音楽療法のおすすめ資格4選!学び方と活かせる仕事を解説
記事更新日:2024年6月11日音楽の力を使って人のメンタルや身体の不調の回復を手助けする「音楽療法」をご存じでしょうか?
音楽療法は、医療・福祉・障害者の施設などで実際に用いられており、今後知名度が高まっていくことが予想されています。
現場では、音楽療法士が歌を歌ったり音楽を演奏したりするなどのプログラムを組んで、患者の方々をケアします。
まだ知名度はあまり高くないのが現状ですが、音楽療法士は資格を取得するための学習が可能です。
しかも、音楽療法士資格は専門的な資格や知識を持たない初心者でも、気軽に在宅で学べます。
この記事では、音楽療法資格についてご紹介します。
音楽を使って人の役に立ちたい方はぜひ参考にしてください。
目次
音楽療法とは?
音楽療法とは、音楽の力を利用して、心身を健康な状態へ導いていくリハビリテーション療法の一種です。
音楽には、リラックスして心が穏やかになったり、気持ちが前向きになったりする効果があるといわれています。
その効果を利用して、精神的なストレスを解きほぐし、身体の不調を回復させるのが音楽療法です。
心身の機能を回復させ、健康を維持することによって、生活の質を向上させることを目的としています。
病気や障害をお持ちの方、心身に不安のある方に対しリハビリテーションの一環として用いられるほか、子どもの心身の発達や高齢者の認知症予防や介護など、幅広いシーンで活用されているのです。
音楽療法の先進国であるアメリカなどでは治療のひとつとして地位を確立しています。
日本での知名度はそこまで高まっていませんが、音楽療法は今後、認知が高まることが予想されています。
音楽療法資格とは?
音楽療法資格とは、音楽療法を適切に提供できる専門的な知識と技術を習得している証明となる資格です。
この章では、音楽療法資格の難易度や位置づけ、音楽療法資格でできること、音楽療法士になる方法を解説します。
資格の難易度や位置づけ
音楽療法資格には、いくつかの民間資格が展開されており、難易度は資格の種類によって異なります。
音楽療法の中には四年制大学や短期大学の卒業が資格取得要件として指定されているものもあります。
一方で通信講座を受講することで手軽に取得できる資格もあるため、状況に合わせて目指す資格を決定しましょう。
位置づけは、現状、直接就職や転職に大きな影響があるほどではありません。
しかし、音楽療法に関する国家資格創設の動きがあることからもわかるように、将来的な位置づけは現状よりも重要なものとなる可能性が高いのです。
音楽療法資格で何ができる?
音楽療法は、さまざまな用途で用いられています。
例えば、以下のとおりです。
・医療機関において心と体のリフレッシュや、リハビリテーション手法として
・メンタル改善のためのカウンセリングメニューの一つとして
・カウンセリング時のストレス軽減目的として
また、プロの職業だけでなく、身近な場面でも気分をリラックスさせたり気分をよくしたりするために、意識的に音楽が用いられることもあります。
音楽療法士になるには?
音楽療法士を名乗るために特別な資格や経歴は必要ありません。
ただし、音楽療法関連の資格の中には、大学卒業資格などが必要なケースもあるため、目指す資格や求人条件などを個別に確認したうえで判断しましょう。
いずれにしても、プロの音楽家のような高度な音楽技術や知識が求められるわけではありません。
音楽療法士に必要とされるのは、音楽そのものの知識や技術よりも、音楽が精神や身体にどのような影響を与えるのかについての知識やスキルです。
音楽療法士が人気の理由
音楽療法士は、さまざまな理由から注目度が高まっています。
この章では、音楽療法士が人気の理由を3つご紹介します。
好きな音楽を仕事にできる
音楽療法士は、音楽を生かして仕事ができます。
音楽を直接仕事に活かせる職業はミュージシャンやピアノの先生など選択肢が限られているなかで、好きな音楽を仕事にできる音楽療法士はとても魅力的な選択肢といえるでしょう。
また、音楽療法士は初心者からでも目指せることや多くのジャンルの音楽に触れられることもまた魅力的です。
費用・手間をかけずに取得を目指せる
音楽療法関連の資格は、費用も手間もかけずに、手軽に取得を目指せるとして人気があります。
音楽療法資格を取得できる民間の通信講座も展開されているため、自宅にいながら短期間で資格取得を目指すことも可能です。
特に育児や仕事と並行して音楽療法の知識を身につけたい方は、負担を最小限に抑えられる点も大きなメリットといえるでしょう。
実生活でも使用できる
音楽療法士は、実生活でも応用できます。
・仕事や家事の疲れを音楽で癒やせる
・落ち込んだときの気分を回復させられる
・合唱やアンサンブルなどを通して、他のメンバーと交流を深められる
・家族や友人に音楽を聴かせて元気づけられる
生活している以上は、必ず心身の疲れや不調はつきものであるため、音楽の力で改善できることはとても大きなメリットです。
音楽療法資格を活かせる仕事は?
