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玄米菜食とは?マクロビオティックの食事法を理解しよう

マクロビオティックの食事法として知られる玄米菜食は、健康とバランスを重視したライフスタイルの一環です。
この食事法は、精製されていない玄米を中心に、自然に近い形で食材を摂取することで、ビタミンやミネラル、食物繊維を豊富に摂れます。
玄米菜食は、単なる食事法にとどまらず、日常生活全般にわたる総合的な健康管理を目指します。
マクロビオティックの基本は、「玄米菜食」です。この食事法を徹底することにより、心身を健康に保つことができます。玄米菜食が提唱された背景には、マクロビオティックにとっての重要なさまざまな考え方があります。これらを理解した上で玄米菜食を始めれば、より高い効果を得ることができるでしょう。
玄米菜食とは、具体的にはどのような食事法なのでしょうか。今回は、マクロビオティックの玄米菜食についての基礎知識とその注意点について解説します。

マクロビオティックの基本「玄米菜食」がもたらす効果とは

玄米菜食の基礎知識

玄米菜食は、マクロビオティックの食事法の中心的な要素であり、健康と調和を目指すライフスタイルの一環です。
ここでは、玄米菜食が何であるか、そしてその実践における基本ルールについて詳しく解説します。

玄米菜食とは何か

玄米菜食とは、玄米を中心に、全粒穀物、野菜、海藻、豆類、種実類をバランスよく取り入れる食事法です。
これは、自然に近い形で食材を摂取し、栄養素を最大限に活用することを目的としています。

玄米は、精製されていないため、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富であり、健康に良いとされています。
玄米菜食は、単に玄米を食べるだけでなく、食材の選び方、調理法、食べる順序など、総合的な健康管理を含むライフスタイル全体のことです。

これにより、体内のバランスを整え、健康を維持できます。

マクロビオティックの基本ルール

マクロビオティックは、自然の法則に従った食事と生活を通じて、心身の調和を目指す哲学です。
この哲学に基づく食事法には、いくつかの基本ルールがあります。

二つの原則の概要

マクロビオティックの基本ルールには、「身土不二」と「一物全体」の二つの重要な原則があります。
これらの原則は、食材の選び方や調理法において非常に重要な役割を果たします。

身土不二の原則

身土不二とは、その土地で育った食材を、その季節に食べることが健康に最も良いという考え方です。
これは、地元の食材がその土地の気候や環境に最適化されており、体もその土地の食材を最もよく吸収し、利用できるという理念に基づいています。

地元で取れる季節の食材を摂取することで、自然との調和が図れ、健康を維持できます。

一物全体の原則

一物全体は、食材を丸ごと使うことを推奨する考え方です。
これは、食材の全体を使用することで、栄養素を余すことなく摂取し、自然のエネルギーを最大限に取り入れることができるという理念に基づいています。

例えば、野菜の皮や根、葉を含めてすべて利用することが推奨されます。
これにより、食材の無駄を減らし、持続可能な食生活を実現できます。

陰陽論の基本的な考え方

陰陽論は、マクロビオティックの基礎にある哲学であり、すべての物事を陰と陽の二つのエネルギーとして捉え、そのバランスを取ることが健康と調和をもたらすという考え方です。

陰陽の基本的な特徴

陰陽論では、陰は冷やす、柔らかい、湿っているという特性を持ち、陽は温める、硬い、乾燥しているという特性を持ちます。
例えば、陰性の食材には、キュウリやトマト、ナスなどの夏野菜があります。

これらは体を冷やすのに効果的です。
一方、陽性の食材には、根菜類や塩辛い食品、肉類があります。これらは体を温める効果があります。

食材の陰陽分類

食材の陰陽分類は、食材の性質や特性に基づいて行われます。
例えば、食材の育つ環境や形状、色、味などが陰陽の分類に影響を与えます。

一般的には、夏野菜や果物は陰性に分類され、体を冷やすのに効果的です。
一方、根菜や塩辛い食品は陽性に分類され、体を温める効果があります。

このように、陰陽のバランスを考慮した食材選びと調理法を実践することで、健康を維持し、調和の取れた食事を実現できます。

マクロビオティックの実践は、単なる食事法ではなく、自然と調和した生活全般を目指すライフスタイルです。
玄米菜食を通じて、体内のバランスを整え、心身の健康を維持するための基本的な知識と原則を理解することが重要です。

