく、描いている部分以外の画面を保護する役割も果たします。 使用する際は、下敷きを頻繁に動かして新しい面を使うことで、より効果的に画面を保護できます。また、より精密な描写が可能になるのもメリットの1つです。下敷きを使用することで、描いている部分を集中して見ることができます。
鉛筆デッサンの鉛筆の持ち方
鉛筆デッサンでは、描く対象や表現したい効果によって、鉛筆の持ち方や使い方を変えていきます。ここでは、基本的な鉛筆の持ち方と使い方について解説します。
描き始めの鉛筆の持ち方
デッサンの描き始めは、2B〜4B程度の柔らかい鉛筆を使用します。この段階では、画用紙を傷めずに修正がしやすいことが重要です。鉛筆を長めに軽く持ち、寝かせて大まかに形態を捉えていきます。 手首を固定せずに腕全体を使って描くことで、大きな動きで形を捉えることが可能です。また、鉛筆を寝かせることで、線の太さや濃さを調整しやすくなります。描き始めは細部にこだわらず、全体のバランスや配置を重視し、軽いタッチで描くことを心がけましょう。
陰影をつける段階の鉛筆の持ち方
大まかな形態が描けたら、次は陰影をつけていきます。この段階でも2B〜4B程度の鉛筆を使いますが、明度の低いところは5B、6Bも積極的に使用します。鉛筆を長めに持ち、寝かせて大きな陰影を捉えていきます。 鉛筆の側面を使って広い面積を効率よく塗ることができます。陰影をつける際は、光の方向や強さを意識し、徐々に濃淡をつけていくことが大切です。また、この段階で全体の明暗のバランスを整えることで、立体感のある描写が可能になります。必要に応じてねりけしを使い、陰影の調整や柔らかい光の表現も行いましょう。
細部を描く段階の鉛筆の持ち方
陰影がしっかり捉えられたら、徐々に鉛筆の持ち方を短めにして、鉛筆を立てて細かな部分を描いていきます。この段階では、3H〜6Bの鉛筆を使い分けて、モチーフの質感や微妙な陰影を表現します。鉛筆を立てることで、より細かい線や点を描くことができ、テクスチャーや細部の描写が可能になります。 この段階では、モチーフの素材感や質感を意識し、適切な硬さの鉛筆を選んで描写することが重要です。また、全体のバランスを崩さないよう、時折全体を見渡しながら作業を進めることを忘れずにしましょう。
鉛筆の使い分け方
鉛筆デッサンでは、硬さの異なる鉛筆を使い分けることで、さまざまな表現が可能です。硬い鉛筆(H〜4H)は明るい調子の描き込みや、陰影を締める際に使用します。中程度の硬さの鉛筆(HB〜2B)は最も使用頻度が高く、適材適所で画面を決めていくのに適しています。 柔らかい鉛筆(3B〜6B)は陰影のアタリをつけるなど、初期段階で多く使用します。鉛筆の使い分けは、モチーフの質感や光の強さ、描きたい雰囲気によって変わってきます。例えば、金属のような反射の強いものには硬めの鉛筆を、布のような柔らかいものには軟らかめの鉛筆を使うなど、状況に応じて適切に選択することが大切です。
画面を汚さない工夫
デッサンを描く際、手で画面を汚してしまうことがあります。これを防ぐためのいくつかの工夫を紹介します。手の汚れが画面に付着すると、鉛筆の発色が悪くなったり、意図しない陰影が生まれたりする可能性があります。 また、一度汚れてしまった画面を綺麗に修正するのは難しいため、予防策を講じることが重要です。画面を汚さないことで、より純粋な表現が可能になり、作品の質を高められます。
デッサンを深く学びたい方は資格取得もおすすめ
鉛筆デッサンの技術をさらに高めたい方には、資格取得も一つの選択肢です。デッサン資格の一つである鉛筆デッサンマスター®資格は、デッサンの理論や技術を理解し、様々な対象を描く技法をマスターした人に与えられる資格です。 各種芸術関係を目指す方はもちろん、デッサンを趣味として生活を豊かにしたい方にも人気があります。資格取得後は、自宅やカルチャースクールなどで講師活動を行うこともできます。 鉛筆デッサンマスター®資格認定試験は、インターネットから申し込み可能で、在宅受験で行われます。試験内容には、デッサンの基本要素や用具・材料に関する知識、基本モチーフの描き方、プロポーションや光と影の表現方法などが含まれています。
鉛筆デッサンに必要な道具とは?