音楽療法資格を取得すると、カウンセラーなど資格を活かした仕事に就けます。
この章では、音楽療法資格取得で学んだ知識を活かせる仕事と職場を3つご紹介します。
音楽の力を利用した療法の専門知識を活かした仕事を見つけて活躍しましょう。
医療施設やリハビリ施設
医療施設やリハビリ施設では、近年音楽療法が取り入れられるようになりました。
音楽療法の資格があれば、病気で精神的に不安定になっている人のメンタルをケアしたり、リハビリの一環として音楽を使った身体機能の回復をサポートしたりして活動できます。
また、看護師やリハビリスタッフの負担を軽減できるため、施設としてもメリットがあります。
専門知識を持った有資格者として、活躍できる機会を得られるでしょう。
介護福祉施設・障害者支援施設
介護福祉施設や障害者支援施設では、音楽療法をリハビリテーションやレクリエーションを積極的に取り入れています。
音楽が与える力を利用して認知症を予防したり、音楽に合わせて身体を動かすことによって運動機能を維持したりして、音楽療法を取り入れたプログラムで貢献できるでしょう。
児童養護施設・特別支援学校
子どもを教育する場面でも音楽療法が多く用いられています。
特に、発達障害や学習障害、知的障害、自閉症などに効果があるといわれています。
音楽療法の資格があれば、音楽を通して子どもとコミュニケーションをとり、発育をサポートする仕事ができるでしょう。
また、児童養護施設や特別支援学校では、精神的に不安定だったり、他人とコミュニケーションを取りにくかったりする場合に、気持ちを前向きにさせたり、ストレスを軽減させたりするための音楽療法が役立ちます。
おすすめの音楽療法資格4選
音楽療法の資格には、受験資格や取得方法などによって、複数の資格があります。
この章では、おすすめの音楽療法資格を4つご紹介します。
メンタル心理ミュージックアドバイザー
メンタル心理ミュージックアドバイザーは、人間を心の側面から学び、心が身体に与える影響を考え、心身に対する音楽の作用を理解している人へ与えられる資格です。
音楽の癒し効果を最大限に引き出し、音楽を利用してストレスなどの問題改善、心身の健康維持を目指します。
資格名称 | メンタル心理ミュージックアドバイザー |
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主催団体 | 日本メディカル心理セラピー協会 |
試験開催頻度 | 2か月に1度 |
受験料 | 1万円 |
合格基準 | 正答率70%以上 |
音楽療法カウンセラー
音楽療法カウンセラーとは、音楽の歴史や効果などの知識を学習し、ライフスタイルにおける音楽の役割や重要性、空間における音楽の利用方法を学習できる資格です。
空間における音楽の役割を理解することで、人と自然が調和できる空間や日常に癒しを作り出すことを目指します。
資格名称 | 音楽療法アドバイザー |
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主催団体 | 日本インストラクター技術協会 |
試験開催頻度 | 2か月に1度 |
受験料 | 1万円 |
合格基準 | 正答率70%以上 |
学会認定音楽療法士
学会認定音楽療法士とは、高度な音楽の知識や技術を身につけ、音楽の持つ力と人とのかかわりを用いて、クライアントの生活の向上を目指す資格です。
資格名称 | 音楽療法士 |
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主催団体 | 一般社団法人 日本音楽療法学会 |
受験資格 | 認定校を卒業すること |
資格取得方法 | 試験に合格して音楽療法士(補)資格を取得後、面接と実技試験を受けて資格取得となる |
協会認定音楽療法士
協会認定音楽療法士とは、高齢者や障害者等の心身の機能回復を図ることに加えて、社会福祉施設に入所する障害をもつ子どもたちや高齢者を対象に 音楽療法を実施する者に与えられる資格です。
資格名称 | 音楽療法士(専修、1種、2種) |
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主催団体 | 全国音楽療法士養成協議会 |
資格取得方法 | 認定する大学院、大学、短期大学等を卒業すると認定される |
音楽療法資格を学ぶ方法
音楽療法を身につけるにはいくつかの方法があります。
