キャンドルのワックスとは?種類や選び方のポイント・用途を徹底解説!
記事更新日:2024年8月22日キャンドルのワックスには様々な種類があり、それぞれ特徴があります。
パラフィンワックス、ステアリンワックス、ベジタブルワックスなどがあり、点火時間や香り、燃焼の様子など、用途に合わせて適切なものを選ぶのがポイントです。
キャンドルを作るときには、ワックスが欠かせません。キャンドルは使用されるワックスによって性質が大きく変化します。キャンドルを購入したり自分で作ったりするときは、キャンドルのデザインだけでなく、ワックスにも必ず注目すべきです。そのためには、ワックスの種類や性質の違いについてよく理解しておくことが必要です。
キャンドルのワックスとは、どのようなものなのでしょうか。今回は、キャンドルにおけるワックスについて詳しく見ていきます。ワックスの種類や違いについても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
キャンドルワックスの主な種類
キャンドルワックスの主な種類は以下の通りです。 ・パラフィンワックス ・植物性ワックス ・動物性ワックス ・合成ワックス こちらを順にご紹介します。
パラフィンワックス
パラフィンワックスは、最も一般的なキャンドルのワックス素材です。 燃焼時間が長く、比較的経済的なのが特徴です。一方で、化学的な成分が含まれているため、環境への配慮が必要です。香りの保持力も強く、幅広い香りのキャンドルを作れます。 価格も手頃で、製造も容易なことから、ロウソク作りの初心者にも使いやすいワックスといえるでしょう。 以下で詳しく解説していきます。
特徴
パラフィンワックスは、最も一般的で代表的なキャンドル用ワックスです。その特徴は以下の通りです。 ・燃焼時間が長い パラフィンワックスはろうそくの燃焼時間が長く、効率的に使えます。 1本のろうそくが約10〜20時間燃焼するのが一般的です。 ・経済性が高い パラフィンワックスは製造コストが低く、比較的安価に購入できます。 大量生産も容易なため、コストパフォーマンスに優れています。 ・香り保持力が強い パラフィンワックスは香りの保持力が強く、様々なフレグランスオイルを混ぜ込んでも、長時間香りが持続します。 ・多様な色味に対応パラフィンワックスは色素を混ぜやすく、さまざまな色のキャンドルが作れます。 環境への配慮が必要: ただし、パラフィンは化石燃料由来の素材のため、燃焼時に有害物質を放出する可能性があり、環境への配慮が求められます。
利点と欠点
パラフィンワックスには以下のような利点と欠点があります。 【利点】 1. 燃焼時間が長い パラフィンワックスは燃焼時間が10〜20時間と長く、効率的に使えます。 一回のろうそく使用で長時間照明が可能です。 2. 経済性が高い 製造コストが低いため、他のワックスと比べて比較的安価に購入できます。 大量生産も容易なため、コストパフォーマンスに優れています。 3. 香り保持力が強い 様々なフレグランスオイルを混ぜ込んでも、長時間香りが持続します。 4. 色の表現力が高い 色素を混ぜやすく、豊富な色のキャンドルが作れます。 【欠点】 1. 環境への影響が大きい パラフィンは化石燃料由来のため、燃焼時に有害物質を放出する可能性があり、環境への配慮が必要です。 2. 発煙や黒煙の発生 燃焼時に発煙や黒煙が出やすく、室内環境を汚す可能性があります。 3. 臭いが強い 化学的な製造過程から来る臭いが強く、香りを楽しむのに適していない場合があります。 総合的に見ると、パラフィンワックスは経済的で汎用性が高いものの、環境への影響が懸念されるワックスといえます。
植物性ワックス
植物性ワックスは、大豆、椰子、ひまわり、ベジタブルなどの植物由来の素材でつくられたキャンドルワックスです。 パラフィンワックスに比べて環境への影響が少なく、煙や臭いも少ないのが特徴です。 燃焼時間は短めですが、自然素材ならではの優しい風合いと香りを楽しめます。 手作りにも適しており、エコ志向の消費者に人気のワックスといえるでしょう。 以下で詳しく解説していきます。
ソイワックス
