子どもに食育を行う理由は?取り組み方とポイントを解説
記事更新日:2023年8月21日子どもに対する食育は、なぜ必要なのでしょうか。食育は、単に食事のしかたを子どもに教えるだけの教育ではありません。子どもは食をとおして、人間らしいさまざまな感覚や習慣を身につけていきます。食育はそれらを促し、子どもの成長を手助けする大きな役割を果たします。
そのため、食育はそのような効果を見据えて効果的に行うことが大切です。今回は、食育が必要な理由を説明するとともに、食育の取り組み方について解説します。

目次

子どもにとって食育が大切な理由

子どものころの食体験は、その後の人生に大きな影響を与えます。そのため、食育の実践は、子どもにとってとても重要なことです。まずは、その理由について見ていきましょう。
食と心身の成長との関係
幼少期の食に関する体験は、心身の成長と密接に関係しています。食べ物は身体を作るだけでなく、心の発達にも大きな影響を与えます。たとえば、家族や仲間と一緒に食事をして、「おいしい」という感覚を共有することは、感情を豊かにして情緒を安定させる効果があると言われています。
嗜好や食習慣の決定
人の嗜好や食習慣は、幼少期に決まると言われています。そのため、子どもは幼少期のうちからしっかりと食育を受けることで、より豊かな食の感覚を身につけ、大人になってからもそれに基づく健康的な食生活を送ることができるようになります。
マナーの習得や文化の理解
食に関するマナーを学び、文化を理解することは、人間的な成長には必要不可欠だと言えるでしょう。子どもの社会性を育てるためには、食に関わるすべてのものに感謝するという考え方を教えることも大切です。
年齢別の食育への取り組み方
つぎは、子どもの年齢に合わせた食育の取り組み方について紹介します。子どもは年齢によって、食をとおしてさまざまなことを学びながら成長していきます。食育は、子どもの健やかな成長にとってとても重要な役割を果たします。
乳児期(0-2歳頃)
子どもが健全な食生活を送るためには、乳児期から食育に取り組む必要があります。この頃の経験は、子どもの生活習慣の基礎となります。子どもは生まれたばかりの時期に母乳を飲む経験をすることで、人肌の心地よさを感じ、人を信頼する気持ちや愛する心を育むことができます。 また、離乳食を食べるようになったら、味覚を中心とした五感を養うことを意識することが大切です。さまざまな食材を使って味付けを工夫することで、子供の感覚を刺激します。子どもが自発的に手づかみで食べようとするときは、それを手助けしてあげましょう。「食事は楽しい」という経験をたくさんさせることに重きを置いてください。
幼児期(3-5歳頃)
幼児期は、栄養のバランスが取れた食事を規則正しく食べる習慣や味覚の基礎ができる時期です。家族や仲間と一緒に楽しみながら食事をし、そのなかでさまざまなことを学びます。しっかり体を動かして「お腹がすいたら食事をする」という生活リズムを確立するとともに、好き嫌いをせず何でもよく噛んで食べることが重要であることを理解します。 また、この頃に基本的な食事のマナーを覚えることも重要です。箸やスプーンの使い方、食事をするときの座り方、「いただきます」「ごちそうさま」といったあいさつについて、きちんと指導しましょう。
小学生(6-12歳頃)
小学校に入学したあとは、健康を促す基本的な食習慣を身につける時期です。この頃の食習慣は大人になってからの食習慣にそのまま反映されることが多いため、非常に大切な時期です。自己管理を行う力を養い、自分で自分をコントロールすることを覚えながら、健康な食生活について実践的に学んでいきます。規則正しい1日3食の食生活を維持し、マナーを守って食事をすることを習慣化しましょう。 また、「食べ残しをするのはもったいない」という気持ちを育てることも大切です。そのためには、自分で食べる食品は自分で選び、調理も自分で行う体験をさせることが有効です。食べ物について深く知ることで食べ物に対する興味を高めることがポイントとなります。
子どもにおすすめのお手伝いとポイント

食育では、食べ物に対する子どもの興味を高めることが重要です。そのためには、料理を子どもに手伝わせることがおすすめです。ただし、小さい子どもをキッチンに立たせるのは不安だと思う方も多いかもしれません。そこで、子どもの年齢に合わせたお手伝いの方法について紹介します。
2~3歳頃
2~3歳頃の子どもでも、内容を工夫すれば楽しみながらお手伝いをすることができます。遊びやその延長としてできる、手を使った作業をさせてあげましょう。必ず手本を見せながら一緒に作業を行ってください。 たとえば、柔らかい葉物の野菜や豆腐をちぎらせるという作業なら、とても簡単ですし安全です。たとえ子どもが失敗をしたとしても、むやみに怒ってはいけません。子どもなかの「料理は楽しい」という思いを育てることを優先しましょう。
4から6歳頃
4歳になれば包丁を使う作業もできるようになります。必ず一緒に作業を行い、見守りながら行うようにすれば問題はありません。けがをしにくいように設計された子ども用の包丁も販売されているため、心配な場合はこれを使うとよいでしょう。このような包丁は、キャラクターがついているなどデザインが子ども向けで可愛らしいものが多いため、子どもが料理に興味をもつきっかけとなるかもしれません。豆腐や練り物など、柔らかくて切りやすい食材から挑戦させるのがおすすめです。
小学生以降
小学生以上になったら、簡単な一品料理を完成させることを目指しましょう。味噌汁や目玉焼きなど何でもOKです。ただし、もちろん一度にすべてを完璧にこなせるわけではないため、子どもが失敗しても怒ったり、ネガティブな感想を伝えたりしてはいけません。励ましたり、上手にできたポイントをあげて褒めたりすることで、子どもが自発的に努力を重ねられるような状況を作ってあげることが大切です。
始めるタイミングはいつが良いか
料理のお手伝いをはじめるタイミングはいつでも構いません。子どもが料理をすることに興味を示すタイミングを見逃さないようにして、後押しすることが大切です。「うまくできるとは限らない」ということを前提に、子どものチャレンジを応援するような態度を意識しましょう。 食育という観点から言えば、子どもにお手伝いを無理に押し付けるのはNGです。どうしても子どもに料理を手伝わせたい場合は、まずは子どもが料理に興味をもつような働きかけを行うのがおすすめです。ささいなことでも構わないので、子どもとの会話のなかで食べ物や料理など食に関する話題を増やしてみてください。親が料理をしている姿を、子どもに見せることも有効です。
食育で子どもの成長を見守ろう

食育は、子どもの健やかな成長のために無くてはならないものです。食をとおしたさまざまな体験は、大人になってからの食習慣にも大きな影響を与えます。そう考えると、子どもにとってベストな食育を行いたいですよね。
食育の効果を十分に発揮するためには、子どもの感情を尊重し、それに合わせて行うことが大切です。子どもが「食べ物を食べること」を肯定的に捉え、興味を持つことができるように手助けをしてあげましょう。
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