玄米の栄養価とその効果

玄米は、健康と調和を追求するマクロビオティックの食事法において中心的な役割を果たしています。
その豊富な栄養価とさまざまな健康効果により、多くの人々が玄米を取り入れることで、身体的、精神的、さらには社会的なメリットを享受しています。

ここでは、玄米の栄養価とその効果について詳しく解説します。

玄米の栄養価

玄米は、精白されていない米のことで、外皮や胚芽が残されているため、栄養素が豊富に含まれています。
ここでは、玄米に含まれる主要な栄養素とそれによる健康増進効果について解説します。

主要な栄養素

ビタミンとミネラル

玄米には、ビタミンB群(特にB1、B3、B6)やビタミンEが豊富に含まれています。
これらのビタミンは、エネルギー代謝や抗酸化作用、神経機能の維持に重要な役割を果たします。

また、玄米にはマグネシウム、鉄、亜鉛などのミネラルも豊富に含まれており、骨や血液の健康維持に寄与します。

食物繊維

玄米は、食物繊維の優れた供給源です。
食物繊維は、腸内環境の改善、血糖値の安定化、コレステロールの低下に役立ちます。

特に、玄米に含まれる不溶性食物繊維は、便通を促進し、消化機能をサポートします。

健康増進効果

抗酸化作用

玄米に含まれるフェルラ酸やガンマオリザノールといった抗酸化物質は、細胞の酸化ストレスを軽減し、老化や慢性疾患のリスクを低減します。
これにより、心血管疾患やガンの予防にも効果が期待されます。

血糖値のコントロール

玄米は低GI食品であり、血糖値の急激な上昇を抑える効果があります。
これは、糖尿病予防や管理に役立ちます。

玄米に含まれる食物繊維と栄養素の組み合わせにより、食後の血糖値の安定化が促進されます。

玄米菜食の身体的効果

玄米菜食は、栄養バランスが良く、様々な身体的効果をもたらします。
ここでは、玄米菜食が健康維持と病気予防、体重管理と消化機能の改善にどのように役立つかを詳しく解説していきます。

健康維持と病気予防

免疫力の向上

玄米に含まれるビタミンEやセレンなどの栄養素は、免疫システムを強化します。
これにより、感染症や病気に対する抵抗力が高まり、健康を維持できます。
また、抗酸化物質が豊富なため、細胞の健康を保ち、老化を遅らせる効果も期待できます。

心血管疾患の予防

玄米に含まれる食物繊維は、血中コレステロールを低下させ、心血管疾患のリスクを減少させます。
また、低GI食品であるため、血糖値の管理がしやすく、糖尿病の予防にもつながります。

これらの効果により、長期的な健康維持が期待されます。

体重管理と消化機能の改善

健康的な体重管理

玄米はカロリーが低く、栄養価が高いため、健康的な体重管理に適しています。
食物繊維が豊富なため、満腹感が持続し、過食を防ぐ効果があります。

これにより、ダイエットや体重維持に役立ちます。

消化機能の改善

玄米に含まれる不溶性食物繊維は、腸内環境を整え、便通を促進します。
これにより、便秘の予防や改善が期待でき、消化器官全体の健康が向上します。

また、食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなり、腸内フローラのバランスを改善する効果もあります。

精神的効果と社会的影響

玄米菜食は、身体的な効果だけでなく、精神的な安定や社会的な影響にも寄与します。
ここでは、玄米菜食がどのように精神的な安定とストレス軽減に役立ち、環境への配慮と社会的影響をもたらすかについて詳しく解説します。

精神的な安定とストレス軽減

精神的な安定

玄米には、ビタミンB群が豊富に含まれており、これらは脳の健康に重要な役割を果たします。
ビタミンB1はエネルギー代謝をサポートし、ビタミンB6は神経伝達物質の合成を助けます。

