マクロビオティックの陰陽調和の意味と陰陽表の見方 | 通信教育・通信講座のSARAスクール資格講座
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マクロビオティックの陰陽って?「陰陽表」の見方とともに理解しよう

マクロビオティックにはいくつか重要な考え方がありますが、その中でも大切なポイントとなるのが「陰陽」の考え方です。これは中国で発展した考え方であり、マクロビオティックを確立した桜沢如一氏によって取り入れられました。

マクロビオティックに取り入れられている陰陽とは、どういったものなのでしょうか。陰陽を把握するために必要な「陰陽表」とともにその内容について理解しましょう。今回は、マクロビオティックにおける陰陽の考え方について説明します。

マクロビオティックの陰陽って?「陰陽表」の見方とともに理解しよう

マクロビオティックの「陰陽論」とは

マクロビオティックの陰陽って?「陰陽表」の見方とともに理解しよう

マクロビオティックには、陰陽論という考え方が採用されています。この考え方では、物事には必ず「陰」と「陽」があるとされています。これらを一言で表すと、「陰」は外側に向かって広がっていくエネルギー、「陽」は内側に向かって収縮しているエネルギーということです。1つ1つの食材には、陰または陽の性質があり、その両方を同じようにもっている食材は「中庸」といわれます。マクロビオティックではこの考え方に基づき、陰陽のバランスがとれた食事をすることを重要視しています。陰の食材は体を冷やし、陽の食べ物は体を温めるともいわれています。

陰陽バランスを変化させる要因

基本的な陰陽バランスは食材によって決まっていますが、場合によってはそれが変化する場合もあります。これを見落とすと、陰陽バランスに気を使っていても、実際にはきちんとしたバランスを保つことができない可能性もあります。陰陽バランスが変化するポイントについてみてみましょう。

産地

同じ種類の野菜であっても、陰陽バランスは産地によって変わる可能性があります。それは、産地によって栽培方法が異なるというのが主な理由です。有機栽培なのか、気候はどうかといった違いによっては、標準値の陰陽と大きな差が出る可能性があります。食材の陰陽を判断する際は、大きさなど見た目の様子をしっかり確認した上で見極めを行う必要があります。

調理法

陰陽バランスは、調理方法によっても変化することがあります。たとえば、食材を長時間ゆっくり煮込むと陽性になりやすくなります。反対に、生のままでは陰の性質が強くなります。さらに、野菜は細かく刻むと陽性に近づくとされています。使用したい食材の陰陽のバランスの偏りが気になるときは、こういった調理方法を工夫することで食材を増やしたり減らしたりすることなく、バランスを保つことができるようになります。

味付け

陰陽のバランスを考える上では、味付けも重要です。たとえば、味を濃くすることで、料理全体を陽性に近づけることができます。反対に、酸っぱい味付けや辛い味付けは、陰性となります。冬などにより体を温めたいという場合は少し味を濃くし、逆に夏など体を冷たくしたいときは酸味や辛味を意識した味付けをするとよいでしょう。

マクロビオティックの「陰陽表」とは

マクロビオティックでは、食材ごとに陰陽が異なります。これを把握するためには、「陰陽表」を使用するのが便利です。

*「陰陽表」の成り立ち

マクロビオティックにおいては、それぞれの食材の特色を一覧にまとめた「陰陽表」が作られています。これは、それぞれの食材について標準となる陰陽の判断を行うことで分類されています。食材の陰陽を決めるポイントとしては、主に以下の項目があげられます。

【食材の陰陽の判断基準】

・植物性か、動物性か ・体を冷やすか、温めるか ・味 ・大きさ・かたさ・色 ・育ち方(季節、気候、肥料)

*陰陽表による分類

陰陽表をみると、さまざまな食材の陰陽について把握することができます。たとえば、野菜の中でもトマトやジャガイモ、ナスは、とくに極陰よりの食材として分類されています。反対に、ニンジンやゴボウは中庸に近い陽性です。また、キャベツやネギは陰性に近い中庸の食材として分類されています。ただし、これらの分類はあくまでも目安です。すでに説明したとおり、この陰陽のバランスは、実際のさまざまな要因によって大きく変化します。そのため、料理を作るときは、個々の食材に関する環境を理解した上で、陰陽を判断しなければなりません。主要な食材について陰陽表から抜粋すると、以下のようになります。

【陰性の食材】

・極陰より:トマト、ジャガイモ、ナス、ピーマン、モヤシ、バナナ、パイナップ、ピーナッツ、アーモンド、ハチミツ、白砂糖、コーヒー、ブランデー ・中庸より:大豆、長芋、スイカ、モモ、オリーブオイル、黒砂糖、みりん、抹茶、紅茶

