介護食の資格で健康な食事をサポート!資格の種類、取得メリット | 資格取得の通信講座・通信教育SARAスクール
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介護食に関する資格で健康をサポート!資格取得のメリットを解説

年齢を重ねたり病気になったりすると、噛む力や飲み込む力が弱まり、食事をとりづらくなってしまうことがあります。介護食とは、食事が困難な状態にある人でも食べやすいように、調理方法などを工夫した料理です。
高齢者の健康を支える介護食は、高齢化が進む日本で需要が伸びています。ここでは、介護食の重要性や介護食に関する資格の種類のほか、資格を取得するメリットについてご紹介します。

介護食は高齢者が食べやすいように工夫された食事

人は年をとるにつれて、徐々に体の機能が衰えていきます。高齢になり、顔周りの筋肉や歯が弱くなると、うまく食事ができなくなってしまいます。
また、加齢に伴い食欲が低下すると栄養不足に陥りやすくなるため、食べやすさと栄養バランスを両立した食事の工夫が必要になります。必要な栄養を摂取しやすいように調理し、高齢者の健康を維持することが介護食の重要な役割です。
介護食を作るには、栄養面はもちろん、形状ややわらかさ、味の濃さ、盛り付けなど、さまざまなことに気を配る必要があります。介護食には、噛みやすさや飲み込みやすさに応じて、次のようなタイプがあります。

きざみ食

きざみ食は、通常の食事を2~3mmに細かく刻み、噛む力が弱い人でも食べやすく調理した食事です。

ソフト食

ソフト食は、よく煮込んだり茹でたりして、歯茎や舌で押しつぶせる程度までやわらかく加工した食事で、軟菜食とも呼ばれます。

ミキサー食

ミキサー食は、食材をミキサーにかけてポタージュのような液状にした食事です。噛む力がなく、飲み込むことが難しい高齢者に向いています。

嚥下(えんげ)食

嚥下食は、食材をミキサーにかけ、ペースト状やゼリー状にして飲み込みやすく加工した食事です。

流動食

流動食は、具無しのスープや重湯、果汁など、消化しやすい液体状の食事です。消化しやすいものの、エネルギー不足や栄養不足に注意が必要です。

介護食の資格が重視される理由

介護食の資格が重視される理由

介護食に関する有資格者は、さまざまなフィールドで活躍することが可能です。重視される理由には、次のようなものが挙げられます。

超高齢社会の到来

内閣府より発表された「高齢社会白書」によれば、2020年10月時点で、日本の総人口に占める65歳以上の高齢者の割合(高齢化率)は28.8%となり、超高齢社会と呼ばれるステージに到達しています。一方で、出生数は年々減少しており、今後も少子高齢化が急速に進んでいくと予測されています。
このような状況にあって、介護業界は常に人手不足に悩まされており、介護食の専門スキルを持つ資格者が多くの介護施設で求められているのです。

高齢者に低栄養が起こりやすいから

高齢者は、一般的に若い頃に比べて食欲が低下するため、食べられる物が限られたり、食べる量が減ったりして、本人も気付かないうちに栄養不足に陥っていることがあります。必要な栄養が不足する低栄養状態になると、体力や筋力、免疫力が低下し、病気や寝たきりのリスクが高まってしまうため、栄養価や食べやすさを考えて介護食を作ることのできる人が、高齢者の周りで求められているのです。

健康に長生きするためには食事が重要だから

最近では、「人生100年時代」といわれていますが、せっかく長生きしても、健康を損なった状態では、老後の生活はきびしくなるでしょう。
そのため、何歳まで自立して健康で生きられるかという、「健康寿命」を延ばすことが、より重要だと考えられるようになりました。健康で長生きするには、栄養バランスの整った食事をとることが非常に大切です。

高齢者の生活の質向上のため

高齢者にとって「うまく食べられない」「食事がおいしくない」という悩みは、精神的なストレスになってしまいます。食事は、単なる栄養摂取だけではなく、おいしく食べることによって精神的な満足感も得られます。3度の食事が毎日の楽しみになれば、高齢者の生活の質(QOL)の向上にもつながると考えられるのです。

介護食に関する資格を取得するメリットとは?