ソイワックスは、大豆油を主原料とした植物性のキャンドルワックスです。 パラフィンワックスに比べて環境への影響が小さいのが特徴です。 まず、ソイワックスの特徴として挙げられるのが、その環境適合性です。 大豆油は再生可能な植物由来の原料で、製造過程での CO2 排出も少ないため、地球環境への負荷が小さいといえます。 また、燃焼時に有害物質を排出しにくく、煙や臭いも少ないのも魅力です。 次に、ソイワックスのテクスチャーについて。パラフィンワックスに比べると、ソイワックスは少し柔らかく弾力性があります。 これにより、キャンドルの成形性が高く、細かい造形も可能です。 また、ソイワックスは溶融温度が低いため、低温で扱えるのも特徴です。 一方で、燃焼時間はパラフィンに比べて短めで、1本のキャンドルが約5〜10時間程度の燃焼時間です。 価格面でもパラフィンに比べてやや高めになる傾向にあります。 総合的に見て、ソイワックスは環境に配慮しつつ、手作りキャンドルにも適した素材といえるでしょう。
植物性ワックスの特徴
植物性ワックスは、パラフィンワックスとは異なる特徴を持つ環境配慮型のキャンドルワックスです。 まず、大きな特徴は、原料が植物由来である点です。 パラフィンワックスは化石燃料から製造されるのに対し、植物性ワックスは大豆、ひまわり、椰子などの植物油から作られます。 これにより、製造過程での環境負荷が小さく、持続可能な素材といえます。 また、燃焼時の特性も大きく異なります。植物性ワックスは、パラフィンに比べて発煙や有害物質の排出が少ないのが特徴です。 煙や臭いが少ないため、室内空間への影響が小さく、香りを楽しむのにも適しています。 一方で、燃焼時間はパラフィンより短めです。 ただし、手作りキャンドルなどに向いており、繊細な造形が可能なテクスチャーが魅力的です。 加えて、植物性ワックスは一般的に低温で溶融するため、安全面でも優れています。 扱いやすさも高く、DIYユーザーにも人気が高い素材といえます。 総合的に見て、環境に配慮しつつ、安全性と使いやすさも兼ね備えた植物性ワックスは、これからのキャンドル業界をリードする素材といえるでしょう。
動物性ワックス
動物性ワックスは、動物由来の脂肪や蝋を原料とするキャンドルワックスです。 主なものにはミツロウ、スペルマセチ、ラノリンなどがあります。 パラフィンや植物性ワックスに比べ、燃焼時に煙や臭いが少なく、滑らかな質感が特徴です。 ただし、動物性由来のため、ベジタリアンや環境配慮型消費者からは支持されにくい面もあります。 高価格なのも課題の1つです。 以下で詳しく解説していきます。
蜜蝋(ミツロウ)
蜜蝋(ミツロウ)は、ミツバチが巣を作る際に生成する自然の蝋質素材です。 キャンドルワックスとしての利用が主な用途となっています。 まず、燃焼時の特徴として、ミツロウはパラフィンや植物性ワックスに比べて煙が少なく、香りも良好です。 これは蝋質成分に由来するものです。また、燃焼時の熱量も高く、1本のキャンドルが長時間持続します。 次に、ミツロウのテクスチャーは硬めで剛性が高め。 キャンドルの形成性が良好で、立体的な造形も可能です。 一方で、低温では脆くなる性質があります。 原料が自然由来の蜂の巣蝋であることから、ミツロウは環境への影響が小さく、持続可能な素材といえ、天然の香りも楽しめるのが魅力の1つです。 ただし、ミツバチの生産性に依存するため、供給が不安定で価格が高めになる傾向にあります。 また、ベジタリアンや一部のビーガン層からは動物性の素材として避けられることもあります。 総合的にみると、ミツロウは燃焼性能と造形性に優れ、環境配慮型のキャンドル素材として注目されている素材といえるでしょう。
動物性ワックスの特徴
動物性ワックスは、動物の脂肪や蝋などから製造されるキャンドルワックスです。 主なものとしては、ミツロウ、スペルマセチ、ラノリンなどが知られています。 まず、燃焼時の特性として、動物性ワックスはパラフィンや植物性ワックスに比べて煙や臭いが少なく、滑らかな燃焼が特徴です。 これは蝋質成分の影響によるものです。また、燃焼時間も比較的長く、ロウソクの持続性に優れます。 テクスチャーも特徴的で、一般的に堅く、形状保持性が高い傾向にあるでしょう。 これにより、立体的なキャンドル造形に適しています。 一方で、原料が動物由来であるため、ベジタリアンやビーガンの消費者からは支持されにくい面があります。 また、入手が容易ではなく、相対的に高価格なのも課題となっています。 ただし、環境配慮という観点では、パラフィンに比べれば良好です。 自然由来の素材であり、持続可能性にも優れているためです。 総合的に見て、動物性ワックスは燃焼性能と造形性に長けており、キャンドル業界では高級品として位置づけられています。 ただし、消費者の嗜好に左右される面もあるのが特徴と言えるでしょう。