これにより、精神的な安定と集中力の向上が期待できます。

ストレス軽減

玄米に含まれるマグネシウムは、リラックス効果を促進し、ストレスの軽減に役立ちます。
マグネシウムは、神経の過剰な興奮を抑える効果があり、リラックスした状態を維持するのに役立ちます。

また、玄米菜食を実践することで、食事全体が健康的になり、ストレスの原因となる要因を減少させられます。

環境への配慮と社会的影響

環境への配慮

玄米菜食は、環境に優しい食生活を促進します。
玄米は、精白されていないため、加工の過程でエネルギーや資源を節約できます。

また、玄米菜食は植物性の食品を中心にしているため、動物性食品に比べて生産過程での環境負荷が低くなります。
これにより、持続可能な食生活を実現できます。

社会的影響

玄米菜食は、地元の農産物を積極的に取り入れることを推奨しており、地域経済の活性化に寄与します。
地元で生産された玄米や野菜を購入することで、地域の農家を支援し、持続可能な農業を推進することが可能です。

また、玄米菜食を通じて、健康的な食生活の啓発が進み、社会全体の健康意識の向上にも貢献します。
以上のように、玄米菜食は身体的、精神的、社会的なさまざまな効果をもたらします。

これにより、個々の健康だけでなく、社会全体や環境にも良い影響を与えられます。
玄米菜食を実践することで、より健康的で持続可能なライフスタイルを実現することが可能です。

玄米菜食の実践と注意点

玄米菜食は、健康とバランスを重視する食事法であり、多くの人々がその効果を実感しています。
しかし、効果的に実践するためには適切な方法を理解し、注意点を把握することが重要です。

ここでは、玄米菜食の実践方法や栄養バランス、そして潜在的な問題点について詳しく解説していきます。

玄米菜食の実践方法

玄米菜食を効果的に実践するためには、日常の食事計画やレシピ、玄米の調理法と保存法を正しく理解することが不可欠です。
ここでは、これらの実践方法について詳しく解説します。

毎日の食事計画とレシピ

バランスの取れた食事計画

玄米菜食の基本は、バランスの取れた食事計画を立てることです。
玄米を主食とし、野菜、豆類、海藻、発酵食品をバランスよく取り入れることで、必要な栄養素を摂取できます。

例えば、朝食には玄米おにぎりと味噌汁、昼食には玄米ご飯と野菜の炒め物、夕食には玄米と豆のサラダや煮物を組み合わせることが効果的です。

具体的なレシピ例

毎日の食事に取り入れやすい具体的なレシピを紹介します。
例えば、「玄米と野菜の炒め物」では、玄米ご飯に季節の野菜を加え、醤油やごま油で風味をつけます。

「玄米サラダ」では、玄米ご飯に豆類や海藻、ドレッシングを加えて栄養バランスを整えます。
これらのレシピは、簡単に作れて栄養豊富です。

玄米の調理法と保存法

正しい調理法

玄米を美味しく食べるためには、正しい調理法が重要です。
まず、玄米をしっかりと洗い、水に浸けてから炊くことで、柔らかく仕上げられます。

浸水時間は最低でも数時間、理想的には一晩が推奨されます。
炊飯器や圧力鍋を使うことで、さらに食べやすくなります。

適切な保存法

玄米は保存方法にも注意が必要です。
玄米は湿気に弱いため、乾燥した冷暗所で保存することが大切です。

密閉容器を使用し、冷蔵庫で保存することで、鮮度を長持ちさせられます。
調理後の玄米は、冷凍保存も可能であり、解凍しても栄養価が損なわれません。

玄米菜食の栄養バランス

玄米菜食を実践する際には、栄養バランスを保つことが非常に重要です。
特に、タンパク質やビタミンB12の摂取方法について考慮する必要があります。

ここでは、これらの栄養素の補給方法について詳しく解説します。

タンパク質の摂取方法

植物性タンパク質の重要性

玄米菜食では、主に植物性タンパク質を摂取します。
豆類や豆腐、テンペ、ナッツ類などは優れたタンパク質源です。

これらを毎日の食事にバランスよく取り入れることで、必要なタンパク質を補えます。
例えば、玄米と一緒に豆腐ステーキやひよこ豆のサラダを食べることで、十分なタンパク質を摂取できます。