介護食に関する資格を取得すると、日常生活でも仕事でもさまざまなメリットがあります。具体的なメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

噛む力、飲み込む力に合わせた料理が作れる

一口に介護食といっても、食べる人の噛む力や飲み込む力、味の好みなどによって、適した食事内容は異なります。介護食に関する資格を取得して専門知識を身に付ければ、一人ひとりの状態に合わせて、安全で食べやすい料理を作ることができるでしょう。

食べる楽しみを提供できる

多くの人にとって、食事は生活の中での大きな楽しみです。特に、高齢者は若者に比べて行動が制限されることが多く、日常生活における刺激が少なくなりがちです。食べやすくておいしい介護食は、高齢者に毎日の楽しみを提供することができるでしょう。

高齢の家族の健康をサポートできる

介護食に関する資格は、祖父母や両親など、高齢の家族の健康をサポートする上でも役立ちます。健康状態や体の機能に合わせた介護食を作ってあげることで、生活を豊かにすることも可能です。家族の喜ぶ顔は、自身の幸せにもつながるはずです。

介護業界での就職に有利になる

人手不足に悩む介護業界では、介護食の有資格者は即戦力として重宝される傾向があります。介護食に関する資格は、栄養や衛生、高齢者の食事に関する専門知識があるという証明になるため、たとえ業界未経験でも就職時の大きなアピールポイントになります。

介護食に関する資格とは?

介護食に関する資格とは?

介護食に関する資格には、どのような種類があるのでしょうか。ここでは、介護食に関する代表的な資格を紹介します。

介護食士

介護食士は全国調理職業訓練協会が認定する資格で、要介護者向けの食事が提供できる専門知識を学んだ人に与えられます。資格は1~3級まであり、取得条件は級によっても異なりますが、原則として専門学校などの認定施設で、所定の講座を受講する必要があります。

管理栄養士

管理栄養士は、厚生労働大臣の免許を受けた国家資格です。高齢や病気で食事がとりにくい人のほか、健康な人に向けても、専門的な知識で栄養指導や栄養管理を行うことができます。管理栄養士になるには、大学などの養成施設で4年間学ぶなどして栄養士の資格を取得し、その後、国家試験に合格する必要があります。

介護食マイスター

介護食マイスターは日本安全食料料理協会(JSFCA)の認定資格で、通信講座で取得が可能です。資格を取得すると、介護食を食べ始めるタイミングや介護食の種類・作り方のほか、流動食の種類と特徴などについての基本的な知識を有していることの証明になります。

介護食作りインストラクター

介護食作りインストラクターは、日本インストラクター技術協会(JIA)の認定資格で、通信講座で取得できます。介護食の栄養バランスや施設での食事、誤嚥(ごえん)性肺炎など、高齢者に必要な食事の注意点のほか、高齢者の口腔ケアなど、介護食を作るために必要な知識を有していることが証明されます。

介護食に関する資格を活かせるフィールドは?

介護食に関する資格を取得していると、次のようなフィールドで活かすことができます。

高齢者向けの介護施設

資格を活かして、高齢者向けの介護施設で調理師として働くことができます。介護施設では入所者一人ひとりの健康状態に合わせた介護食が求められます。例えば、介護施設などでは、食べやすさや栄養はもちろん、食べさせる側の介護者にも配慮した食事づくりが必要です。

宅食サービスを手掛ける外食業界

最近では、介護食を提供する宅食サービスも増えています。宅食サービスは、買い物や調理が難しい高齢者に多く利用されており、今後も需要が伸びていくと考えられます。身に付けた介護食の知識を、メニュー開発に活かすことも可能です。

食品メーカー

高齢化に伴って介護食市場も拡大傾向にあり、温めるだけで簡単に食べられるレトルト介護食など、多種多様な商品が登場しています。介護食の専門知識があれば、企画や商品開発、マーケティングなどの場面で活躍できるでしょう。

料理教室

介護食を作るには、普段の料理とは異なるコツや知識が必要になります。料理教室の講師として介護食の作り方を教えれば、高齢の家族と同居していて「どんな食事を作ったらいいのかわからない」と悩む人からも喜ばれるはずです。

家庭での介護食づくり

高齢の家族や親族には、いつまでも元気で長生きしてもらいたいものです。資格を活かして作る、食べやすくおいしい介護食は、家族とのコミュニケーションにも一役買ってくれます。

介護食の知識は通信講座で無理なく学ぼう!

高齢者の心身の健康にとって、食事は欠かすことのできないものです。これからますます高齢化が進む中で、介護食の有資格者が求められるシーンはさらに広がっていくでしょう。
介護業界で活躍したいと考えている人や、高齢の家族においしい食事を作りたいという人はもちろん、すでに介護関係の仕事をしている人のキャリアアップにも介護食に関する資格取得がおすすめです。介護食に関する資格は通信講座でも取得可能なものもありますので、興味のある人は挑戦してみてはいかがでしょうか。