合成ワックス
合成ワックスは、石油や化学原料を用いて人工的に製造されたワックス素材です。 主なものにはパラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどがあります。 価格が安く、大量生産が可能なため、一般的なキャンドル原料として広く使用されています。 一方で、環境への負荷や有害物質の懸念もあり、近年は自然由来の素材への需要が高まっています。 以下で詳しく解説していきます。
石油系合成ワックス
石油系合成ワックスは、主に石油化学製品を原料として製造されたキャンドルワックスです。 代表的なものにはパラフィンワックスがあります。 まず、原料が化石燃料由来であるため、価格が比較的安価であり、大量生産が可能です。 これにより、一般的なキャンドル原料として幅広く使用されています。 燃焼時の特性としては、他のワックス素材に比べると煙や臭いが多く発生する傾向にあります。 ただし、燃焼時間や熱量は比較的良好です。 テクスチャーは硬めで、形状保持性に優れています。 キャンドルの造形性にも優れているため、多様なデザインが可能です。 一方で、環境負荷の面では課題があります。 石油由来の合成原料であるため、持続可能性に劣る上、燃焼時の排出ガスにも懸念があるでしょう。 また、一部の成分が発がん性などの健康リスクを含む可能性も指摘されており、消費者の関心も高まっています。 近年では、より環境配慮型の植物性や動物性のワックスへのシフトが進んでいます。 しかし、依然として価格面や生産性の観点から、石油系合成ワックスが主流を占める状況が続いています。
合成ワックスの特徴
合成ワックスはパラフィンワックスやポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど、化学合成によって製造されたワックス素材です。 まず、原料が石油化学製品であるため、原価が比較的安価です。大量生産が容易で、コストパフォーマンスに優れています。 これがキャンドル業界で広く使用される主な理由となっています。 燃焼性能では、動物性ワックスやベジタブルワックスに比べると、煙や臭いの発生が多めです。 一方で、燃焼時間や熱量は良好な部類に属します。 テクスチャーは固く、製品の形状保持性が高い傾向にあり、そのため、細かい造形も可能で、デザイン性に優れています。 しかし、石油由来の素材であることから、環境への負荷が懸念されます。 持続可能性に課題があり、一部の成分には健康リスクも指摘されているでしょう。 近年では、より環境配慮型のワックスへの需要が高まっています。 一方で、コストパフォーマンスの高さから、合成ワックスの需要も依然として大きいのが現状です。 今後は、両者の長所を活かしつつ、環境負荷を最小限に抑えられる新素材の開発が期待されています。
ワックスの選び方のポイント
ワックスの選び方のポイントは以下の通りです。 ・燃焼時間 ・溶解点 ・香り ・環境への影響 ・コストパフォーマンス こちらを順にご紹介します。
燃焼時間
キャンドルを選ぶ際の重要なポイントの1つが、燃焼時間です。 燃焼時間はワックスの質や量、芯の太さなどによって大きく異なります。 まず、ワックスの種類によって燃焼時間は大きく変わります。 一般的に、パラフィンなどの合成ワックスは燃焼時間が比較的長めです。 一方、ベジタブルワックスやソイワックスなどの植物性ワックスは短めの傾向にあるでしょう。 ワックスの量も燃焼時間に影響します。 同じ種類のワックスでも、大型のキャンドルほど燃焼時間が長くなり、芯の太さも重要で、太い芯のキャンドルの方が長時間燃焼します。 燃焼時間は、キャンドルの用途に合わせて検討する必要があります。 長時間使えるキャンドルを求める場合は、合成ワックスが適していますが、より自然な燃焼を望むなら植物性ワックスがおすすめです。 また、ワックスの種類によって燃焼時の煙や臭いの発生量も異なるため、これらの特性も用途に合わせて検討する必要があります。 自分の好みやニーズに合わせてワックスの種類やサイズを選ぶことで、最適なキャンドル体験が得られるでしょう。
溶解点