鉛筆デッサンをおこなう場合、どのような道具が必要になるのでしょうか。デッサンは、基本的な道具さえあれば基本的な描写をおこなうことは十分可能です。ただし、道具を工夫することにより、より幅広い表現をすることができる場合もあります。特に、作品を作る前提として鉛筆デッサンをおこなうのであれば、それに適した相応の道具を用意する必要があるでしょう。以下では、鉛筆デッサンに必要な基本の道具からあるとよりよい道具までを網羅的に紹介します。レベルや目的に応じて道具をきちんと選べるようにしましょう。
鉛筆デッサンをはじめるときの最低限の道具
鉛筆デッサンをする場合、最低限必要な道具としてはあまり特殊なものはありません。ただし、必要なものを確実に用意することが大切です。ここでは、鉛筆デッサンをはじめるときに最低限必要な道具について紹介します。最初はこれらの道具から用意するようにしましょう。
鉛筆
鉛筆デッサンをする場合、デッサン用の鉛筆を使うようにしましょう。デッサン用の鉛筆としては、ステッドラー社のマルス・ルモグラフや三菱のハイユなどがあります。これらの鉛筆のうち、最初は「B」か「2B」程度の濃さのものを選ぶのがおすすめです。少し上達してきたら自分にとって使いやすい濃さのものを選ぶようにするといいでしょう。
練り消しゴム
鉛筆デッサンでは消しゴムも必要です。ただし、一般的に使用されているプラスチック消しゴムは画面を傷める原因になるため、ほとんど使わることはありません。鉛筆デッサンでは、練り消しゴムを使用するのが基本です。練り消しゴムなら画面を傷める心配が少なく、鉛筆の粉もしっかり取り去ることが可能です。鉛筆デッサンを始めるなら、練り消しゴムを専用に用意しましょう。
カッターナイフ
鉛筆デッサンのためにはカッターナイフも用意する必要があります。なぜなら、鉛筆を削るために使用するからです。カッターナイフを使用することにより、鉛筆を自分にとって描きやすい太さや角度に調整することもできます。最初は扱いが難しいかもしれませんが、少しずつ削り方についても慣れていきましょう。
紙
鉛筆デッサンをするには、絵を描くための紙も必要です。鉛筆デッサンでは、画用紙やスケッチブック、ケント紙などを使用します。選び方としては、多少凹凸がある中目を目印としてください。紙のキメが荒くないほうが鉛筆デッサンはしやすいです。ただし細かい部分が多い対象物について描画をするのであれば、きめの細かいケント紙を選んだほうがいいでしょう。なお、ひとつのモチーフを描く場合の紙のサイズの目安はB4サイズ程度です。
白い布・紙
鉛筆デッサンをするときは、白い布も必要です。これは、描く対象となるモチーフの下に敷いて使用するために使います。適当な白い布がない場合は、紙やテーブルクロスなどを使っても構いません。
鉛筆デッサンの表現を深める道具
鉛筆デッサンの表現を深めるためには、ほかにも使いたい道具があります。その道具としては、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、それについて詳しく紹介します。
鉛筆
鉛筆デッサンの表現を深めたいなら、鉛筆の濃さを変えるのがおすすめです。一般的に「2H」から「4B」くらいまでがデッサンに適しているといわれています。また、濃くて柔らかい鉛筆だけでなく、薄くて硬い鉛筆も用意して使い分けるとより本格的なデッサンができるでしょう。
ガーゼ・ウェス
鉛筆デッサンの表現力を高めるためには、ガーゼやウェスを使用するという方法もあります。ガーゼやウェスを使って鉛筆で描いた部分をぼかします。ガーゼやウェス以外にも、 木綿のボロ布や、食パン、ティッシュペーパー、キッチンペーパーなどを使って代用することも可能です。
