発酵と醸造の違いは?それぞれの基本知識について解説
記事更新日:2019年9月13日発酵は、さまざまな食品についてよい効果を与えます。うまく発酵が進んだ食品は、元の状態とは違った食品になり、それまでとは違ったおいしさを楽しむことも可能です。そのような発酵をする場面では、醸造という言葉もよく使われています。発酵と醸造には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、発酵と醸造の違いについて解説します。発酵と醸造それぞれの意味について詳しく説明するので、両者の違いがよく分からないという人はぜひ参考にしてみてください。

目次

醸造とは?
醸造とは、そもそもどのようなことを表しているのでしょうか。醸造は、発酵という言葉ととても深い関係があります。醸造の意味について知るには、発酵の意味もきちんと押さえておく必要があるでしょう。まずここでは、醸造の意味について確認しておきましょう。
発酵を利用してアルコール類や食品を製造すること
醸造とは、アルコール類や食品を製造することをいいます。発酵の作用を利用しているということが大きなポイントです。発酵を利用することでさまざまな食品をおいしく加工することができ、醸造が成立します。実際、日本においても古くから醸造によって作られてきた食品が多く存在しています。醸造は日本人の食事において、無くてはならない食品の加工方法として認知されています。
アルコール発酵させて作ったものを醸造酒という
醸造は、特にアルコールを利用するときによく使われる言葉です。アルコールを発酵させて作ったもののことを醸造酒といいます。醸造酒にはたくさんの種類があり、日本だけでなく世界各国でさまざまな醸造酒が作られています。ただし、醸造できるアルコール度数には限りがある点に注意が必要です。醸造できるアルコール度数は、基本的に20度くらいだといわれています。
発酵と醸造の違い
醸造は、発酵の作用によって食品を加工することをさしています。では、発酵と醸造には、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。発酵と醸造の意味の違いがよく分からないと感じている人も多いはずです。せっかく発酵や醸造をおこなった食材を口にするのであれば、発酵と醸造の違いをしっかりと押さえておいたほうがよいでしょう。ここでは発酵と醸造の違いについて説明します。
発酵は単一化合物を生産する
発酵とは、単一化合物を生産することを示しています。よって、発酵は食品を加工する作用そのものを表していると表現できます。
醸造は微生物の代謝生産物そのものをさす
醸造は、微生物の代謝生産物そのものをさしています。生産することを発酵とよぶのに対し、それによりできたもののことを醸造とよぶという違いがあります。
醸造によって作られている製品の例
では、具体的に醸造されたものとしては、どのようなものがあるのでしょうか。発酵の作用を用いて醸造される製品はたくさんあります。醸造された製品は、どれもコクや旨みが豊富なものばかりです。ここでは、醸造によってできている製品の例について説明します。
味噌
醸造によって作られたものとしては、味噌があげられます。味噌は、麹とよばれるカビの一種を使って大豆を発酵させることによりできています。カビの一種といっても、麹は食品に対してよい作用をもたらすカビです。温度や湿度などの環境をしっかりと整えておけば、きちんとおいしい味噌を作り上げることができます。
醤油
醤油も麹とよばれるカビを使って作られた製品のひとつです。大豆を原料とし、麹を使用することで発酵させています。醤油は味噌と同じく、日本食には無くてはならない調味料のひとつです。麹が好む温度や湿度になるように環境を整えることで、おいしい醤油を作ることができます。
清酒
日本酒は、米と米麹などを原料にして発酵させたものです。日本酒の原料となる米は、一般的なアルコール発酵ができないため、麹を使うことでアルコール発酵をできるようにしています。米の糖化とアルコール発酵を同時におこなう醸造方法を用いており、世界で見てもめずらしい手法を用いています。このような手法を用いることにより、高アルコールの醸造酒が生み出されているのです。
食酢
食酢は、酢酸菌の働きによって醸造されています。米やコーンなどを原料にすれば穀物酢ができますが、リンゴ果汁を使用すればリンゴ酢が出来上がります。
醸造酒の種類と発酵方式
醸造といえば、お酒を思いうかべる人も多いのではないでしょうか。お酒の醸造については、お酒の種類によっていくつも分類があります。お酒を楽しむなら、それぞれの醸造の種類について違いを押さえておいたほうがよいでしょう。ここでは、醸造酒の種類や発行方式について説明します。
単発酵酒
お酒の醸造方法としては、まず単発酵種があります。単発酵種は、主にワインなどを作る手法のことです。酵母を糖液にあたるブドウ果に入れることで果汁にし、アルコール発酵をおこなうことによって生み出されるのがワインです。ワインはヨーロッパなどで古くから醸造されてきました。
単行複発酵酒
醸造酒としては、単行複発酵酒もあります。これは、主にビールが当てはまります。まず、大麦からできた麦芽にホップと水を足すことで麦汁を作ります。こうすると糖化が起きて糖液になるため、ここで酵母を入れることでアルコール発酵を促します。このようにすることにより、ビールができあがります。
並行複発酵酒
日本の醸造酒としては、日本酒が有名です。すでに触れましたが、日本酒は世界でも珍しい醸造方法をとっているアルコール飲料です。まず、蒸し米に麹菌を入れることで、麹を作ります。そして、固体化したもろみに麹からできた酵母を使うことにより、発酵を進めることができ日本酒が出来上がります。
発酵と醸造には深い関係がある

発酵と醸造という言葉は、一見違うもののように思えますが、基本的には同じ趣旨を表す言葉として考えることができます。醸造は発酵という技法を用いて作られた生産物をさしており、より具体的に食品の状態を表している言葉だといえるでしょう。醸造によって作られた食品はとてもおいしく、元の食材にさまざまな味わいや風味をプラスすることができます。加えて、保存性も高くなるため、より長くおいしい食材を保つことができるようになります。こだわりをもって醸造された食材を選べば、よりおいしく食材を楽しむことができるでしょう。
醸造によって作られた食品には、さまざまな種類があります。食べ物だけでなく、調味料や飲み物など、その種類も多種多様です。さらに、日本国内だけでなく、世界中において醸造物は古い昔から作られ続けてきました。発酵によって作られる醸造物は、それだけ長い期間を経て多くの人に愛されてきたということです。味だけでなく長持ちするという点も、昔の人にとってはとても便利な点だったといえるでしょう。発酵と醸造は食材をおいしく食べるために、なくてはならない加工方法のひとつです。さまざまな方法が確立されており、それぞれの醸造物によって味わいや風味は大きく異なるのも魅力的だといえます。種類によっては独特な風味のものもありますが、一度おいしく食べることができれば、何度も食べたくなるものばかりです。発酵によって作られた醸造物を積極的に食べるようにして、身近な食材のおいしさをしっかり堪能しましょう。
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