ワックスを選ぶ際のもう1つの重要なポイントが、溶解点(融点)です。 溶解点は、ワックスが液体に変化する温度を示すものです。 溶解点の高いワックスは堅く、形状が安定しています。 一方、溶解点の低いワックスは柔らかく、形状が崩れやすくなります。 一般的に、合成ワックスのパラフィンは溶解点が高め(50-70℃)です。 一方、ベジタブルワックスやソイワックスなどの植物性ワックスは溶解点が低め(40-60℃)になります。 溶解点の違いは、キャンドルの燃焼や見た目に影響します。 高溶解点のワックスは燃焼中に固まりにくく、きれいな形状を保ちます。 一方、低溶解点のワックスは燃焼時に柔らかくなりやすく、変形しやすくなるでしょう。 用途に合わせて適切な溶解点のワックスを選ぶことが重要です。 例えば、デザイン性の高いキャンドルなら高溶解点のワックスが適しますし、アロマ効果を重視するなら低溶解点のワックスがよいでしょう。 また、ワックスの種類によって燃焼時の煙や臭いの発生量も異なるため、これも考慮に入れる必要があります。
香り
ワックスの選び方で見逃せないのが、香りの特性です。 キャンドルの香りは、ワックスの種類や添加された香料によって大きく異なります。 まず、ワックスの種類による基本的な香りの違いがあり、一般的に、植物性ワックスのベジタブルワックスやソイワックスは自然な植物性の香りがします。 一方、パラフィンなどの合成ワックスはほとんど無臭に近い傾向にあるでしょう。 さらに、ワックスに香料が添加されている場合は、その香りが強調されます。 キャンドルに使われる香料は豊富で、フルーティーな香りからフローラル、ウッディーなど様々な種類があります。 香りの持続性も重要なポイントです。 合成ワックスは一般的に香りの持続性が良好ですが、植物性ワックスは燃焼とともに香りが徐々に薄れていきます。 香りの嗜好は個人差が大きいため、自分の好みに合わせてワックスを選ぶことが大切です。 試してみて、最も心地良い香りのキャンドルを見つけるのがよいでしょう。 また、アロマ効果を期待する場合は、植物性ワックスがおすすめです。 リラックス効果などを得たい時に活用できるでしょう。
環境への影響
ワックスの選び方におけるもう1つのポイントが、環境への影響です。 近年、化学合成ワックスよりも環境に優しい植物性ワックスが注目されています。 合成ワックスのパラフィンは石油系の原料から作られるため、燃焼時に有害な物質を排出する可能性があります。 一方、植物性ワックスのベジタブルワックスやソイワックスは再生可能な資源からつくられ、より環境への負荷が少ないのが特徴です。 また、植物性ワックスは通常、化学合成品を含まないため、発がん性などの懸念が低く、人体への影響も小さいとされています。 特に子育て世代などでは、安全性の高い植物性ワックスが好まれる傾向にあります。 さらに、ワックスの廃棄時の影響も考慮する必要があるでしょう。 合成ワックスは自然界で分解されにくいため、環境負荷が高くなる可能性があります。 一方、植物性ワックスは生分解性が高く、環境への影響が小さいと評価されています。 このように、キャンドルを使用する上での環境への配慮も重要なポイントとなるでしょう。 個人の価値観に合わせ、よりエコロジカルなワックスを選ぶことが求められています。
コストパフォーマンス
ワックスを選ぶ際のコストパフォーマンスも見逃せないポイントです。 ワックスの種類や品質によって価格が大きく異なるため、用途や予算に合わせて適切なものを選ぶことが重要です。 一般的に、合成ワックスのパラフィンは比較的安価に購入できます。 一方、植物性ワックスのベジタブルワックスやソイワックスはやや高めの価格設定になる傾向にあるでしょう。 ただし、価格の違いには理由があります。合成ワックスは大量生産が可能で安価に供給できますが、植物性ワックスはより手間と手作業を要する製造過程から、高コストになります。 また、ワックスの品質の違いも価格に反映されます。 高品質で性能の高いワックスは、より高額になる傾向にあります。 一方で、安価なワックスを使うと燃焼時の煙の発生や、形状の崩れなどのトラブルが起きる可能性があるでしょう。 したがって、用途や予算に応じて、最適なコストパフォーマンスのワックスを選ぶことが重要です。 高品質なワックスを選べば初期投資は高くなりますが、長期的には満足のいくキャンドルライフが送れるでしょう。
ワックスの用途と活用
ワックスの用途と活用は以下の通りです。 ・キャンドル作り ・化粧品・スキンケア ・家具・家電のメンテナンス ・工芸品制作 ・その他の用途 こちらを順にご紹介します。
