盆栽の種類って?樹形の特徴について理解しよう!
記事更新日:2023年8月21日一口に盆栽と言っても、さまざまな種類が存在します。すでに盆栽に取り組んでいる人でも、すべてを知っているという人は少ないのではないでしょうか。特に盆栽をこれから本格的に始めたいと考えているなら、どのような種類があるのかしっかり把握しておきたいところです。
今回は、盆栽の種類についてそれぞれを詳しく紹介します。樹形の違いにも触れるので、ぜひ参考にしてください。盆栽の種類をしっかりと理解して、自分の盆栽作りに活かせるようにしましょう。
目次
盆栽の定義
盆栽の定義は、具体的にどのように定められているのでしょうか。盆栽について理解するには、盆栽の定義をきちんと理解するところから始める必要があります。盆栽は奥が深いものなので、明確な定義について理解しておかなければなりません。ここでは、盆栽の定義について基本的なところを説明します。
盆栽の要件
盆栽の要件としては、まず樹木が鉢に植えられていることがあげられます。ただし、単に鉢に植えていればいいというわけではなく、自然の姿を表現するために美しく仕立てている必要もあります。盆栽は育てるだけでなく見て楽しむ要素もあるため、美しさを意識するのは重要なポイントであるといえます。
鉢植えとの違い
鉢に植えるという点から考えると、盆栽は鉢植えに似ています。とはいえ、盆栽と鉢植えには明確な違いが存在するのです。鉢植えは、単に鉢に植物を植えたものをさします。一方、盆栽は針金や剪定などを駆使し、手入れをおこなうことで形を整えています。日本独特の感性が取り入れられている点も、鉢植えにはない盆栽ならではの特徴です。
盆栽の大きさによる分類
盆栽にはさまざまな大きさが存在し、おおまかな大きさごとに種類が分けられています。ここでは、それぞれの盆栽の大きさによる分類について基本的なところを確認しましょう。ただし、それぞれで紹介する大きさは、だいたいの目安です。実際には、サイズやボリューム感にさらにバリエーションが見られる場合もあります。
大型盆栽
大型の盆栽は、大きさが60cm以上あります。なかには、120cm以上あるかなり大きな作品も存在します。
中型盆栽
中型の盆栽は、35~60cm程度の盆栽です。見ごたえがありつつも、扱いやすいサイズ感です。
貴風盆栽
貴風盆栽は、20~35cmの盆栽を表しています。比較的小さめなので、家庭でも育てやすいでしょう。
小品盆栽
小品盆栽は、15~20cm程度の盆栽です。こぶりな印象ですが、しっかりと鑑賞すると雄大な自然を感じられる作りになっています。
ミニ盆栽
ミニ盆栽は、10cm程度の小さな盆栽です。最近の盆栽ブームによって人気が高まっているサイズです。
豆盆栽
豆盆栽は、ミニ盆栽に比べてもさらに小さな盆栽です。かなり小さく、指に乗せられるほどのサイズのものも存在します。
樹種による分類
盆栽は樹種による分類も存在します。盆栽に使用される樹種は約300種もありますが、実際によく使われているものは60種程度だけです。また、盆栽に使用される樹種を大別すると、常緑植物と落葉植物の2種に分けることもできます。
鑑賞上の分類
盆栽には鑑賞上の分類も存在します。鑑賞上の分類としては、さまざまなものがあります。ここでは、盆栽の鑑賞上の分類について、それぞれの概要を紹介します。
松柏盆栽
松柏盆栽は、常緑針葉樹です。1年中常に葉をつけており、寿命も長いのが特徴的です。そのため、初心者でも育てやすいといえます。たとえば、黒松や真柏などがあります。
雑木盆栽
雑木盆栽は、季節によって葉の変化を楽しめます。緑葉や紅葉など、さまざまな姿を見られるでしょう。たとえば、もみじや楓などがあります。
花もの盆栽
花もの盆栽は、花がつくタイプの樹木です。美しい花とともに香りを楽しむこともできます。たとえば、桜や椿などが含まれます。
実もの盆栽
実もの盆栽は、実をつけるタイプの樹木です。ザクロやスモモなどさまざまな種類が存在します。
草もの盆栽
草もの盆栽は、味わいのある草のことです。山草や野草など、細かい種類に分かれています。たとえば、リンドウやサギソウなどの植物が草もの盆栽に使用されます。
盆栽の樹形の種類
盆栽の種類は樹形によってもさまざまなものがあります。ここでは、それぞれの樹形の種類と特徴について説明します。
直幹
直幹は、真っ直ぐに伸びているのが特徴的な樹形です。雄大で荘厳な印象があり、盆栽らしい風格を漂わせています。
斜幹
斜幹は、斜めに倒れそうになっている状態を表す樹形です。自然の中でたくましく生きる樹木の姿を表現する素晴らしい樹形として評価されます。
模様木
模様木は、幹が曲がりながら立っている樹形です。曲がり方にはさまざまなバリエーションがあり、バランスを整えながら作成する必要があります。
文人木
文人木は、華奢な印象のある細い幹を使った樹形です。古木のイメージが強く、自然の中で生きる木の一面を表します。
双幹・双樹
双幹は、1つの植物からもう1つの幹が育っており、2つの樹木に見えるものです。双幹のように2本の木を植えたものは、双樹とよばれています。
寄せ植え
寄せ植えは、たくさんの種類の樹木を植えて森や林を表現するスタイルです。基本的に、奇数本の木を使用することになっています。
吹き流し
吹き流しは、風になびいているように見せた樹形です。たとえば、海岸で強風に煽られている樹木の姿を表現します。
根連なり
根連なりは、1株で根がつながっている樹形です。見た目は寄植えに近いですが、1株であるという点が異なります。
筏吹き
筏吹きは、根が発達することで1枚の板のように見える樹形です。「甲羅吹き」ともよばれています。
株立ち
株立ちは、1株から幹が複数出ていて地表において分かれている状態のものです。重ならないようにすることで、全体の美しさを表現できます。
蟠幹
蟠幹は、ヘビがとぐろを巻いているように見える幹の形です。力強く雄大な印象があります。
懸崖・半懸崖
懸崖・半懸崖は、崖から乗り出すように垂れて見える樹形です。枝の下がりが激しいものは「懸崖」、そこまで下がっているわけではないものは「半懸崖」とよばれます。
石付き
石付きは、岩にくっついている樹木の様子を表現するものです。植物に水分が行き渡るようにするためのバランスも確保する必要があります。
根上がり
根上がりは、根が地上に露出している樹形です。長い年月をかけて樹木が成長している力強さを表現します。
箒作り
箒作りは、ほうきのようにバランスのよい美しい枝の様子を表現したものです。きれいに整えるには、さまざまなスキルや技術が必要となります。
盆栽の種類や樹形にはさまざまな種類がある!
盆栽にはさまざまな種類があるので、実際に盆栽に取り組むならそれぞれの違いについて理解しておきたいところです。盆栽の種類を理解しておかないと、そもそも盆栽の奥深さを理解できないでしょう。盆栽には深い味わいがあるので、その意味やイメージをしっかりと自分の中に落とし込むことが大切です。理解しないまま盆栽に取り組んでも、評価される作品を作ることはできません。盆栽の種類や深さについてしっかり学びたいなら、自分に合う学習方法を選ぶことも大切です。体系的な学習をおこなって、盆栽についての知識をしっかりと身につけましょう。