この章では、3つの学習方法をご紹介します。
大学院・大学・短大などへ通う
音楽療法士資格を取得するには、認定された大学院、大学、短期大学等を卒業すると認定されます。
大学や短期大学の専門的なカリキュラムで学べて、卒業すれば自動的に資格認定されるため、確実に高度な知識と技術を身につけられます。
協会認定音楽療法士の認定校に導入されている長期履修学生制度を利用すれば、社会人や主婦でも正規の学生として大学・短期大学で学ぶことも可能です。
一方で、通学の手間と費用面がデメリットになるでしょう。
認定養成学校の通信教育と実技スクーリングを受講する
音楽療法士の認定校の中には、通信教育と実技スクーリングを導入している養成学校があります。
仕事や子育てで通学が難しい場合は、オンラインでの通信教育で資格取得を目指せます。
ただし、まとまった費用がかかるのがデメリットです。
認定の通信講座を受講する
音楽療法資格には、各資格団体の認定を受けた通信講座を受けることで取得できる資格があります。
各資格団体に認定された独自のテキストで体系的に学べるため、初心者でもわかりやすく、知識を習得できます。
添削や質問などサポート体制も整っているため、在宅で学習していても挫折することなく続けられるでしょう。
仕事や育児などでまとまった時間がとれなくても、空き時間を上手に利用して学習できます。
学校や通信教育よりも費用を抑えられることもメリットです。
音楽療法資格のおすすめ通信講座2選
この章では、音楽療法の資格を目指せるおすすめの講座を2つご紹介します。
講座の内容や検定試験の受験方法を比較して自身に合った講座を選び、資格取得のために今から学習を始めましょう。
SARAスクールジャパン
SARAスクールの講座で取得できる資格は「メンタル心理ミュージックアドバイザー資格」と「音楽療法カウンセラー資格」の2つの資格です。
SARAスクールの講座には基本コースとプラチナコースがあります。
○基本コース
基本コースは初期投資を抑えながら、音楽療法資格取得に必要な知識を学べます。
資格試験の受験申込みと受験料の支払いは受講者自身でする必要があります。
受講料:59,800円
○プラチナコース
プラチナコースは、基本コースより費用がかかりますが、講座を受講して課題を提出するだけで、修了時に2つの資格を取得できます。
また、プラチナコースを受講すれば資格試験の受験は免除されます。
受講料:79,800円
受講期間の目安は、基本コースは最短約3カ月間、プラチナコースは最短約1カ月間です。
在宅で学習できるため、子育てで忙しい主婦でも受講できます。
諒設計アーキテクトラーニング
諒設計アーキテクトラーニングのメンタル心理ミュージックアドバイザーW資格取得講座を修了すれば「メンタル心理ミュージックアドバイザー」と「音楽療法カウンセラー」の2つの資格を取得できます。
諒設計アーキテクトラーニングの講座のコースは2つです。
○スペシャル講座
スペシャル講座では、課題をすべてクリアして講座を修了すると、検定試験が免除され、卒業と同時に2つの資格を取得できます。
受講料:79,800円
○基本講座
基本講座は、スペシャル講座より費用を抑えられる代わりに、講座修了後、自身で検定試験に申込み受験しなければなりません。
試験に合格することで資格を取得できます。
受講料:59,800円
受講期間の目安は約6カ月間ですが、早く資格を取得したい人は最短2カ月間での受講が可能です。
講座のテキスト、問題集や添削課題はすべてプロの先生によって監修されています。
予算と検定試験の受験方法を考えて、自身に合ったコースを選びましょう。
まとめ
音楽療法資格は、歌や楽器の演奏など音楽の力によって患者の心を安定させ、身体機能の維持・回復を助けるための専門的な知識と技術を証明する資格です。
音楽療法は、精神的なストレスを解きほぐし、身体の不調を回復させることによって、生活の質を向上させることを目指しています。
病気や障害をお持ちの方や心身に不安のある方などに対してリハビリテーションの一環として用いられるほか、子どもの心身の発達や高齢者の認知症予防・介護など、幅広いシーンで活用できる資格です。
また、音楽を聴いてリラックスしたり気持ちを明るくさせたりするなど、実生活にも応用できます。
音楽療法を専門的に学んで、メンタルケアや心身の健康の維持をサポートする仕事に活かしましょう。