キャンドル作り
キャンドル作りにおいて、ワックスの選択は重要な要素です。 ワックスの種類や配合によって、キャンドルの焼き上がりが大きく異なってきます。 まず、一般的なキャンドル作りでは、パラフィンワックスやベジタブルワックスがよく使用されています。 パラフィンワックスは燃焼時間が長く、固さと透明感があるのが特徴です。 一方、ベジタブルワックスは自然由来で環境への配慮が高い一方、やや柔らかい性質があります。 ワックスに香料を加えることで、キャンドルに様々な香りを付与できます。 ローズ、ラベンダー、柑橘系など、好みの香りを選択できるのが魅力です。 ただし、香料の量や組み合わせを調整する必要があります。 また、ワックスと芯の組み合わせにも注意が必要です。 芯の太さやタイプによって、ワックスの燃焼具合が変わってきます。 さらに、着色料を加えることで、キャンドルの色彩を自由に選べます。 様々な色のキャンドルを作ることができ、インテリアやシーンに合わせて使い分けられます。 このようにワックスの選択と活用は、オリジナルのキャンドル作りに欠かせない要素です。 試行錯誤しながら、自分好みのキャンドルを作り上げていくことが楽しみの1つといえるでしょう。
化粧品・スキンケア
ワックスは、化粧品やスキンケア製品の重要な原料の1つとなっています。 特に植物性のワックスは、肌への優しさから注目を集めています。 代表的なのが、ベジタブルワックスやカルナウバワックスです。 これらのワックスは、保湿効果や皮膚保護効果が期待できます。 また、皮膜形成や乳化などの機能も持ち合わせているため、化粧品の基剤として使われています。 例えば、リップクリームやハンドクリームにはワックスが含まれることが多く、ワックスがツヤ感やテクスチャーの形成に寄与しています。 また、クレンジング剤やボディクリームにも、ワックスが配合されることがあるでしょう。 一方、動物性のミツロウも、ワックスとして化粧品に活用されています。 ミツロウは保湿力が高く、肌への刺激も少ないため、スキンケア製品に適しているでしょう。 さらに近年、ワックスを活用したオーガニックや自然派の化粧品が増えています。 植物性のワックスを使用することで、化学合成成分の使用を控えた製品づくりが可能となっています。 このように、ワックスは化粧品やスキンケア製品の品質向上や、ナチュラル志向に応える原料として、幅広く活用されているのが特徴です。
家具・家電のメンテナンス
ワックスは家具やアンティーク家電などの手入れ・メンテナンスにも活用されています。 まず、家具の表面処理に使われるのが、木製家具用のワックスポリッシュです。 ワックスには木材を保護し、艶を出す効果があり、定期的にワックス掛けをすることで、家具の美しさを長期的に保つことができます。 特に、光沢のあるニス塗装の家具や、アンティーク家具などは、ワックスメンテナンスが重要です。 こういった家具は経年変化によって表面が劣化しやすいため、ワックスでコーティングすることで保護できるでしょう。 また、家電製品の外装にもワックスが利用されます。 例えば、ステンレス製の冷蔵庫や洗濯機などでは、ワックスがキズ防止や汚れ防止に役立ちます。 ワックスを定期的に塗ることで、家電製品の美しい外観を長持ちさせられます。 さらに、家具や家電製品の木部や金属部分の手入れにも、ワックスは欠かせません。 ワックスには、汚れ落とし効果や、うろこ取り効果もあり、傷んだ表面を補修・保護することができます。 このように、ワックスは家具やアンティーク家電などの手入れに重宝される便利な素材なのです。
工芸品制作
ワックスは様々な工芸品の制作にも活用されています。 特に造形性に優れた特徴から、彫刻やアクセサリーの制作に多く使われているでしょう。 例えば、ろうそく細工では、ワックスを用いて複雑な造形物を手作りで製作します。 ろうそく細工には、パラフィンワックスが主に使用されます。 液体状のワックスを型に流し込み、固まった後に型から取り出すことで、細かい模様や立体形状を表現できるでしょう。 また、アクセサリー作りでは、ワックスを用いてモデルを制作し、そこから鋳造を行うことができます。 ワックスモデルは柔軟性があり、彫刻刀などで自由に形を作ることができるでしょう。 その後、金属への鋳造が可能になるため、ワックスモデリングは重要な工程となっています。 さらに、木工や陶芸の分野でも、ワックスが活用されています。 一方、陶器の表面仕上げにもワックスが使われ、釉薬の発色を引き立たせる役割を果たします。 このように、優れた造形性とコストパフォーマンスの高さから、ワックスは工芸品制作の必要不可欠な素材の1つとして、幅広く活用されているのが特徴です。