アミノ酸のバランス

植物性タンパク質は、必須アミノ酸が不足しがちです。
そのため、異なる種類の植物性タンパク質を組み合わせて摂取することが推奨されます。

例えば、玄米と豆類、ナッツ類を組み合わせることで、アミノ酸のバランスを取れます。

ビタミンB12の補給法

ビタミンB12の重要性

ビタミンB12は、赤血球の生成や神経機能の維持に重要な役割を果たします。
しかし、植物性食品にはほとんど含まれていないため、玄米菜食を実践する際には補給が必要です。

補給方法

ビタミンB12は、サプリメントや強化食品から補うことが一般的です。
栄養強化されたシリアルや酵母エキス、ビタミンB12を添加した植物性ミルクを摂取することで、必要な量を確保できます。

また、定期的に血液検査を行い、ビタミンB12のレベルをチェックすることも重要です。

玄米菜食の潜在的な問題点

玄米菜食には多くの健康効果がありますが、潜在的な問題点にも注意が必要です。
消化吸収の課題や便秘、アブシン酸のリスクについて理解し、適切に対処することが重要です。

消化吸収の課題と対策

玄米は食物繊維が豊富であるため、消化吸収が難しい場合があります。
特に、胃腸が弱い人や高齢者は、消化不良を起こしやすいです。

対策

玄米を消化しやすくするためには、しっかりと噛むことが重要です。
また、玄米を炊く際に水を多めにして柔らかく仕上げることも有効です。

さらに、消化酵素を含む食品(パパイヤ、パイナップルなど)を一緒に摂取することで、消化を助けられます。

便秘対策

玄米には不溶性食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境の改善に役立ちます。
しかし、食物繊維の摂取が過剰になると、便秘の原因となることもあります。

効果的な便秘対策

便秘を防ぐためには、十分な水分摂取が必要です。
また、食物繊維と共に適度な運動を取り入れることで、腸の蠕動運動を促進し、便通を改善できます。

さらに、発酵食品(味噌、漬物、ヨーグルトなど)を摂取することで、腸内フローラを整えることも有効です。

アブシン酸のリスクと対処法

玄米にはアブシン酸という成分が含まれており、大量に摂取すると栄養素の吸収を妨げる可能性があります。
特に、ミネラル(鉄、亜鉛、カルシウムなど)の吸収が阻害されることが懸念されます。

対処法

アブシン酸の影響を軽減するためには、玄米をしっかりと洗い、浸水させることが重要です。
浸水することで、アブシン酸の量を減らせます。

また、発酵食品やビタミンCを含む食品(レモン、キウイなど)を一緒に摂取することで、ミネラルの吸収を助けられます。

健康と環境に配慮した玄米菜食

玄米菜食は、健康だけでなく環境保護にも寄与する持続可能なライフスタイルです。
この食事法は、個人の健康を向上させると同時に、地球の環境保護や社会的貢献にも繋がります。

