石鹸の界面活性剤と合成洗剤との違いについて| 通信教育・通信講座のSARAスクールジャパン資格講座
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石鹸と合成洗剤の違いは?界面活性剤の意味とともに理解しよう

石鹸と合成洗剤にはどのような違いがあるのでしょうか。どちらも何かを洗うものという点は同じですが、両者には成分の面で大きな違いがあります。どちらにもメリットはありますが、特に体に触れる場合は安心で安全な方を選びたいと考える人が多いですよね。そのためには、両者の違いについてしっかりと理解する必要があります。

今回は、石鹸と合成洗剤の違いについて説明します。これらの違いを理解するには界面活性剤についても理解する必要があるので、合わせて紹介します。

石鹸と合成洗剤の違いは?界面活性剤の意味とともに理解しよう

石鹸と界面活性剤の関係性

石鹸と界面活性剤には、どのような関係性があるのでしょうか。どちらも何かを洗うであるというイメージがありますが、具体的な関係性を説明できる人はそう多くはないはずです。ここでは、石鹸と界面活性剤の関係性について基本的なところを説明します。

石鹸も界面活性剤の一種

石鹸と界面活性剤は、別々のものだと思っている人もいるかもしれません。しかし、実は石鹸も界面活性剤の一種です。どういうことかというと、界面活性剤の歴史の中で一番古いのが石鹸だと言われています。そのため、石鹸と界面活性剤は密接な関係があるのです。

界面活性剤がないと体や髪を洗うことはできない

界面活性剤には何となく悪いイメージをもっているかもしれませんが、決してすべてが悪いわけではありません。実際、無添加石鹸にも界面活性剤は含まれています。界面活性剤は体や髪を洗うためには必要不可欠なものです。

界面活性剤とは?

では、界面活性剤とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。石鹸との関係性を正しく理解するためには、界面活性剤の性質についてきちんと理解する必要があります。ここでは、界面活性剤とはどのようなものであるかについて説明します。界面活性剤はどのようなものなのかについて、しっかり理解できるようにしましょう。

「親水性」と「親油性」を併せ持つ

界面活性剤は、本来は溶け合わない水と油を溶け合わせる性質をもっている物質を表しています。つまり、親水性と親油性をもっているということです。その働きを利用することにより、油分を含んでいる汚れをしっかり落とすことができます。

界面活性剤にはデメリットもある

界面活性剤は、その性質によりデメリットももっています。それは何かというと、肌や髪へ負担をかけることです。界面活性剤はその性質から、水で流すだけでは落としにくい油分をしっかり落とすことができます。汚れに対して作用するのは素晴らしいですが、その力が強すぎると肌や髪への負担となることもあるのです。肌や髪には一定の油分が必要であり、界面活性剤によって必要な油分まで落としてしまうことになると、乾燥しやすくなってしまいます。

界面活性剤はさまざまな用途に利用されている

界面活性剤は、汚れを落とすための洗剤以外にもさまざまなところに使用されています。具体的には、乳化、分散、帯電防止、殺菌などの用途に利用されています。たとえば、乳液やクリーム、食品に使用される乳化剤にも使用されています。普段はあまり気が付くこともありませんが、実は生活の中ではさまざまなところで界面活性剤が幅広く利用されているのです。

石鹸と合成洗剤の違い

界面活性剤は石鹸にも使用されていることが分かりました。では、石鹸と合成洗剤にはどのような違いがあるのでしょうか。これらは別のものですが、どちらも界面活性剤が使用されている点は同じです。両者の違いについて結論をいうと、それは合成であるかどうかの違いということになります。といっても、それだけでは具体的な違いがよく分からないという人もいるはずです。そこでここでは、石鹸と合成洗剤の違いについて確認しましょう。

石鹸

石鹸は、手作りすることができる洗浄剤です。動植物の油脂をアルカリで煮て作られており、シンプルな手法によって成り立っています。より洗浄力を高めたい洗濯用の石鹸などには炭酸ナトリウムが追加されることもあります。天然の素材をそのまま使っているので、安全性も高いです。手作りする場合、廃油などをリサイクルすることもできるので、エコな洗浄剤だといえるでしょう。

合成洗剤

合成洗剤は、主に石油成分から作られています。高い温度や圧力をかけて作られるため、手作りすることはできません。また、合成することにより科学的な構造も複雑になっています。それにより、排水後に自然界で分解されにくく、微生物にも悪影響を与える可能性が高いと言われています。とはいえ、高い洗浄力を効率よく実現することができるため、さまざまなところで合成洗剤は使用されています。

石鹸と合成洗剤の見分け方

石鹸も合成洗剤も、洗浄剤であるという点は同じです。店頭でも特別な区別はなく並べられています。そのため、きちんと理解していないと石鹸と合成洗剤を正しく見分けるのは難しい場合もあります。とはいえ、石鹸と合成洗剤の違いは、成分を見ればよく分かります。特に店舗で売られているような商品であれば成分表示が違うので、あらかじめそれぞれの成分の違いを知っておけば、見分けるのは簡単になります。ここでは、石鹸と合成洗剤の成分の違いについて押さえておきましょう。

石鹸

石鹸には、ほぼ必ず石鹸という文字が記載されています。また、成分表示には「石けん素地」や「カリ石ケン素地」といった成分が載っています。さらに、純石けん分〇%といった表記がある場合もあります。これらに当てはまるものは石鹸なので、安心して選ぶことができるでしょう。

合成洗剤

合成洗剤には、石鹸という文字は記載されていません。「安心」や「安全」がうたわれている商品であっても、石鹸という表記が見当たらなければ合成洗剤である可能性がかなり高いです。合成洗剤の場合は界面活性剤〇%といった表記しかありません。ポイントを理解して見分けるようにしましょう。

石鹸と合成洗剤には大きな違いがある!

石鹸と合成洗剤には大きな違いがある!

石鹸と合成洗剤には、決定的な大きな違いがあります。どちらも界面活性剤ですが、成分を見てみるとその違いは一目瞭然です。石鹸は天然の素材を使用するのが基本で、安全性も高いといえます。廃油をリサイクルして作ることもできるので、自然環境へも配慮できます。合成洗剤のように無理に化学的な構造を変化させているわけではないため、信頼度は高いといえるでしょう。石鹸はさまざまな油を原料として作ることができるので、いろいろな石鹸を手作りして比較してみるのも楽しいでしょう。自分に合った石鹸を見つけることができれば、環境だけでなく身体にも配慮することができます。

合成洗剤は専用の機械によって力をかけて作っているため、洗浄力などの機能性はとても高いです。そのため、汚れの具合などによってはどうしても合成洗剤が必要になることもあるでしょう。よって、絶対に合成洗剤を使用してはいけないということはありません。しかし、より安全に安心して洗浄剤を使いたいと考えるのであれば、できるだけ天然素材を使ったものを選んだほうがよいといえるでしょう。もしくは、用途に合わせて上手く使い分けをおこなうのが大切です。そうすれば、きちんと汚れを落としつつ無理なく洗浄剤と付き合っていくことができます。自分に合う洗浄剤を選び、毎日の生活の中で使っていきましょう。