擦筆
鉛筆デッサンに慣れてきたら、擦筆を使うのもおすすめです。擦筆は描画部分を伸ばしたり、押し付けたりして変化を与えるために使用します。太さや硬さの違うものが複数あるので、描きたいものに合わせて選びましょう。
鉛筆デッサンであると便利な道具
鉛筆デッサンをする場合、あると便利な道具が存在します。ここでは、鉛筆デッサンのためにあると便利な道具について見てみましょう。
スケール
鉛筆デッサンではスケールも使うことができます。構図を決めたり、大きさや比率を測ったりするために使用するといいでしょう。
デスケル・はかり棒
モチーフの比率を計る場合、デスケルやはかり棒を使うこともあります。専用のものがない場合、30センチ程度の細くてまっすぐな棒であれば代用可能です。たとえば、バーベキュー串などで代用しても問題ありません。
イーゼル
鉛筆デッサンにおいては、イーゼルも使えます。イーゼルは視線を固定し、安定した作業を続けるために重宝するでしょう。
木製パネルやカルトン(画板)
画用紙に鉛筆デッサンをする場合、木製パネルやカルトン(画板)を用意し、クリップや画鋲で固定して台として使用すると作業がしやすくなります。
カルトンバッグ
画用紙を持ち運ぶのであれば、カルトンバックがあると持ち運びも楽になるでしょう。外でデッサンをする場合は用意するのがおすすめです。
留め具
画用紙をカルトンや木製パネルに固定する場合、クリップ、画鋲、水張りテープなどの留め具を用意する必要があります。
フィキサチーフ
フィキサチーフは、完成後に鉛筆の粉が落ちないようにするための定着液です。作品の完成度が高まってきたら用意して使用するといいでしょう。
羽ぼうき
羽ぼうきは、鉛筆デッサンで使用した消しゴムのカスを払うのに使用します。消しゴムのカスを力強く払うと線が消えたり汚れたりするので注意が必要です。
鉛筆ホルダー
鉛筆が短くなってきた場合、鉛筆ホルダーがあると便利です。短くなった鉛筆を最後まで使いやすくなり、無駄がなくなります。
鉛筆デッサンに必要なものや道具を揃えよう

鉛筆デッサンを始める場合、必要な道具をきちんと揃えることが大切です。といっても、最初に必要な道具はそれほど高価なものはありません。大きな文房具店であれば、簡単に手に入るものばかりです。まずは最低限必要なものだけを用意して、鉛筆デッサンの雰囲気を掴んでみるといいでしょう。鉛筆デッサンを始めてみると、その奥深さに夢中になる可能性が高いです。そうなったら、少しずつほかにも必要な道具を集めていくことをおすすめします。自分の表現したいものによっても、用意しなければならない道具は大きくことなるはずです。実際に手を動かして鉛筆デッサンに取り組みながら、自分にとって必要な道具を少しずつ用意していってみてください。鉛筆デッサンを初めて、美術のスキルや知識を深めましょう。
デッサン用鉛筆の種類
デッサン用の鉛筆としては、どのような種類があるのでしょうか。デッサンでは、基本的に普段字を書くために使用するのとは異なる専用の鉛筆を使用します。デッサン用の鉛筆としては、いくつか種類があります。そのため、それぞれ実際に使ってみて自分に合うものを選んだほうがいいでしょう。代表的なデッサン用の鉛筆の種類としては、ステッドラー、三菱、ユニ、ハイユニなどがあります。なお、ユニとハイユニを比べると、ユニよりもハイユニのほうが色の定着がよいとされています。
デッサン用鉛筆の濃さと硬さ