ここでは、玄米菜食がどのように持続可能な農業と環境保護に寄与し、社会貢献を果たすかについて詳しく解説していきます。

持続可能な農業と環境保護

玄米菜食は、持続可能な農業と環境保護に大きく貢献します。
ここでは、具体的な取り組みとその効果について解説します。

環境負荷の低減

玄米菜食における玄米や野菜は、多くの場合、有機農法で栽培されています。
有機農業は、化学肥料や農薬を使用せず、自然の力を活用して作物を育てる方法です。

これにより、土壌や水質の汚染が防がれ、生態系のバランスが保たれます。
また、化学物質の使用が減少することで、農業従事者の健康リスクも軽減されます。

土壌の健康維持

有機農業では、輪作や緑肥の使用など、土壌の健康を維持するための工夫がなされています。
これにより、土壌の肥沃度が向上し、長期的な農地の持続可能性が確保されます。

玄米菜食を実践することで、有機農業の需要が高まり、環境に優しい農業の普及が促進されます。

温室効果ガスの削減

玄米菜食は、動物性食品の消費を減らし、植物性食品を中心とした食事法です。
動物性食品の生産には大量のエネルギーと水が必要であり、温室効果ガスの排出も多いです。

一方、植物性食品の生産は、環境への負荷が比較的少ないため、温室効果ガスの削減に貢献します。
玄米菜食を実践することで、地球温暖化の防止に寄与できます。

生物多様性の保護

有機農業は、農薬や化学肥料を使用しないため、生物多様性の保護にも貢献します。
農薬が使われないことで、土壌中の微生物や昆虫、鳥類などの生態系を保護することが可能です。

また、有機農業では多様な作物を栽培するため、単一作物栽培による生物多様性の喪失が防がれます。
玄米菜食を選ぶことで、生物多様性の保護にも寄与できます。

玄米菜食による社会貢献

玄米菜食は、健康や環境保護だけでなく、社会的な貢献も果たします。
ここでは、玄米菜食がどのように社会貢献に繋がるかについて詳しく解説します。

地元農家の支援

玄米菜食では、地元で栽培された新鮮な玄米や野菜を積極的に取り入れることが推奨されます。
地元の農家から直接購入することで、農家の経済的支援となり、地域経済の活性化に繋がります。

地元の農産物を選ぶことで、輸送にかかるエネルギーを削減し、環境負荷を軽減できます。

フードマイルの削減

フードマイルとは、食品が生産地から消費者の手元に届くまでの距離を指します。
玄米菜食では、地元で生産された食材を使用することで、フードマイルを削減できます。

これにより、輸送に伴う温室効果ガスの排出が減少し、環境保護に貢献します。
地元の食材を選ぶことで、新鮮で栄養価の高い食事を摂ることも可能です。

食育の推進

玄米菜食を実践することで、食に対する理解が深まり、食育の推進に繋がります。
特に、子供たちに対して健康的な食生活の重要性を教えることで、将来的に健康な社会を築けます。

学校やコミュニティでのワークショップやイベントを通じて、玄米菜食のメリットを広めることが大切です。

健康的なライフスタイルの普及

玄米菜食は、健康的なライフスタイルを普及させるための一助となります。
食事の選び方や調理法を学ぶことで、自分自身の健康管理能力が向上します。

また、コミュニティ全体で健康的な食生活を実践することで、地域全体の健康が向上し、医療費の削減にも繋がります。

マクロビオティックの「玄米菜食」とは

マクロビオティックの基本「玄米菜食」がもたらす効果とは

マクロビオティックでは、「玄米菜食」が基本とされています。玄米菜食とは、その字のとおり玄米や野菜を中心とした食事をとるということです。玄米菜食の食事からは、さまざまな健康効果だけでなく、精神的にもよい効果を得ることができます。マクロビオティックによって玄米菜食の食事を取り入れれば、体だけでなく心も大きく変化させることもできるでしょう。

マクロビオティックの基本ルール

マクロビオティックには、基本となる考え方があります。それぞれの考え方に基づくことにより、マクロビオティックには「玄米菜食」を推奨しています。玄米菜食の基礎となっている考え方なので、まずはそれをしっかり理解しましょう。

2つの原則

マクロビオティックには、2大原則とされる考え方があります。それは、「身土不二」と「一物全体」です。身土不二は、人間の体と土地の関係を表したことばです。人の体というものは、生まれ育った土地と切っても切れない関係にあると考えられています。そのため、マクロビオティックでは、生まれた土地の食べ物を食べることが体の健康にとって重要であるとしています。 また、一物全体は、それぞれの野菜などは、皮や実、根などの全てで1つの食べ物とみなすという意味です。そのため、マクロビオティックでは、それらの全ての部分をしっかり食べることが大切だとされています。皮も食べるので、無農薬の野菜を選ぶべきとしています。また、根も切り落とさずにきれいに洗う必要があります。