【中庸の食材】

・陰性より:トウモロコシ、納豆、白ゴマ、レタス、ネギ、キャベツ ・中庸:玄米、油揚げ、高野豆腐、小豆、ワカメ、昆布、小松菜、白菜、大根、かぶ、ほうじ茶、よもぎ茶 ・陽性より:大麦、そば、もずく、玉ネギ、れんこん、イカ、タコ

【陽性の食材】

・中庸より:ニンジン、ゴボウ、ヒラメ、カレイ、鶏肉、牛肉、たんぽぽコーヒー ・極陽より:タイ、サケ、みそ、梅干し、しょうゆ ・極陽:ハム、ベーコン、ソーセージ、精製塩

1つの食材の中に存在する陰陽とは

陰陽表からも分かるように、食材にはそれぞれ一定の陰陽があるとされています。しかし、1つの食材を詳しくみてみると、その中にも部分ごとに異なった陰陽が存在しています。たとえば、ダイコンを例にあげて考えてみましょう。ダイコンの陰陽は中庸だとされています。しかし、ダイコンの葉の部分だけをみると、陰性となっています。そして、根にあたる、いわばダイコンのメインの部分は陽性です。 これは、陰陽の判断のしかたが植物の伸びる方向によって決められていることが大きな要因となっています。陰陽を判断するときは、上に伸びるものは陰性、下に向かって伸びるものは陽性とされます。つまり、ダイコンの葉は上に向かって伸びるので陰性、根の部分は陽性となっているのです。 このように、1つの食材も詳しく見ていくと、陰陽が分かれている場合があります。ダイコンは、食材の全てを食べることで、「中庸」のバランスを取ることができます。マクロビオティックが食材を丸ごと全て食べるべきとしているのは、こういった点を考慮してのことでしょう。食材を食べるときは、マクロビオティックの原則に則って食材の全てを食べるようにすることが重要です。どうしても葉だけもしくは根だけを食べることになる場合は、ほかの野菜などを組み合わせることでバランスを上手く保つようにしなければなりません。

陰陽表を活用してより正確なマクロビオティックの実現を

陰陽表を活用してより正確なマクロビオティックの実現を

マクロビオティックの考え方に基づいた食事を始めるなら、陰陽表を活用するととても便利です。陰陽表に当てはめながら料理に使用する食材を考えていけば、陰陽のバランスがとれた食事作りがグッとしやすくなります。陰陽表を見ながら食材を選んでいるうちに、陰陽表を見なくても食材と陰陽の関係を覚えられるようになるはずです。
今回説明したとおり、実際に使用する食材の陰陽は必ずしも陰陽表のとおりになっているとは限りません。実際の食材の様子から、陰陽を判断する必要があります。慣れるまでは難しいと感じるかもしれませんが、実際に作った料理を食べながら少しずつ感覚を掴んでいけばOKです。陰陽表を活用して、より正しいマクロビオティックの食事法を実践していきましょう。

マクロビオティックの概要

マクロビでは調味料も重要!陰陽調和や調味料の選び方

マクロビオティックは、自然の流れに従って食材を選ぶことで健康的な食生活を送ることができるという考え方がされています。具体的な考え方としては、以下の2つがあります。これらはマクロビオティックの基本なので、必ず覚えておきましょう。

2つの重要な原則

マクロビオティックには、2大原則と呼ばれる考え方があります。それは、以下の2つです。それぞれの原則は、マクロビオティックの食事によって健康を維持するために、重要な意味をもっています。

【マクロビオティックの2大原則】

1. 身土不二……暮らしている土地の旬の食材を食べること 2. 一物全体……1つの食材を残さず丸ごと食べること

陰陽論

マクロビオティックでは陰陽論が取り入れられており、陰陽のバランスを保つことが重要視されています。全ての食材には陰陽があり、これらは調理法によってもバランスが変化するとされています。そのため、調理を行う際は、もともとの食材の陰陽に気を使いながら味付けや調理のしかたを考えなければなりません。そうしなければ、想像以上に陰陽のバランスが崩れてしまうことも十分にあり得ます。

マクロビで使用する調味料選びのポイント

マクロビオティックの食事を用意する際は、その調味料選びが非常に重要です。ポイントをおさえ、陰陽のバランスが整ったマクロビオティック料理に挑戦しましょう。

素材と製法にこだわる

マクロビオティックの料理には、添加物などが含まれる化学調味料の使用はNGです。なお、原料に農薬が使用されているかどうかまでチェックしてください。「そこまでするの!?」と思うかもしれませんが、そういったところまでこだわることが大切です。最初は大変だと感じるかもしれませんが、細かいところまでこだわることが後々の大きな効果につながります。注意深く素材を選び、できれば製法も昔ながらのシンプルな方法で作られたものを選ぶべきです。

