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発酵と熟成とは?腐敗との違いについて解説

食材をよりおいしく変化させるための手法として、発酵や熟成などがあります。発酵や熟成とは、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。実は、それぞれには明確な違いがあります。また、発酵や熟成と似た言葉として腐敗というものもあります。しかし、腐敗は発酵や熟成とは違い、食材に対して有害な変化をもたらすものなので注意が必要です。

今回は、食材の発酵や熟成について詳しく説明します。腐敗との違いについても紹介するので、それぞれの違いをしっかりと押さえるようにしましょう。

発酵と熟成とは?腐敗との違いについて解説

発酵とは?

そもそも発酵とは、どのような状態のことをいうのでしょうか。まずは、発酵とはどのようなものであるかについてしっかり確認しておきましょう。

微生物の働きで食材を生まれ変わらせる

発酵とは、微生物の働きで食材に働きかけをおこなう方法のことです。そのようにすることで、食材をそれまでと違った状態に生まれ変わらせることができます。微生物にはさまざまな種類があり、加工する方法によっても異なる性質の発酵食品が生まれます。

発酵すると食材にさまざまな変化が起きる

発酵をおこなうと、食材にさまざまな変化があらわれます。たとえば、風味、見た目、味、栄養価などいろいろな部分がそれまでとは大きく変わるのです。発酵することにより、旨みを増やす効果も期待できるため、よりおいしく食材を楽しむことができるようになります。

発酵のメリット

発酵には、味をよくする以外にもさまざまなメリットがあるといわれています。食材を発酵させると、まず食材の栄養価が一気に高まるといわれています。発酵すると食材が吸収されやすくなるので、体にとっても負担が少なくなるというのも大きな特徴です。加えて、発酵をおこなうと、保存がきいてより長く食材をおいしく保てるようになるというメリットもあります。

熟成とは?

では、熟成とはどのような状態のことをいうのでしょうか。熟成は発酵と同じようにとらえられることもありますが、正確にいうと熟成は発酵とはまったく異なるものです。そのため、熟成についてもしっかりとどのような状態であるのか理解しておくことが大切です。ここでは、食材の熟成の意味について詳しく説明します。

熟成=エイジング

熟成はエイジングともよばれる食品の加工方法のことで、食品の状態をよくさせることをいいます。酵素や温度などが総合的に作用することによって、タンパク質が分解されてアミノ酸へ変化していくのが特徴的です。

しっかりとした品質管理が必要

熟成をおこなうためには、食材を熟成させている間にしっかりとした品質管理をおこなう必要があります。特に食材に適した温度、湿度、空間が大切で、これらがきちんと保たれていないと、食材をおいしく熟成させることが難しくなってしまいます。また、熟成においては「寝かせる」「仕込み」といった作業も必要になります。しっかりと手間暇をかけることにより、食材をおいしく熟成させることが可能です。

熟成のメリット

食材を熟成させると、味について大きなメリットが得られます。熟成した食材は美味しさが凝縮されるため、それまで以上に深い旨みを感じることができます。これは、水分が減ってアミノ酸が増えるために起きるものです。うまく熟成を取り入れると、おいしい食材をよりおいしく楽しむことができるようになるでしょう。

腐敗とは?

発酵や熟成に似た言葉として、腐敗というものがあります。腐敗は発酵や熟成と比べてどのような違いがあるのでしょうか。食材に発酵や熟成を取り入れるのであれば、腐敗についても基本的なところをしっかり押さえておいたほうがよいでしょう。ここでは、腐敗がどのようなものであるかについて簡単に説明します。

微生物の力によって物質が有害へと変化する

腐敗とは、微生物の力によって有害な物質に変化することをいいます。悪臭を生じる変化であり、腐敗した食材は食べることができません。発酵や熟成とは違い、悪い影響を及ぼす作用だととらえて構いません。

有益なものであれば発酵となる

腐敗は、有益なものであれば発酵といえます。発酵するか腐敗するかは、ちょっとした環境の違いによって変化することも少なくありません。そのため、発酵をきちんとさせたい場合は、しっかりとよい環境を保てるように考慮して、品質管理を徹底することが大切だといえます。

発酵・熟成の違い

発酵と熟成は、どちらも食材に対してよい効果をもたらすものです。ところで、発酵と熟成はそれぞれどのような違いがあるのでしょうか。どちらもよい効果をもたらすとはいえ、それぞれには違った特徴があります。ここでは、発酵と熟成の違いについて説明します。

微生物が介在するかどうか

発酵と熟成の最大の違いは、微生物が介在するかどうかです。発酵は発酵菌など微生物の作用により、食材を異なる状態に変化させます。一方、熟成は酵素や温度の力だけで食材に変化をもたらす手法です。微生物の有無によって、食材をまったく異なる状態に変化させることができます。

熟成は自らの酵素で分解

熟成の場合は、食材そのものがもとからもっている酵素の力により食材が分解されます。そのため、微生物が含まれるものを後から追加する必要はありません。ただし、管理方法を間違えると、有害な細菌が繁殖してしまう恐れもあります。そうなると腐敗につながるため、管理は徹底しておこなうことがとても大切です。

発酵は微生物が分解

発酵の場合は、食材に対して微生物を含む何かを加えることにより発酵を進めさせます。微生物が食材の糖分を分解して有機酸やアルコールなどを作り出すのが発酵です。もちろん、発酵においても管理をきちんとしていないと、腐敗につながる場合もあるので注意が必要です。きちんと発酵させることができると、チーズや納豆などのおいしい発酵食品を作ることができます。

発酵や熟成をさせて食材をおいしく楽しもう

発酵や熟成をさせて食材をおいしく楽しもう

食材をおいしく食べる方法としては、発酵や熟成などがあります。発酵や熟成をおこなった食材は、旨みや成分がよりよい状態に向上するため、食材の旨みをしっかりと引き立てた状態を楽しむことが可能です。もちろん、発酵と熟成にはそれぞれ大きな違いがあり、それぞれの加工方法の違いによって味わいや風味にも大きな違いが出ます。それぞれの違いをしっかりと押さえることができれば、好みに合った食事を楽しむことができるでしょう。特に自分で発酵や熟成などの加工をおこなうのであれば、いろいろな加減を試してみることで、自分に合った発酵や熟成の方法を選ぶことができるはずです。

ただし、発酵や熟成をおこなうときは、腐敗にも気を付けなければなりません。腐敗は発酵や熟成に似ていますが、発酵や熟成とは違い、食材に大きな害を及ぼすとされています。発酵や熟成をおこなっている過程でも、一歩間違えば腐敗につながるケースもあるので注意が必要です。発酵や熟成をおこなうのであれば、腐敗につながることがないよう、品質管理を徹底的におこなうようにしましょう。品質の管理方法は、それぞれの手法によっても異なるので、作りはじめる前にやり方をしっかりと押さえておくことがとても大切です。発酵や熟成の手法にしっかり注意して、おいしい食材をさらにおいしく楽しめるようにしましょう。