陰陽論

マクロビオティックには、「陰陽調和」という考え方もあります。これは、全ての食べ物には「陰陽」があり、それらのバランスを考えた食事をすることが大切だというものです。体を冷やす食べ物は陰性、体を温める食べ物は陽性とされています。マクロビオティックを実践するなら、どちらも過不足なくきちんと食べることが重要です。

玄米食の栄養価と効果

玄米には、白米よりもたくさんの栄養が含まれています。具体的には、ビタミンB1やビタミンE、鉄、亜鉛、食物繊維の量がとくに豊富です。玄米の栄養の中でもとくに注目すべきなのは、ビタミンB1です。玄米には白米の8倍にあたる量のビタミンB1が含まれています。ビタミンB1は、炭水化物をエネルギーに変える力をもっています。そのため、摂取した炭水化物を素早くエネルギーに変えることができます。マクロビオティックの食生活をすると、エネルギッシュになるといわれることがありますが、それはこういった栄養の豊富さが影響しているといえるでしょう。

マクロビオティックの玄米菜食がもたらす効果

マクロビオティックの玄米菜食は、体を健康にする効果だけでなく、さまざまな嬉しい効果を発揮するといわれています。玄米菜食による効果としては、主に以下のものがあげられます。

身体的効果

マクロビオティックの玄米菜食には、体を元気にする効果があります。すでに触れたように、玄米は白米よりも栄養価が高く、エネルギーを効率的に作り出すことが可能です。そのため、疲労を回復する力も十分備えることができ、いつでもパワフルに活動することができます。生活習慣病を予防するなど、健康を保つ効果もあります。また、玄米菜食は老化を防ぐ効果も期待できるため、いつまでも若々しさを保つ秘訣となるでしょう。 さらに、高い美容効果も期待できます。余計な脂肪を摂取することがなく、体の中にある栄養が効率的に使われるので、健康的なダイエット効果も発揮されます。また、バランスのとれた栄養を摂取することで、肌質もアップするでしょう。玄米菜食を継続すれば、艶と張りのある肌を保つことができます。

精神的効果

玄米菜食は、体だけでなく心にもよい影響を与えます。たとえば、ストレスに強くなるため、どんな場面でも冷静にしっかりした態度を保つことができるようになります。また、余計なことを考えることがなくなるので、頭がすっきりして集中力も高まります。そのため、仕事や問題に対応する力も自然と高くなるでしょう。考え方もポジティブになり、明るい印象になります。前向きにいろいろなことに取り組むようになるので、たくさんのチャンスも巡ってきやすくなるはずです。

社会的効果

マクロビオティックの考え方を取り入れるということは、地産地消に取り組むということでもあります。地産地消とは、地元で作られた食材をその地域の中で消費することです。食材を遠くへ輸送すればするほど、車両などから排気ガスを大気中に放出させる原因となります。そのため、地元で採れた食べ物をそこで食べるということは、エコという観点からみても非常に有効です。

玄米菜食の注意点

玄米菜食は、体を健康に保ち、さまざまなよい効果を発揮します。ただし、玄米菜食では、動物性のタンパク質を避けることが推奨されていることから、その分どうしても不足しやすい栄養素があります。具体的には、タンパク質、ビタミンB12、鉄分などが不足しやすいといわれています。これらの栄養素が不足すると、体にさまざまな悪影響が及ぶので注意が必要です。対策のしかたとともに、1つ1つみてみましょう。

タンパク質

タンパク質は、筋肉、内臓、皮膚、髪の毛など、体を作るために欠かせない栄養素です。タンパク質は、玄米や大豆製品にも含まれていますが、その量は肉や魚に比べるとかなり少ないといえます。そのため、マクロビオティックの玄米菜食を実践するときは、タンパク質を意識してたくさん摂取する必要があります。具体的には、高野豆腐、納豆、油揚げなどを積極的に食事に取り入れることが重要です。

