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石鹸のPHは肌にどう影響する?押さえておきたいポイントを解説!

石鹸の性質については、「PH」という指標が表示されています。このPHとは、具体的にどのようなことを表しているのでしょうか。PHは石鹸の性質を示す重要なものです。肌への影響を示すものでもあるので、きちんと確認することが大切だといえます。

今回は石鹸のPHについて説明したうえで、それが肌へどのような影響を与えるのかについて解説します。石鹸による肌への影響が知りたいという方にとっては必ず押さえておきたい内容なので、しっかり確認しましょう。

石鹸のPHは肌にどう影響する?押さえておきたいポイントを解説!

「PH」とは?

「PH」とは、何を示すものなのでしょうか。PHは、「ペーハー」と読みます。石鹸が肌に与える影響について理解するうえでは、PHについて基本的なところをきちんと理解しておくことが重要です。一言でまとめると、PHは水溶液の性質の違いを表すものです。ここではPHが具体的にはどのようなことを表しているのかについて説明します。

酸性・中性・アルカリ性の3つ

PHはすでに触れたように、水溶性の性質の違いについて表すことできる数値です。具体的には、酸性、中世、アルカリ性の3つについて測定することができます。酸性とアルカリ性はそれぞれ反対の性質であり、その中間に位置するのが中性です。数値によって計測することで、酸性、中性、アルカリ性の違いを明確に表すことができます。

酸性・アルカリ性の度合いを表すのがPH値

PHについて測定すると、明確に数値を出すことができます。基本的に、PH値が3未満であれば、その水溶液の性質は酸性ということになります。また、PH値が6~8であれば、中性です。さらに、PH値が11を超えるとアルカリ性であることが分かります。なお、酸性と中性の間であるPH値3~6未満は弱酸性、中性とアルカリ性の間であるPH値8~11未満は弱アルカリ性とよばれています。

石鹸のPH

では、石鹸のPHはどのようになっているのでしょうか。ここでは、石鹸のPHの状態について紹介するので、しっかり確認しましょう。

石鹸として作られたものはアルカリ性

石鹸のPHは基本的に9~11程度です。そのため、石鹸の性質は弱アルカリ性からアルカリ性だと判断できます。これは、石鹸の原料として苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)や苛性カリ(水酸化カリウム)などの強アルカリの成分を使用しているためです。

弱酸性の洗浄剤は「石鹸」ではない

石鹸はアルカリ性であるのが基本です。なかには、弱酸性の洗浄剤が売られていることもありますが、本来はそういったものは「石鹸」と定義することができません。弱酸性の洗浄剤は石鹸ではなく、製造方法は石鹸とはまったく異なっています。弱酸性の洗浄剤を使用する際は、その点をきちんと理解したうえで使用したほうがよいでしょう。

アルカリ性の石鹸が肌に与える影響

石鹸の性質は、基本的にアルカリ性であることを確認しました。一方、人の肌のpH値は4.5~6くらいなので弱酸性です。アルカリ性の石鹸を肌に使用すると、肌にはどのような影響が及ぶのでしょうか。性質の異なる成分を肌につけることで問題が起こるのではないかと心配になる人もいるはずです。ここでは、アルカリ性の石鹸が肌に与える影響について確認してみましょう。

肌にアルカリ性が触れても問題はないって本当?

人の肌は、安定した状態では弱酸性です。とはいえ、人の肌はアルカリ性の成分に触れても問題が起きることは基本的にありません。たとえば、温泉の成分はアルカリ性や弱アルカリ性であることが多いです。大半の人は温泉につかって肌に問題が起きることは少ないはずです。そういったことからも分かるとおり、アルカリ性の成分は人の肌に悪い影響を与えるわけではありません。よって、アルカリ性の石鹸は肌に使用しても基本的には大丈夫です。

アルカリ性の成分による肌への影響

では、アルカリ性の成分は、人の肌へ具体的にどのような影響をもたらすのでしょうか。たとえば、PHの状態が肌から離れたアルカリ性の石鹸を使えば、皮脂汚れや角質をしっかり短時間で落とすことができます。洗浄剤を肌に乗せる時間が少なくて済むので、刺激も最小限に抑えられます。また、アルカリ性の洗浄剤を使用していると、肌の上では肌を守るための常在菌が活発に働くようになります。そのため、アルカリ性の石鹸を使うことは、肌本来の力を引き出すことにもつながるのです。

洗浄後の皮膚の表面はアルカリ性

アルカリ性の石鹸で洗ったばかりの皮膚は、表面がアルカリ性の状態になっています。とはいえ、洗浄してから時間が経過すると、自然に酸性のほうに戻っていきます。そのため、アルカリ性の洗浄剤を何度も使用することで、肌本来の状態が変化してしまうようなことはありません。そのため、心配せずにアルカリ性の石鹸を使って洗浄することができます。ただし、繰り返して洗浄しすぎている皮膚であれば、酸性に戻るのに時間がかかってしまうケースもあります。肌の状態を健やかに保つためには、石鹸による洗い過ぎは避けたほうがよいでしょう。何度も洗うのは避け、肌への刺激を最小限にとどめることが大切です。

酸性に戻るときに雑菌が繁殖する恐れも

アルカリ性の石鹸で洗ったあとは、少しずつ段階的にPHが酸性方向へ戻っていきます。そのなかでは、弱アルカリ性であるPH値6~8前後を通過しますが、この数値において皮膚の表面の雑菌が繁殖しやすくなるため注意が必要です。アルカリ性の石鹸などを使用すること自体は肌にとって大きな問題はないですが、洗ったあとの状態には気を付けたほうがよいでしょう。具体的には、皮膚の洗浄後には酸性のケア用品を使い、お手入れをきちんとすることが大切です。そうすることで、弱アルカリ性の状態をなるべく速く通過し、酸性に戻す必要があります。皮膚が弱アルカリ性の状態でいる時間を減らすことで、肌の負担も軽減することにつながります。

石鹸を使うときはPH値を意識しよう!

石鹸を使うときはPH値を意識しよう!

石鹸を使用するうえでは、PHという指標はとても重要です。PHについては、石鹸に限らずさまざまな洗剤の成分表示にも記載されています。PHについてきちんと理解しておけば、それぞれの洗剤を選ぶときにも働きについてしっかり理解しやすくなるでしょう。石鹸は基本的にアルカリ性ですが、今回説明したように弱酸性の肌に使用しても問題が起きることはほとんどありません。むしろ、アルカリ性だからこその効果を期待できるため、正しい頻度できちんと石鹸で洗浄するのは大切なことだといえます。肌に近い成分だからといって肌によいとは限らないので、きちんとした知識をもって判断しなければなりません。

ただし、弱アルカリ性の状態は肌にとって負担がかかるので、石鹸で肌を洗ったあとは酸性の性質をもつケア用品を使用することで速く肌の状態をもとに戻せるようにしましょう。そのためには、肌のケア用品の成分についてもしっかり確認する必要があります。普段はなんとなく選んでいるケア用品も性質の特徴や影響を理解することにより、より肌にとって効果的なものを選べます。もちろん、洗浄剤やケア用品はいずれも肌に直接触れるので、合うか合わないかといった個人差もあるのは事実です。実際には成分を見ながら試してみて、自分に合うものを探していくことが大切だといえます。まずは石鹸のPHについてきちんと理解し、正しい使い方ができるようにしましょう。