介護食の種類や分類って?それぞれの特徴を理解しよう
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介護食の種類や分類って?それぞれの特徴を理解しよう

介護食には、さまざまな分類があることを知っていますか。なぜなら、介護を受ける人によって食べられる食事の形態はそれぞれ異なるからです。同じように介護を受ける人であっても、好みも食事のために使える能力もまったく異なることがあります。

そこで今回は、介護食の種類や分類について詳しく紹介します。介護食を必要とする人に携わるのであれば、介護食の分類について知っておくのはとても大切なことです。しっかりと分類を理解して、適切に介護食を選べるようにしておきましょう。

介護食の種類や分類って?それぞれの特徴を理解しよう

介護食の分類・区分

介護食の分類や区分の方法としては、さまざまなものがあります。具体的には、どのような分類や区分がおこなわれているのでしょうか。介護食についてしっかりと理解するためには、介護食の分類や区分について詳しく理解しておくことが求められます。ここでは、介護食の分類や区分について、基本的なものを見ておきましょう。

食品の硬さや粘度などを考慮した4つの区分

介護食の分類方法としては、食品の硬さや粘度などを考慮した4つの区分があります。この4つの区分は、具体的には以下のとおりです。それぞれの状態について実際にイメージながら理解を進めていきましょう。

①容易に噛める

介護食の1つ目の分類としては、「容易に噛める」というものがあります。高齢者にとって硬いものや大きいものはやや食べづらく感じられます。ただし、それでもどうにか咀嚼することができ、普通に飲み込める人もあります。そういった状況であれば「容易に噛める」と判断して問題ありません。

②歯茎でつぶせる

介護食の2つ目の分類としては、「歯茎でつぶせる」というものがあります。歯茎でつぶせる場合は硬いものや大きいものであると食べづらさを感じ、ものによっては飲み込みにくい可能性があります。

③舌でつぶせる

介護食の3つ目の分類としては、「舌でつぶせる」というものがあります。舌でつぶせる場合、細かかったり柔らかかったりするものであれば、食べる事が可能です。ただし、水やお茶といった水分をうまく飲み込むのが難しいこともあります。

④噛まなくてよい

介護食の4つ目の分類としては、「噛まなくてよい」というものがあります。 固形物であれば小さくても食べづらいものがほとんどであり、水やお茶を飲み込みづらい状態が該当します。

嚥下調整食学会が提案している食形態の分類

嚥下調整食学会が提案している食形態の分類は、主に病院や施設などで導入されています。ここでは、実際のコードごとの基準について確認しましょう。

コード0・1

嚥下調整食学会が提案している食形態の分類のうち、コード0・1は摂食嚥下機能に重大な障害があるため、再び食べられるようになるための訓練をおこなっている人を示しています。

コード2-1

嚥下調整食学会が提案している食形態の分類のうち、コード2-1は飲み込む力だけでなく、自分で食べ物をのどの奥へ向けて送り込む力がきちんと備わっている人を表します。

コード2-2

嚥下調整食学会が提案している食形態の分類のうち、 コード2-2は食事を口の中で自力でまとめることができるうえに、のどに送りこむ力もある人を意味します。

コード3

嚥下調整食学会が提案している食形態の分類のうち、コード3は形がある食品を舌や上顎を使って押しつぶす力がある人のことを指しています。

コード4

嚥下調整食学会が提案している食形態の分類のうち、コード4は食べ物を歯ぐきや舌などですりつぶして食べられる人のことです。

介護食の種類

それでは、具体的な介護食の種類としては、どのようなものがあるのでしょうか。介護食は、それぞれの状態に合わせてさまざまなものがあります。まず、食品を小さくきざんだ「きざみ食」、舌でつぶせる程度の柔らかさになるまで調理した「ソフト食(軟菜食)」などがよく利用されています。また、ミキサーに食材をかけて液体状にした食事の「ミキサー食」もあります。加えて、ミキサーにかけたものをペースト状やゼリー状にした「とろみ食」「ゼリー食」「ペースト食」といった種類の介護食もメジャーなものとなっています。さらには、消化しやすい状態を優先して作られている「流動食」もあります。

介護食品の選び方

介護食にはいろいろな種類があります。そのため、どのような選び方をしたらいいのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか。ここでは、介護食品として出回っているものについて、具体的な選び方を紹介します。これから介護食品を選ぼうという段階の人は、ぜひ参考にしてみてください。

介護食品の現状は?

そもそも介護食品は、どのような現状にあるのでしょうか。介護食品に対する需要はどんどん高まっており、介護食品に対する認知度は上昇傾向にあります。そのため、たとえば、レトルト介護食や宅配介護食サービスなども広まりつつあります。介護食の選び方はわかりにくいイメージがありますが、そのわかりにくさを解消するための明確な基準もしっかりと設けられつつある状況です。そのため、今後はさらに介護食品を取り巻く状況がよくなっていく可能性が高いと言えます。

「スマイルケア」食の普及

介護食品の普及にあたっては、「スマイルケア」食の普及も広まっています。「スマイルケア」食とは、農林水産省の取り組みにより始まったものであり、介護食の表示方法の一種です。「スマイルケア」食は、メーカーによって異なる介護食品の分類や表示方法の違いをなくし、わかりにくさを解消することに役立っています。また、介護される人が食べ物を食べるときの悩みに応じた介護食を選べるよう、フローチャートの導入もおこなわれています。これにより、介護食品がさらに選びやすくなっているのです。

購入する場合の参考基準

介護食品を購入するときの参考基準については、「ユニバーサルデザインフード」というものが導入されています。「ユニバーサルデザインフード」は、食べ物の「咀嚼しやすさ」や「飲み込みやすさ」に配慮している食品を表すものです。ユニバーサルデザインフードに該当するものには、ユニバーサルデザインフードであることを表すマークがついており、ひと目で判断する事が可能です。また、その食べ物の固さや飲み込みやすさのレベルも、一定の基準によって判定されて表記されています。これにより、迷わず状態に合う介護食を選べるようになっています。

介護食の種類や分類をきちんと把握しておこう!

介護食の種類や分類をきちんと把握しておこう!

介護食にはさまざまな種類があり、それぞれの分類にはきちんとした根拠や意味があります。介護を受けている人によって食べられる介護食の種類は異なるため、それぞれの違いをきちんと理解しておかないと、介護を受ける人にとって困ったことになりかねません。特に誤った形態の介護食を提供することになれば、深刻な問題になってしまうでしょう。介護食を提供するのであれば、きちんとした知識のもとで食事の提供をおこなわなければなりません。しっかりと介護食の種類を把握しておき、介護食を食べる人にとって安心できる状況を用意できるようにしてください。そのためにも、責任をもって食事を提供する姿勢をもつことが重要です。また、介護を受ける人が食事を楽しめるようにすることも、今後の介護において大切なことです。