ビタミンB12

ビタミンB12は、赤血球を作るために必要な栄養素です。不足すると、貧血や不眠などの症状を引き起こします。ビタミンB12は海苔に多く含まれているので、おかずにプラスするようにしましょう。 └鉄分 鉄分は、血液中のヘモグロビンの成分となります。不足すると、めまいや息切れが起こることもあるため要注意です。植物性の鉄分は、体内に吸収されにくいという特徴があります。そのため、玄米菜食では、鉄分を含む食品を多めに摂取するように気をつけるべきです。

マクロビオティックの玄米菜食で健康体を目指して

マクロビオティックの玄米菜食で健康体を目指して

マクロビオティックの基本である、玄米菜食にはさまざまなメリットがありあます。この食事法を実践すれば、本来の健康的な姿で生きられるようになるでしょう。玄米菜食を基本とした食生活においては、動物性の食べ物をほとんど摂取しないため、意識していないと体に必要な栄養が足りなくなってしまう恐れもあります。しかし、しっかり必要な栄養を摂取することさえできれば、マクロビオティックの効果を発揮しながらバランスのよい体作りを行うことが可能です。玄米菜食を始めて、心身ともに健康的な体作りを始めてみませんか。

マクロビオティックが玄米食を基本とする理由とは?

マクロビオティックと言えば玄米食!驚くべき健康効果とは?

マクロビオティックは、玄米食を基本としています。主食は、白米ではなく玄米とし、おかずは野菜が中心です。また、肉、魚、卵などは、なるべく避けたほうがよい食材とされています。この考え方には、マクロビオティックが確立された際に、後述する陰陽論が重視されたことが大きく影響しています。玄米食を基本とすることで、体だけでなく心にも健康的な効果が得られるはずです。

マクロビオティックの基本となる考え方

マクロビオティックには、基本となる考え方が2つあります。1つは、2大原則と呼ばれる「身土不二」と「一物全体」です。もう1つは、先ほども触れた「陰陽論」です。これらをもとにして、マクロビオティックは玄米食を推奨しています。

2大原則の「身土不二」と「一物全体」

マクロビオティックには、2大原則と呼ばれる考え方があります。それは、「身土不二(しんどふじ)」と「一物全体(いちぶつぜんたい)」です。これらに基づき、マクロビオティックの食事法が実践されています。

*身土不二

マクロビオティックの2大原則のうちの1つである「身土不二」とは、人は自分自身が暮らす土地の旬の食べ物を食べるべきだということを示しています。これは、その人と生まれた土地は密接な関係にあるという考え方がもとになっています。そのため、そういった条件に当てはまる食べ物を選んで食べることでこそ、体を健康的に保つことが可能だとされています。地産地消といった概念にも当てはまるといえるでしょう。

*一物全体

2大原則のもう1つである「一物全体」とは、自然の恵を丸ごと食べるのが重要であるということを示しています。1つの食材を皮や根まで全て食べることによって、栄養を残さずに体に取り入れることが可能になります。

陰陽論

マクロビオティックでは、中国の陰陽論が取り入れられています。そのため、食材を選ぶ際は、陰陽の調和を重視する必要があります。マクロビオティックでは、全ての食べ物に陰陽があると考えられています。陰陽どちらかだけに偏ることなく、それぞれをバランスよく取り入れることによってこそ健康を保つことができます。玄米は、それだけで陰陽のバランスがとれている「中庸」の食材です。一方、白米は、「陰」の食材だとされています。そのため、マクロビオティックでは、白米ではなく、玄米を主食として採用しています。

玄米食の栄養価と健康増進効果

マクロビオティックが推奨する玄米には、どういった栄養が含まれているのでしょうか。また、具体的な健康増進効果にはどのようなものがあるのでしょうか。玄米の効能について、説明します。

栄養価

玄米には、白米よりも多くの栄養が詰まっています。白米に含まれる主要な栄養素は、炭水化物です。一方、玄米には、炭水化物以外にもさまざまな働きをする栄養素がたくさん含まれています。

*ビタミンB1

玄米には、白米の約8倍にあたるビタミンB1が含まれています。ビタミンB1は、炭水化物をエネルギーに変える作用のある栄養素です。玄米を食べてこれを摂取することにより、食べた食事をすぐに体のエネルギーとして利用することができます。