デッサン用の鉛筆を選ぶ場合、濃さや硬さもきちんと選ぶ必要があります。鉛筆の濃さや硬さは、記号によって表されています。ここでは、デッサン用の鉛筆で使用されることが多い濃さや硬さを表す記号を紹介します。まずは、よく使われている鉛筆の濃さや硬さを理解して、しっかりとデッサン用の鉛筆を選べるようにしましょう。
H
デッサン用の鉛筆のうち「H」は、「HARD」を表す記号です。ハードということは、つまり硬いということを表しています。Hの左側に数字がついていますが、数字が大きくなればなるほど薄くて硬い芯ということになります。デッサンでは濃くて硬い鉛筆を使うことが多いですが、表現方法によってはHの硬い鉛筆を適宜活用する場面もあります。
B
デッサン用の鉛筆としては、「B」を使用することも多いです。「B」は「BLACK」を表す記号であり、黒いという特徴を示しています。Bの左側についている数字が大きくなればなるほど、濃くて柔らかい芯であることを表しています。
F
デッサン用の鉛筆のうち、「F」は「FIRM」を表しています。ファームとは、「しっかりした」という意味です。HとHBの中間の濃さ・硬さの芯です。
順番に並べると?
デッサン用の鉛筆の濃さや硬さを表す記号を順番に並べると「10B、9B、8B、7B、6B、5B、4B、3B、2B、B、HB、F、H、2H、3H、4H、5H、6H、7H、8H、9H、10Hとなります。Fは、HBとHの中間に位置していることを忘れないように覚えておきましょう。
デッサン用鉛筆の持ち方
デッサン用の鉛筆は、持ち方にもさまざまな方法があります。デッサンではさまざまな線や陰影を表現するため、鉛筆の持ち方を工夫することが重要です。デッサン用の鉛筆の持ち方を工夫するというのは、具体的にどのような方法なのでしょうか。ここでは、デッサン用の鉛筆の持ち方としての基本について説明します。
寝かせて持つ
デッサン用の鉛筆をもつ場合、寝かせてもつ方法をまずは覚えましょう。寝かせてもつ方法としては、受け手持ちや順手持ちなどがあります。受けて持ちは、色の濃淡を出すのに役立ちます。順手持ちは広範囲を塗るのにおすすめです。それぞれ使い分けを大切にしてください。
長く持つ・短く持つ
鉛筆の持ち方としては、長く持つ方法もあれば短く持つ方法もあります。それぞれ実際に試してみて、力の入れ具合も考慮しながら身につけるのがおすすめです。
文字を書くように持つ
デッサンのために鉛筆をもつ場合でも、文字を書くときと同じように持つ方法もあります。これは、鉛筆持ちとよばれる持ち方です。鉛筆持ちをすると、鉛筆に力をかけやすくなります。そのため、筆圧が強い線を描くことが可能です。デッサンの表現方法のひとつとして身につけておくと、より表現の幅を広げるのに役立つでしょう。
デッサン用鉛筆の使い分け
デッサン用の鉛筆を使い分ける場合、どのようにすればいいのでしょうか。いろいろな手法があると分かっても、使い分ける場面が分からないという人も多いです。ここでは、デッサン用の鉛筆の使い分けについて紹介します。
基本の考え方
基本的な前提として、人によって筆圧やタッチの癖が異なっています。そのため、硬度の違いを使い分けると表現の幅を広げることが可能です。たとえば、筆圧が強い人は、少し硬めの鉛筆を使ったほうがいいかもしれません。
書き始め
デッサンの書き始めでは、基本的に硬い鉛筆は使用しないほうがよいでしょう。柔らかい鉛筆を使っていれば、画面も傷つけにくく、後からでも修正しやすいです。
使い分け
鉛筆の使い分けについて、柔らかい鉛筆、中くらいの鉛筆、硬い鉛筆のそれぞれについて見ておきましょう。まず、柔らかい鉛筆はすでに触れたとおり、最初の段階で使用するのがおすすめです。また、中くらいの鉛筆は最も使用頻度が多いとえるでしょう。さまざまなところに使用できます。ただし、使いすぎると調子や抑揚が単調になってしまうので、ほかの鉛筆も積極的に使うことを意識してください。さらに、硬い鉛筆は明るい調子の描き込みをしたり、陰影をつけたりするのに使用するといいです。