その他の用途
ワックスには、化粧品・家具・工芸品以外にも様々な用途があります。 まず、自動車のメンテナンスにおいて、ワックスは欠かせない存在です。 車のボディ表面にワックスをコーティングすることで、光沢感の向上やキズ防止、洗車の際の汚れ落としなどの効果が期待できます。 特に、クリアコート塗装の車に対して、定期的なワックス掛けは重要な手入れ方法となっています。 次に、ワックスは楽器の手入れにも活用されます。 弦楽器のフィンガーボードやヘッド部分、管楽器の金属部分など、ワックスを用いて手入れを行うことで、楽器の美観と機能を保つことができるでしょう。 さらに、ワックスは防水加工や防錆加工にも利用されています。 例えば、ワックスをキャンプ用品やアウトドア用品に塗ることで、撥水性や耐久性が向上し、長期的な使用に適しています。 その他にも、ワックスはロウソク作りやろうそくのメンテナンス、スキーやスノーボードのワックスがけ、靴や革製品のお手入れなど、多岐にわたる用途があります。 このように、ワックスは日常生活に欠かせない便利な素材なのです。
キャンドルのワックスとは?
キャンドルはワックスから作られています。このワックスとはいったいどういったものなのでしょうか。まずはワックスの定義から見ていきましょう。
ワックスはキャンドルの原料
ワックスはキャンドルの原料となる素材です。どんなキャンドルもワックスからできている点はかわりありません。ただし、ワックスにもまたさまざまな種類があります。ワックスの種類によってキャンドルの性質も大きく変化するのです。キャンドルを選んだり作ったりするときは、ワックスの種類にも気を使うようにすると、質が高く自分が求めるワックスに出会えやすくなりますよ。
ワックス=ロウのこと
ワックスといわれても、いまいちピンとこない方も多いかもしれません。ワックスとは、つまりロウのことです。キャンドルのロウがツルツルとしていて少しべとべとしているのは、ワックスを使用しているからだといえます。
ワックスによる違い
ワックスにはさまざまな種類があります。とはいえ、キャンドルに使用されているワックスの違いは、使用感にどのように影響するのでしょうか。ここではワックスの違いによる影響について全体像をおさえましょう。
ワックスによって燃焼の仕方が異なる
ワックスは種類によって燃焼の仕方が違います。燃焼の仕方というのは、炎の熱さや燃え続ける時間のことです。ワックスの種類によってこういった部分は大きく変わるので、よりこだわりをもってキャンドルを使用するためには、ワックスの種類をしっかり選ぶことが重要です。
香りが異なる
ワックスはそれぞれ香りも違います。ワックスの種類としては天然の原料を使っているもの多く、素材由来の香りがするものも多いです。天然のワックスを使用したキャンドルを使用すれば、アロマキャンドルではなくても自然なよい香りを感じることができます。体にもよい影響を与えることができるといわれています。
ワックスが気化して体内に入る
キャンドルに火をつけると、ワックスが気化して空気中に広がります。そのため、キャンドルをつけた部屋で過ごしているとワックスの成分が自然と体の中に入ってきます。つまりキャンドルを選ぶときはなるべく安全な素材を選んだほうがよいということです。ワックスの中には人工的なものもあり、そういったキャンドルは人体にはあまりよくないといわれているのです。炎を消した後には独特の匂いも発生します。安価ですがその分、質が高いとはいえません。こういったワックスを使用したキャンドルを使用したからといってすぐに体に問題が起きるわけではないですが、できるだけ体にとって安全なキャンドルを選んだほうがよいでしょう。
ワックスの種類と特徴
キャンドルの原料となるワックスには、たくさんの種類があります。ここでは代表的なワックスについて見ていくとともに、特徴についても細かくおさえていきましょう。ワックスの違いをよく理解できれば、自分に合ったキャンドルを使用することもより簡単になるはずです。
パラフィンワックス