*食物繊維

玄米には、食物繊維も豊富です。玄米に含まれる食物繊維の量は、白米の4.7倍ともいわれています。食物繊維をしっかりとることができると、便通がよくなって老廃物が効率的に排出されるので、美肌を保つ効果も期待できます。なお、食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。どちらも白米より玄米のほうが豊富に含まれていますが、とくに水溶性食物繊維は白米にはほとんど含まれていません。そのため、玄米を中心にすることで、この水溶性食物繊維をしっかり摂取することが可能になります。

*LPS(リポポリサッカライド)

LPSは、体の免疫力を高め、病気などから体を守る成分です。非常に優秀な成分ですが、精製した白米には含まれていません。玄米を食べることで、こういった健康をサポートする成分をしっかり摂取することができるようになります。

健康面の効果

玄米食を継続していると、その高い栄養価によって、健康面もさまざまなよい効果が発揮されます。たとえば、体力が強化され、疲れにくい体になるといわれています。病気に対抗する免疫力を高めることもできるので、生活習慣病などを防ぐこともできます。さらに、老化を防止し、いつまでも若々しい体を保つことが可能です。さらに、美容に関する効果も高く、便秘解消で美肌を作ったり、無理のないダイエットが実現できたりします。

玄米食の注意点

さまざまな効果が期待できる玄米食ですが、続ける上ではいくつか注意すべきこともあります。注意点に気をつけて、玄米食の健康効果を正しく発揮できるようにしましょう。

消化吸収の悪さ

玄米は、まわりがかたい殻で包まれているため、消化がよくないという難点があります。きちんと消化されなければ、せっかくの効果的な栄養素もうまく吸収することはできません。玄米の栄養素の吸収を少しでも助けるためには、食事の際はよく噛むことを意識すべきです。口の中で玄米をよくかみ砕いてから飲み込むことで、胃腸での消化吸収が促進されます。また、玄米を炊くときは、水を少し多めにして柔らかく炊き上げることも重要です。この2つのポイントを意識すれば、少しでも多くの栄養素を吸収できるようになるでしょう。

便秘

玄米は、便秘の解消によいといわれています。しかし、場合によっては、玄米が便秘の原因となることもあるため、注意が必要です。玄米には不溶性食物繊維も豊富に含まれていますが、これが腸内の水分を過剰に吸収してしまい、便をかたくする原因となることがあります。これを防ぐためには、玄米をよく噛んで食べることはもちろん、日ごろから水分をしっかりとることが大切です。

アブシン酸

玄米には、アブシン酸と呼ばれる植物ホルモンが含まれています。このアブシン酸は、人間の体の細胞にあるミトコンドリアにとって「毒」となる恐れもあります。アブシン酸により、ミトコンドリアが傷つけられると疲労感を感じやすくなったり、老化が促進されたりするなど、さまざまな問題が発生します。そのため、玄米を食べるときは、必ず無毒化を行わなければなりません。玄米を12時間以上浸水させたり、乾煎りしたりする必要があります。

マクロビオティックの玄米食で健康な体作りを

マクロビオティックの玄米食で健康な体作りを

マクロビオティックの考え方に基づいて玄米食を継続すれば、高い健康効果を実感することができます。玄米を食べるときには注意すべき点もありますが、特徴をあらかじめ理解しておけば問題はありません。玄米と野菜を中心にしたマクロビオティックの食生活を始めて、健康的な体作りを行いましょう。

まとめ

玄米菜食は、健康維持や病気予防、体重管理、消化機能の改善といった身体的効果に加え、精神的な安定やストレス軽減、環境保護や社会貢献など、幅広いメリットを提供します。
玄米に含まれるビタミンB群やマグネシウムは、精神的な安定を促し、ストレスを軽減します。

また、環境に優しい有機農業を推進し、地元農家を支援することで地域経済の活性化にも寄与します。
玄米菜食を実践することで、個人の健康と社会全体の持続可能な発展に貢献することが可能です。