花の特徴を生かしたフラワーアレンジメントのコツ
記事更新日:2024年6月11日一口に花と言ってもそのかたちには、茎が長くてラインが特徴的なもの、花びらが多くて丸いものなどさまざまな種類があります。フラワーアレンジメントでは、そのような花の特徴を生かしてアレンジを行うことで、より魅力的な作品を作ることができます。
これはフラワーアレンジメントのプロも意識している方法です。しかし、初心者でもコツさえつかめば、すぐにアレンジに取り入れることが可能です。
今回は、花の特徴を生かし、フラワーアレンジメントをより素敵に見せるコツについて紹介します。
目次
綺麗なフラワーアレンジメントを作るコツ
花はかたちによって、デザイン上の分類がされています。この分類を意識するとアレンジがしやすくなりますし、フラワーアレンジメント全体のバランスを整えることにも繋がります。花のかたちに関する知識はフラワーアレンジメントを上達させるために、必要不可欠な要素の1つです。 また、アレンジのメインとなる花を「フォーカルポイント」と呼びます。フォーカルポイントに向いている花もかたちによって向き不向きが決まっています。そのため、花の特徴をおさえてメインの花を選ぶようにしましょう。メインの花選びは、フラワーアレンジメントの工程なかでもとくに重要です。
花の特徴
花には、かたちによる分類が4つあります。それぞれ「ラインフラワー」「マスフラワー」「フォームフラワー」「フィラーフラワー」と呼ばれています。それぞれの特徴について確認しましょう。 なお、この分類を意識しながらプロの作品を観察すると、花の特徴を上手に生かしてフラワーアレンジメントを作っていることがよくわかりますよ。
ラインフラワー
ラインフラワーは長い茎の穂に花が咲く花です。線が特徴的であるため、アレンジの高さや幅を決めたり、アウトラインを決めたりする際に使います。また、線を生かすだけでなく、切り分けてアレンジすることも可能です。 【例】 スイートピー、ストック、フリージア、ベアグラス、ミスカンサス、フトイ、アイビーなど └フォームフラワー フォームフラワーは花びらが1枚でも欠けるとかたちが変わってしまう形態の花です。かたちが特徴的で1本でも存在感があるため、フォーカルポイントに適しています。 【例】 花:カトレア、ユリ、カラー、デンファレ、チューリップ、胡蝶蘭、モンステラ、クッカバラ、ゲイラックスなど。
マスフラワー
マスフラワーは花弁が集まって1つの花ができている、丸くてかわいらしいかたちをした花です。アレンジのメインとなる花で、フォームフラワーを使用しないときはマスフラワーをフォーカルポイントとして使用します。 【例】 花:ばら、くちなし、アネモネ、ひまわり、ガーベラ、芍薬、ラナンキュラス、レザーファン、レモンリーフ、ドラセナなど
フィラーフラワー
フィラーフラワーは1つの茎から枝分かれした先に小花をたくさんつける花です。花と花の隙間を埋めて全体を調和させたり、立体感を出したりする役割を果たします。 【例】 かすみ草、ライスフラワー、ホワイトレースフラワー、アスパラガス、ピットスポルム、アイビーなど
花のタイプを生かすフラワーアレンジメントのコツ
フラワーアレンジメントでそれぞれの花の特徴を生かしたアレンジをするためには、手順にもいくつかコツがあります。花のタイプに着目したフラワーアレンジメントの手順を紹介します。
底辺にグリーンを入れる
はじめに、底面にグリーンを入れます。グリーンはオアシス(花を挿して使用する、吸水性のスポンジ)を隠す役割を果たします。最後に調整をするため、だいたいの位置に置けばOKです。
ラインフラワーでアウトラインを決める
次に、ラインフラワーで高さ、幅、奥行きを決めます。これを基準にしてほかの花の配置を行っていくため、ラインフラワーの配置はとくに丁寧に行いましょう。ラインフラワーをうまく配置すれば、使う花が少なくても作品全体を大きく見せることも可能です。
ラインの内側にマスフラワーを入れる
ラインフラワーで決めたラインを壊さないよう、全体を見ながらマスフラワーを入れていきます。マスフラワーは華やかで目立ちやすいため、バランスが重要です。フォームフラワーを入れない場合は、フォーカルポイントにするマスフラワーも配置します。
フォームフラワーでフォーカルポイントを入れる
マスフラワーを入れ終えたら、フォームフラワーでフォーカルポイントを作ります。フォームフラワーを入れるだけで雰囲気が一気に変わります。作品のメインとなる部分であり、バランスや色使いがとくに重要な部分です。
フィラーフラワーで全体のかたちを整える
フィラーフラワーを使用する場合は、最後に全体を見てバランスを整えながら入れていきます。花と花の間に空間があれば、それを埋めるようにして入れましょう。
花のタイプを生かすための注意点
花の特徴を効果的に生かすためには、注意すべきポイントもいくつかあります。花のかたちにこだわるのはフラワーアレンジメントにとって大切なことですが、臨機応変にアレンジを楽しみましょう。
花のかたちの応用
基本的に、花の特徴を生かしたフラワーアレンジメントを作るには、先ほど確認した流れで花を配置していきます。とはいえ、必ずしも4種類すべてのタイプの花を入れなければいけないというわけではありません。 たとえば、プロが作ったフラワーアレンジメントでも、マスフラワーを使って、ラインフラワーの代わりにアウトラインを作ったり、フォームフラワーのかわりにフォーカルポイントを作ったりすることはよくあります。また、ラインフラワーを切り離してマスフラワーのように使うこともあります。実際に手元にある花の状態をよく観察して、オリジナルのフラワーアレンジメントを楽しみましょう。 手元の花が少なくても使い方を工夫すれば、もとの花のかたちにとらわれず綺麗なフラワーアレンジメントを作ることができます。
花の向きを考える
一見どこから見ても同じだと思われがちな花にも、向きがあります。花をよく観察して、いちばん綺麗な向きを探すようにしましょう。フラワーアレンジメントでは花の向きも全体のバランスを整える際には、とても重要なポイントになります。 イメージする方向に向いていない花は、無理に向きを変えてはいけません。強い力で引っ張ったり、曲げたりすると、花弁が破けてしまうため絶対にNGです。花の配置を変えるか、ほかの花を置いてバランスを整えることを検討してください。花は生き物であるため、同じ花でもかたちは1つ1つ違うということを覚えておきましょう。
花の特徴を生かすのがフラワーアレンジメントのコツ
花にはかたちによって、さまざまなデザイン的効果を発揮します。これを意識することが、フラワーアレンジメントを上手に作るコツです。
フラワーアレンジメントのプロも、花の特徴を生かすことで綺麗なフラワーアレンジメント作り上げています。アレンジメントを参考にするときは、使われている花の役割について考察するのがおすすめです。花のかたちと使い方の関係がわかってくると、花の選び方も上手になっていきます。
仮に手持ちの花の種類が少なくても、切り方や並べ方を工夫すれば華やかで印象的なフラワーアレンジメントを作ることが可能です。フラワーアレンジメントでは、それぞれの花の特徴を生かすことを念頭にデザインを考えてみましょう。