パラフィンワックスは、原油から作られたものです。パラフィンワックスは19世紀に発見されたワックスで、キャンドルの長い歴史から見るととても新しい存在です。とはいえ大量生産が可能なことから、現在においては最もよく流通しているワックスだといえます。パラフィンワックスはキャンドルを広く一般に広める役割を果たしたワックスです。家庭でよく利用されるキャンドルには、一般的にパラフィンワックスが使用されています。パラフィンワックスは大量生産されている分安価ですが、気泡やヒビが入りやすいという一面もあります。パラフィンワックスは溶けている間は透明の状態ですが、冷えて固まると白くなるという性質もあります。
ソイワックス
ソイワックスは大豆から生まれた天然のワックスです。植物由来ナタメ安全性の高いワックスとして人気があります。低温でゆっくりと燃焼するのが特徴的で、燃焼時間は3時間程度とかなり長いです。ソイワックスは、アロマキャンドルのワックスとして最適だといわれています。ソイワックスは芯に吸われにくいので、自分でキャンドルを作成する際は太めの芯を使用するのがおすすめです。
パームワックス
パームワックスは、アブラヤシ葉が原料となっているワックスです。柔らかいのが特徴で、燃焼時間は2時間程度と比較的長いです。ススが出にくいところもパームワックスの魅力だといえます。特に純度が高いワックスは、表面がクリスタルのように美しく仕上がります。なお、パームワックスもさらにいくつかの種類に分かれています。
みつろう
みつろうとは、ミツバチによってつくられた動物性のワックスです。具体的にいうと、ミツバチの腹部から分泌されており、ミツバチの巣を形づくっているものがみつろうです。そのため、みつろうはミツバチの巣から採取するのが一般的です。色は黄色や茶色に近く、粘り気があります。また、キャンドルとして火を灯すと、かすかにハチミツのような甘い香りがするのが特徴的です。色や香りについては、それぞれのミツバチが集めているミツの種類によっても異なります。みつろうはキャンドルだけでなく、シート状にしてアレンジするデコレーションにも向いています。なお、みつろうは、ワックスのとしてはかなり高価な部類に入ります。
もくろう
もくろうは、日本で江戸時代から作られている和ろうそくの原料です。ハゼという木の実やウルシの樹液から作られています。日本の伝統を支えてきたろうそくだといえます。もくろうもまた採取には大きな手間がかかるため、とても高価です。
キャンドルを使用するならワックスの種類に気を配ろう!
キャンドルを使用するなら、ワックスの種類にもしっかりと目を向けましょう。一口にキャンドルのワックスといっても、それらには大きな違いがあります。よりキャンドルを楽しみたいのであれば、ワックスの違いに注目することで好みや目的に合ったキャンドルを選ぶことができるはずです。天然素材のキャンドルは質が高いため少し高価ですが、その分キャンドルとしての効果も高いといえます。せっかくキャンドルを楽しむのであれば、天然素材のキャンドルを選んでみるのもよいでしょう。
キャンドルを語るならワックスについては必ず理解しておく必要があります。できればそれぞれのワックスの違いを実際に体感してみるのがおすすめです。ちょっとした違いに感じますが、長くキャンドルに火を灯していればきっと大きな違いを感じることができるでしょう。キャンドルのワックスにこだわりをもつことで、よりキャンドルの魅力をしっかりと感じてみてはいかがでしょうか。
まとめ
キャンドルのワックスには、パラフィン、ステアリン、ベジタブルなど様々な種類があります。 それぞれ燃焼時間や香り、環境への影響が異なるため、用途やお好みに合わせて選ぶことが大切です。 例えばパラフィンは燃焼時間が長く経済的ですが、ベジタブルは環境に優しい一方で燃焼時間が短めです。 自分のニーズに合わせてワックスの特徴を理解し、最適なものを選ぶことで、より良いキャンドルライフが送れるでしょう。
- 通信講座のSARAスクール編集部
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心理カウンセラー資格やリンパケアセラピスト等の体系資格、食育資格などを扱うSARAスクール編集部が運営するコラムです。主に女性向けのキャリアアップやスキル習得を目的とした講座が多く、家事や育児と両立しながら学べる環境が整っています。資格取得を目的とした講座も充実しており、仕事や日常生活に活かすことが可能です。