流動食とはどのようなもの?条件や作り方をレクチャー!
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流動食とはどのようなもの?条件や作り方をレクチャー!

普通の食事を摂取するのが難しい人のための栄養補給の方法として、流動食があります。流動食は、一般的にも広く知られているでしょう。ただし、流動食についてはイメージが先行している部分もあり、実際の具体的な条件などはあまり知られていません。とはいえ、実際に流動食を扱うなら、しっかりと条件を理解しておく必要があります。

今回は、流動食の条件や実際の作り方について紹介します。流動食のことが実はよくわからないという人は、この機会にしっかりと確認しておきましょう。

流動食とはどのようなもの?条件や作り方をレクチャー!

流動食とは?

流動食とは、どういった食事のことを意味しているのでしょうか。「流動食」という言葉は、比較的一般的にも浸透しています。とはいえ、具体的な流動食の条件を詳しく知っている人はそれほど多くはありません。流動食を実際に提供する場合は、流動食の定義や条件についてもしっかりと把握しておいたほうが安心です。ここでは、流動食の基本的な概要について説明します。

流動食のあらまし

流動食とは、固形物を除去した食事のことを意味します。そのため、完全に液体状です。まったく噛まずに摂取することができるのが流動食の大きな特徴だと言えるでしょう。介護が必要な状態や病状などによって食事を噛んで食べる事ができない場合、流動食はその人の生命を維持するために重要な栄養源として活用されます。

流動食の条件

具体的な流動食の条件としては、いくつかのことをあげることが可能です。流動食としては、まず噛まずに摂取できるという点が大きなポイントとなります。加えて、液体状であることから消化がよいということも条件となります。さらに、あまり知られていませんが、流動食は刺激が少ないというのも重要な条件のひとつです。そして、流動食は味が淡白かつ口当たりがいいです。流動食はこのようにさまざまな条件を備えている必要があります。簡単に「流動食」と表現することも多いですが、実際はさまざまな配慮をしなければ流動食を作ることはできません。そのことをしっかりと頭に入れておきましょう。

流動食が向いている人

流動食が向いている人としては、どのような人があげられるのでしょうか。流動食が向いているのは、基本的に咀嚼や嚥下障害がある人です。ただし、腸は機能していることが前提となります。このような状態の人であれば、流動食を摂取することにより、体にとって必要な最低限の栄養を取り入れることができます。流動食を提供する場合は、流動食を取り入れることができる状態であるかをきちんと確認することが必要不可欠です。

流動食の種類

ひとくちに流動食とまとめることが多いですが、実際には流動食にはいくつか種類があります。そのため、流動食の提供をおこなうなら、流動食の種類についてもそれぞれきちんと理解しておく必要があります。ここでは、流動食の基本的な種類について説明します。流動食の種類を把握していない人は、ここでそれぞれについてしっかりと確認してください。

普通流動食

流動食の種類としては、まず「普通流動食」があります。普通流動食は、主に固形物の咀嚼ができない人が摂取するものです。たとえば、手術をしてすぐの時期や何らかの理由により絶食が続いていた後などに摂取します。一時的に摂取するものとして利用されることも珍しくありません。そのため、普段介護を必要としているわけではない人でも、一時的に摂取する可能性が最も高い流動食であると言えるでしょう。

濃厚流動食

流動食には、「濃厚流動食」とよばれるものもあります。これは、少量で高いカロリーを摂取できるタイプの流動食です。濃厚流動食は栄養バランスが整っており、流動食だけでしっかりとした食事として活用できます。

特殊流動食

流動食としては、「特殊流動食」という種類のものもあります。特殊流動食は、主に疾病に対応させてつくる流動食です。そのため、状況によって内容が変化します。たとえば、腎臓病の人に対しては、低たんぱく質食を用意します。また、膵炎の人であれば、低脂肪食にする必要があるでしょう。さらに、循環器疾患を抱える人であれば、ナトリウム制限食を用意します。それぞれの症状をしっかりと理解したうえで、適切な内容の特殊流動食を用意しなければなりません。特殊流動食の内容や提供する相手を間違うと、最悪の場合に命に関わる問題に発展することもあり、とても危険です。特殊流動食を提供する場合は、その責任の重さをしっかりと理解しておく必要があります。

流動食の作り方とポイント

流動食を作る場合、どのように作ればいいのでしょうか。また、どうすれば適切に流動食を作ることができるのかについても気になりますよね。ここでは、流動食の作り方とそのポイントについて解説します。流動食を作る場合の参考にしてください。

主食

流動食の主食は、基本的にお粥の上澄み液の「重湯」とします。基本をしっかりと抑えて適切に提供できるようにしましょう。

栄養の補完

流動食を提供するときは、栄養をきちんと補完できるようにすることが大切です。重湯だけでは、体に必要な栄養をすべて取り入れることはできません。エネルギーやたんぱく質を補うことを考えて、必要な食材を加えるようにしましょう。たとえば、卵黄を加えたり、牛乳などの乳製品を加えたりすると、栄養のバランスを良くすることが可能になります。ただし、流動食の種類や状況によっても栄養の補完の仕方は変化します。

たんぱく質量を増やすには?

流動食に対してさらにタンパク質を追加するときは、白身魚や豆腐などを加える場合もあります。これについても、実際の状況に合わせて検討してください。

流動食を調理するときの注意点

流動食を作るときは、注意点もあります。流動食を作るときの注意点について説明するので、しっかりと理解しておきましょう。

1食当たりのカロリーが低い

流動食は、1食当りのカロリーが低いという問題があります。そのため、3食にプラスしておやつなどを取り入れ、複数回でエネルギーをしっかり補うようにしましょう。基礎代謝の1200kcalを上回ることを意識し、必要に応じて濃厚流動食も用いると効果的です。

誤嚥を防止する

流動食は摂取しやすいですが、場合によっては誤嚥に結びつく可能性もあります。そのため、皮や粒が残らないように注意しましょう。作った流動食をしっかり濾したり、とろみをつけたりするといいです。

低栄養を防止する

流動食は低栄養になりやすいという点にも注意が必要です。特に家庭で作るとなると、低栄養になりがちです。必要に応じて濃厚流動食を活用しましょう。ただし、市販の濃厚流動食を使うときは、開封したら飲み切るようにしてください。

流動食について理解して提供しよう

流動食について理解して提供しよう

流動食にはいくつかの種類があり、状況に応じて用意することが大切です。流動食は食事を自分で摂取するのが難しい人のためのものですが、一律に用意すればそれで事足りるようなものではありません。流動食をしっかり活用するためには、個々の状況にきちんと合わせた内容を意識する事が重要です。流動食の提供には様々な知識が求められます。だからこそ、きちんと知識を身につけた上で流動食を提供できる人材は貴重です。そういった人材になれるよう、流動食について学びを深めていくといいでしょう。