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「アクアポニックス」とは?仕組みやメリットについて紹介

「アクアポニックス」という手法を聞いたことがありますか。アクアポニックスは、画期的な農業の手法として注目を集めています。もともと商業向けに開発されましたが、少しずつ家庭でも利用される動きが出てきています。アクアポニックスにはさまざまなメリットがあるため、効率的に植物を育てるのに役立ちます。

今回は、アクアポニックスの仕組みやメリットについて紹介します。アクアポニックスについて興味がある人は、ぜひ参考にしてみてください。

「アクアポニックス」とは?仕組みやメリットについて紹介

「アクアポニックス」とは?

そもそも「アクアポニックス」とは、どのようなものなのでしょうか。何となく知っているという人でも、具体的な説明をするのが難しいと感じている人もいるはずです。ここでは、アクアポニックスがどのようなものであるかについて詳しく説明します。アクアポニックスのことをまったく知らない人にも理解できるように説明するので、まずは概要をしっかりと理解するようにしましょう。

概要

アクアポニックスとは、水産養殖(アクアカルチャー)と水耕栽培(ハイドロポニックス)と掛け合わせた農法のことを表しています。水産養殖(アクアカルチャー)とは、簡単にまとめると魚を養殖することです。また、水耕栽培(ハイドロポニックス)は、土を使わず水の力で植物を育てる栽培方法を意味します。これらを掛け合わせることでさまざまなメリットがあるため、新しい手法として生み出されました。

成り立ち

アクアポニックスは、どのような経緯によって生まれたのでしょうか。アクアポニックスは画期的なアイディアのように見えますよね。そのため、最近になって生まれたまったく新しい手法だとイメージしている人も多いのではないでしょうか。しかしながら、実際のところ、アクアポニックスのルーツは約1000年前にもさかのぼるといわれています。それほど昔から着目されていた手法だったのです。確かに、考えてみれば、自然の作用を上手く活用した手法ですから、古い時代に注目されていても当然なのかもしれません。ただし、現在のようにアクアポニックスとして考え方がしっかりと確立されたのは、最近になってからです。具体的には、1980年代に商業用システムが登場したことで、アクアポニックスは世間に知られるようになりました。

家庭用も増えている!

商業用のシステムとして生み出されたアクアポニックスですが、最近では家庭用としても普及し始めています。アクアポニックスなら、完全に自然の力だけで植物をしっかりと育てることが可能です。そのため、アクアポニックスは、もっとも地球にやさしく、生産性が高い農業の手法として世界中で注目を集めています。

アクアポニックスの仕組み

では、アクアポニックスは具体的にどのような仕組みになっているのでしょうか。基本的には、魚、微生物、植物の3者が、相互に関係しあう生態系の縮図をイメージしています。そのため、仕組みとしてはとてもシンプルなものです。まず、魚がアンモニアを輩出しますが、それを微生物が硝酸塩に分解します。そして、その硝酸塩を植物が吸収することで成長するのです。そして、きれいになった水は水槽に戻っているので、魚が再びきれいな環境で過ごすことができます。それぞれが不要な物と必要な物を交換し合うことにより、一切無駄のない仕組みが成り立っています。アクアポニックスなら、このように理想的な関係性の中で植物を育てることが可能です。

アクアポニックスのメリット

アクアポニックスには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。アクアポニックスには、すでに触れているようにさまざまなメリットがあるといわれています。ここでは、アクアポニックスのメリットについて、改めて重要な点についてまとめておきましょう。

手間がかからない

アクアポニックスで植物を育てれば、手間がかかりません。一般的に植物を育てるとなると、土づくりから始め、水やりや施肥、除草などをおこなう必要があります。さらに、魚を育てる場合も水の入れ替えを定期的におこなわなければなりません。少しそういった作業を怠ると、植物や魚は病気になったり弱ったりする可能性があります。しかしながら、アクアポニックスであれば、そういったリスクはありません。手間をかけなくても、一度仕組みを構築してしまえば、後は自動的に植物、微生物、魚が関係しあって、適切な環境を整備し続けることができます。手間がかからないので、簡単に多くの植物の栽培をおこなうことができるでしょう。

生産性が高い

アクアポニックスは生産性が高いです。それぞれの植物、微生物、魚が関係しあうことにより、無駄なものが一切生まれなくなります。魚も植物も一緒に育っていくことが可能です。人が手をかける必要もないので、非常に少ないコストで効率的に植物や魚を育てることができます。

土耕栽培に比べて節水になる

アクアポニックスは、節水にも効果的です。具体的には、土耕栽培に比べておよそ90%もの水を節約できるといわれています。アクアポニックスでは、一度使用した水もきれいにして循環させるため、水を入れ替える必要がありません。特に水が貴重な地域であれば、これはとても便利なことです。少ない水でも同じ量の植物を育てることができれば、とても経済的だといえるでしょう。

完全オーガニック

アクアポニックスは、完全に自然界の仕組みのみを利用した手法です。そのため、完全オーガニックで植物を育てることができます。微生物の働きによって循環が起きるので、余計なものを足す必要がありません。

アクアポニックスに向いている植物・向いていない植物

アクアポニックスをおこなう場合、どのような植物を選べばいいのでしょうか。アクアポニックスに向いている植物と向いていない植物について、ここではそれぞれ確認しましょう。

向いている植物

アクアポニックスに向いている植物としては、水耕栽培やハイドロカルチャーに適した植物がそのまま当てはまります。たとえば、葉物野菜やハーブなどは、アクアポニックスにとても向いています。さらに、スプラウト類もアクアポニックスで育てやすい野菜の代表格です。

向いていない植物

アクアポニックスに向いていない植物としては、低水温で育つ野菜や植物があげられます。水槽でヒーターを使用することになるので、ある程度の温かさに耐えられる植物でなければなりません。

アクアポニックスの仕組みを理解して取り組んでみよう

アクアポニックスの仕組みを理解して取り組んでみよう

アクアポニックスには、さまざまなメリットがあります。無駄がなく、効率的に植物を育てられるので、とても便利な手法です。自然界の仕組みを上手く利用することにより、人にとって手間がかからないというのはとても素晴らしいことだといえるでしょう。もちろん、アクアポニックスですべての植物を育てられるわけではありません。しかしながら、育てられる植物をしっかり選べば、アクアポニックスで効率的に植物を育てることができるでしょう。アクアポニックスは商業用のものとして利用され始めましたが、家庭向けにも少しずつ広まっています。自宅で植物を育てたいと思うなら、思い切ってアクアポニックスを取り入れてみてはいかがでしょうか。そうすれば、手間をかけずに元気な植物を育て上げることが可能になります。