デッサン用鉛筆の削り方
デッサン用の鉛筆は、削り方にも注意点があります。最後に、デッサン用鉛筆の削り方について説明します。
基礎知識
デッサン用の鉛筆を削る場合、鉛筆削りは使わないほうがいいです。鉛筆削りを使う場合、芯を長く露出できなかったり、柔らかい芯は折れやすかったりというデメリットが多いです。そのため、デッサン用の鉛筆は基本的にカッターナイフで削っていきます。鉛筆は芯の横の部分を使って面を描くので、芯を長く出すのがポイントです。
鉛筆の削り方
鉛筆を削るときは左手で鉛筆を持ち、右手でカッターを持ちましょう。そして、木の部分にカッターの刃をあてながら、刃の反対側を左手親指で押します。木の部分を3~4cmほど削るのが目安です。そして、芯が1cmくらい露出したら、芯の先端部分をカッターでとがらせましょう。また、芯を紙にこすりつけつつ回転させてなめらかにするのも重要なポイントです。ただし、柔らかい芯であればあるほど長すぎると折れやすくなるので注意してください。加えて、カッターの切れ味がよすぎるとケガに繋がる恐れもあるので注意しましょう。
デッサン用の鉛筆の種類や特徴を理解しよう

デッサンを始めるなら、デッサン用の鉛筆の特徴についてもしっかり理解しておかなければなりません。デッサン用の鉛筆は一般的な鉛筆とは大きく異なるものです。そのため、選び方にもしっかりこだわったほうがいいでしょう。実際に使ってみながら、自分に合うものを選んでいくことも大切です。デッサン用の鉛筆にはさまざまな種類があるので、まずはそれぞれについてある程度きちんと把握することをおすすめします。デッサン用の鉛筆の種類や特徴を押さえておけば、実際にデッサンをするなかでも役立つ場面が多く出てくるはずです。デッサン用の鉛筆に愛着をもてば、さらにデッサンが楽しくなるでしょう。デッサン用の鉛筆はデッサンのための基本となる道具なので、まずはしっかりと理解することを大切にしておいてください。鉛筆についてしっかり理解し、学習やほかの道具の購入も進めていきましょう。
まとめ
鉛筆デッサンは、少ない道具で始められる奥深い芸術表現です。基本的な道具を揃え、正しい鉛筆の持ち方や使い方を身につけることで、徐々に技術を向上させることができます。初心者の方は、まずは基本的な道具から始めて、描く楽しさを感じながら少しずつ技術を磨いていってください。日々の練習が重要で、短時間でも毎日続けることで、確実に上達していくでしょう。また、自分の作品を定期的に振り返り、改善点を見つけることも大切です。周りの人からアドバイスをもらうことも、新たな視点を得るのに役立ちます。 さらなる上達を目指す方は、資格取得にも挑戦してみてはいかがでしょうか。資格取得の過程で、より専門的な知識や技術を学ぶことができ、自身のデッサン力を客観的に評価する機会にもなります。また、資格を持つことで自分のスキルを証明でき、新たな可能性も広がるかもしれません。
- 通信講座のSARAスクール編集部
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心理カウンセラー資格やリンパケアセラピスト等の体系資格、食育資格などを扱うSARAスクール編集部が運営するコラムです。主に女性向けのキャリアアップやスキル習得を目的とした講座が多く、家事や育児と両立しながら学べる環境が整っています。資格取得を目的とした講座も充実しており、仕事や日常生活に活かすことが可能です。