陰陽表の活用

調味料を選ぶときは、陰陽表も活用しましょう。陰陽表は、主要な食材の陰陽を示した表です。これをみるとそれぞれの食材がもつ陰陽のバランスがすぐにわかります。調味料についても掲載されているので、それぞれの調味料の陰陽をあらかじめ把握しておくと料理がしやすいです。たとえば、味を陽性に近い順にあげると、「渋味・苦味・塩味・自然な甘味・酸味・辛味」となります。辛味は、味の中ではとくに陰性の要素を多く持っており、自然な甘味は中庸ということになります。

マクロビにおすすめの調味料

マクロビオティックの料理には、具体的にどういった調味料を使用したらよいのでしょうか。調味料の選び方は、非常に重要です。ここからは、それぞれの味の種類ごとに例をあげて説明します。

塩分

塩分は、陰性よりの要素をもっています。一般的にも料理の基本となる味なので、マクロビオティックに使用できる調味料を把握しておくことはとても重要です。

*塩

塩は、海水から作られている自然塩を使用しましょう。海水から作られた塩には、ミネラルが豊富に含まれており、まろやかでほんのりとした甘みがあります。自然塩以外の食塩は人工的に精製されているものなので、塩化ナトリウム以外のミネラルが含まれていません。また、最近では岩塩の人気も高くなっていますが、岩塩は日本ではとることができない塩です。そのため、日本人にとっては、マクロビオティックの原則である身土不二に反した調味料ということになってしまいます。

*しょうゆ

しょうゆも塩と同じように、自然の原料を使ったものを選ぶようにしましょう。しょうゆとして販売されている商品の中には、カラメル色素やアミノ酸などの添加物が使用されているものもあるため、要注意です。昔ながらの製法で作られているしょうゆには丸大豆が使用され、天然のアミノ酸も豊富に含まれているので栄養価が高いといえます。また、できれば使用されている大豆についても気を配り、遺伝子組み換えではないものを使っているということが確かめられるとなおよいでしょう。

*みそ

短期間で作られているみそには食品添加物が使用されていることが多いです。そのため、数年かけて発酵と熟成が丁寧に行われている無添加のみそを選ぶのがおすすめです。みそは大豆の種類や製法によって味に大きな違いが出るため、食材に合わせていくつかのみそを使い分けると、料理の味のバリエーションを広げることも可能になります。なお、みそは塩分が多く含まれているため、味噌汁を飲むのは多くても1日2回までにしましょう。使用するみその量を少なめにするというのも、減塩には効果的です。

甘み

マクロビオティックで甘味料を使用するなら、てんさい糖、黒砂糖、メープルシロップなどを使用しましょう。それぞれ風味が異なるので、食材に合わせて使い分けるのがよいです。精製された白砂糖は、なるべく使用しないほうがよいものとされています。

その他

その他の調味料を使用するなら、以下の考え方にそって使用すると、マクロビオティックの考え方に合わせた味付けをすることができます。

*酢

マクロビオティック料理でよく使用されているのは、玄米酢や梅酢です。酢を選ぶときも、無農薬で作られた原料を使用しているものにしましょう。酢を使うと、必然的に塩分量を控えることができるのでおすすめです。

*油

マクロビオティックで使用する油は、未精製のものを選ぶようにしましょう。たとえば、ゴマ油、なたね油、エクストラバージンオリーブオイルなどがあります。ただし、未精製の油は酸化しやすいので、封を開けたら早めに使い切る必要があります。あまり使わない油は、できるだけ小さいサイズのものを選ぶとよいでしょう。サラダ油などは、加工されている油なのでできるだけ使用を避けたほうがよいです。

マクロビに不向きな調味料

マクロビオティックに不向きな調味料としては、すでに紹介した精製された白砂糖や塩があげられます。また、スパイスなどの香辛料は陰性が強いのであまり使用すべきではないとされています。辛味を使いたいときは、日本で昔から使われてきたようなショウガやワサビなどを少量だけ使用するようにしてください。

マクロビ料理では調味料にも気をつけて!

マクロビ料理では調味料にも気をつけて!

マクロビオティックでは、食材と同じように、調味料の陰陽についても考慮する必要があります。これを怠ると、せっかく整えた食材の陰陽バランスも壊れてしまいます。調味料の陰陽は、味の種類によってだいたいを把握することができるので、最初に覚えてしまったほうが簡単です。調味料に限らず、自分がよく使用する食材の陰陽を覚えておくと、料理について考えるのが楽になります。食材に合わせて味付けを工夫することで、マクロビオティック料理のバリエーションを増やせば、飽きずに玄米菜食を続けることができるでしょう。