食事介助の方法は?目的や注意点と合わせて把握しよう
現在位置
通信教育・通信講座SARAトップ > 食・パティシエ・スイーツの資格取得講座一覧 > 介護食資格取得講座 > 食事介助の方法は?目的や注意点と合わせて把握しよう

食事介助の方法は?目的や注意点と合わせて把握しよう

介護においては、食事介助も重要なものと位置づけられています。食事介助では、具体的にどのようなことをおこなうのでしょうか。食事介助には重要な目的があるため、食事介助をおこなうのはとても大切なことです。さらに、食事介助には注意したい点もあります。

今回は、食事介助の方法について具体的に紹介をします。食事介助の目的や注意点についてもしっかりと説明するので、食事介助についてこの機会に徹底的に把握しましょう。

食事介助の方法は?目的や注意点と合わせて把握しよう

食事介助とは?

食事介助とは、どのようなことを意味しているのでしょうか。食事介助は、基本的にひとりではうまく食事をとることができない人のために介助をおこなうことです。食事介助をおこなうことにより、対象者が食事をきちんと摂取できるようになります。

食事介助の目的

食事介助の目的は、食事をとるために必要な心身の機能が低下している人がスムーズに食事をできるようにすることです。また、誤嚥といった問題が起きるのを避け、安全に食事してもらうことも食事介助の目的のひとつとなっています。つまり、スムーズかつ安全に食事ができるようにサポートすることが、食事介助の目的であると言えます。

食事前の介助準備

食事介助においては、食事前の介助準備がとても重要です。食事前の介助準備とは、具体的にどのようなことなのでしょうか。ここでは、食事前の介助準備について、具体的に詳しく説明します。

食事の前に声をかける

食事前の介助準備に置いては、まずはっきりと声をかけることが大切です。食事の前に睡眠をとっている人もいるので、声をかけることで目を覚ます必要があります。また、声をかけて食事の内容を伝えることにより、食欲を刺激することも大切です。対象者の食事をしようという意欲を引き出すことが求められます。

食事に集中できる環境を作る

食事前は、食事に集中できるような環境を整える作業も必要です。対象者の排泄を済ませることもその一環となります。また、テレビの音を消すことも食事に集中させるためには重要です。

部屋や身の回りをきれいにする

食事をするときは、部屋や身の回りをきれいにすることも重要です。まず、洗面所に行ける人であれば、そこで手を洗うように指導しましょう。自分で洗えない人に対しては、手を拭いてあげて対応します。また、食事をこぼす可能性を考慮し、エプロンや前かけをつける場合もあります。加えて、ベッドで食事をとる場合は、部屋の換気もする必要があるでしょう。

口腔内の清潔を促す

食事の際は、口腔内の清潔も意識する必要があります。だ液の分泌量が減っていると、口腔内に雑菌がたまりやすいです。その状態のままで食事を始めると、たまった雑菌を飲み込んでしまい、危険です。そのため、雑菌を飲み込まないように口腔内を清潔にさせます。具体的には、うがいをさせたり、口腔ケア用のスポンジを使ってケアしたりします。

正しい姿勢にする

食事介助を始めるときは、その前に正しい姿勢にさせることも重要です。足を床につけさせ、上半身を90度に近い角度に起こして顎を引かせましょう。食事を摂るときの姿勢は、食べたものをスムーズに食道へ流すためにも重要です。また、正しい姿勢を意識させることは、誤嚥のリスクを軽減する効果も期待できます。ベッドで食事をする場合は、リクライニングを活用して体を起こしても構いません。その人にとって無理のない範囲で姿勢を整えることを大切にしてください。

水分補給をする

食事を始める際は、事前に水分を摂っておくことも大切です。そのようにして口の中を湿らせておきましょう。口の中が乾いていると、食事をきちんと摂取しにくくなります。必要に応じて、食事中もこまめに水分補給をさせるようにするとよりよいです。

食事中の介助方法のポイント

食事中は、解除の方法としてどのようなポイントがあるのでしょうか。ここでは、食事中の介助方法のポイントについて紹介します。

介助者のポジション

まず、介助者は介護の対象者と同じ目線になるように横に座ることが大切です。高い位置から食事介助を始めてしまうと、誤嚥のリスクが高まるので注意しなければなりません。

食事の提供方法

食事を提供するときは、1回の食事量の目安は介助用スプーンに軽く1杯程度にするのが基本です。介助用スプーンがないときは、ティースプーンで代用できます。スプーンは口の奥まで入れるのではなく、手前に入れるようにしましょう。そして、対象者が口を閉じたらスプーンを抜きます。 なお、食べ物を口に運ぶ前に、次に食べるものを伝えるといいです。基本的には水分が多いものから与えはじめ、胃酸の分泌を促進する必要があります。ただし、主食、副菜、汁物などをバランスよく適宜順番を入れ替えながら少しずつ与えることが大切です。

対象者のペース

食事介助をするときは、対象者のペースに合わせましょう。飲み込み終わるのをしっかり確認したうえで食事を与えていきます。飲み込みを急かすことがないように注意しましょう。ただし、食事にかける時間は長すぎると対象者が疲れてしまいます。そのため、長くても30分を目安にするといいでしょう。

食事介助の注意点

食事介助をするときは、注意が必要な部分もあります。食事介助の注意点としては、どのようなことがあげられるのでしょうか。ここでhs,食事介助の注意点について具体的に説明します。

食事の内容を確認する

食事介助をするときは、対象者の食事の内容を細かく確認することが大切です。たとえば、食事の摂取量が著しく減ったときは、体調不良である可能性が高いです。残った食事や食事にかかった時間などもしっかり記録をとっていくと、その人の食事の嗜好や傾向を理解できます。

必要に応じて服薬介助もおこなう

食事の際は、服薬が必要な人もいます。その場合は、食事介助と合わせて服薬介助までおこなうようにしましょう。

食後の口腔ケアをきちんと実施する

食事をしたら、食後の口腔ケアも重要です。食べ物が口の中に残ったままになっていると、誤嚥や窒息の危険性があるので注意しましょう。歯磨きをして、口の中をゆすぐようにします。また、入れ歯をしている場合は外してきれいに洗浄をおこないます。毎回きちんと口腔ケアをおこなうことは、口内炎などのトラブルを防止する効果ももっています。

介護における食事介助について理解しておこう

介護における食事介助について理解しておこう

介護においては、食事介助も重要な位置づけになっています。食事介助をするときは、対象者の状況に合わせてしっかりとサポートをおこなうようにしましょう。食事介助では、食事を始める前の段階からしっかりと手助けする必要があります。食事をするための環境を整備し、スムーズに食事の摂取を始められるようにしなければなりません。食事介助は、対象者にとっては食事をとるためになくてはならないものです。介護を受けている人はときに乱暴な態度をとることもあるでしょう。しかしながら、介護をおこなう際はそういった態度も受け入れる寛容な心をもつことが求められます。最初からすべてをスムーズにこなせるわけではないので、少しずつ食事介助のスキルを上達させていけば問題はありません。介護における食事介助についてまずは理解を深めたうえで、自分自身のスキルとし身につけられるようにしましょう。