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ふわふわのパンを作る!グルテンの役割とは?

パン作りにおいては、小麦粉に含まれるグルテンが大きな役割を果たしています。グルテンがあるからこそ、おしいパンを作ることができます。とはいえ、グルテンとは具体的にどのようなものかよく分からないという人も多いのではないでしょうか。パン作りをするのであれば、グルテンの性質についてしっかり理解しておきたいところです。

今回は、パン作りにおいて重要なポイントとなるグルテンの役割について紹介します。「グルテンのことがよく分からない」という人は、ぜひ参考にしてみてください。

ふわふわのパンを作る!グルテンの役割とは?

グルテンとは?

そもそもグルテンとは、具体的にどのようなものなのでしょうか。「名前は何となく聞いたことがあるけど、役割まではよく知らない」という人も多いかもしれません。おいしいパンを手作りするためには、グルテンの役割についてもしっかりとおさえておいたほうがいいでしょう。そこでまずは、グルテンの性質について確認しておきましょう。

小麦粉独自のたんぱく質

グルテンとは、小麦粉に独自に含まれるたんぱくしつ質のことです。小麦粉に水を入れてこねることで、グルテンが発生します。一口に小麦粉といってもいくつか種類がありますが、それぞれによってグルテンが含まれる量は異なります。そのため、パン作りをするときはそれぞれの小麦粉に含まれるグルテンの量を理解して、適切なものを選ばなければなりません。パン作りに適していない小麦粉を選んでしまうと、おいしいパンを作ることが難しくなってしまいます。また、うまくグルテンを発生させるためには、小麦粉の種類だけでなく水の量やこね方もとても重要です。

弾力性と粘着性をもつ

グルテンには弾力性と粘り気があります。そして、こねればこねるほどグルテンがたくさん出てきて、弾力性が増します。小麦粉に加える水の量やこね方によっては、性質がまったく異なる生地を生み出すことができます。それぞれの種類のパンに適した手法を意識する必要があります。

グルテンの形成

小麦粉に含まれているグルテンは、小麦粉に刺激を与えることで出てきます。グルテンはどのようにして形成されるのでしょうか。グルテンを詳しく見てみると、さらにほかの成分に分けることができます。グルテンの性質には、それらの成分が大きく役立っているのです。ここではグルテンの形成について、詳しいところを見てみましょう。

水と小麦粉を合わせてよく混ぜることで形成される

小麦粉に水を加えて練ったりたたいたりしていると、グルテンが出てきます。水を加えた小麦粉の生地をたくさんこねると、グルテンもより多く出てきます。たとえば、うどんや中華麺にコシがあるのは、グルテンの働きのおかげです。そのため、パン作りにおいてもグルテンによってかたさが決まっています。

伸びが良いグリアジンと高弾力のグルテニンが結びつく

グルテンには、グリアジンとグルテニンという2つが含まれています。グリアジンは伸びが良いのに対して、グルテニンは弾力があります。この2つが絡み合うことで、グルテンの性質を作り出しています。グルテンの性質をしっかりと理解するためには、これらについてもおさえておいたほうがよいでしょう。

こねると網目で細い繊維状になる

小麦粉に含まれているグルテンは、こねると網目状の細かい繊維になります。生地をこねることでこの繊維に空気が入り、それによりふっくらとしたパンに仕上がります。グルテンによってパンの生地の状態が決まるといわれているのは、まさにこのことが理由です。実際にパンを作ってみると、パンが膨らんできて生地のなかに空気が包み込まれている様子を目にすることができます。おいしいパンを作ることができるかどうかは、この工程に大きく左右されるといっても過言ではありません。

パン作りのグルテンの役割

では、パン作りにおいては、グルテンはどのような役割を果たしているのでしょうか。グルテンはパンにとって必要不可欠なものです。パン作りにおけるグルテンの役割について、より詳しく確認しておきましょう。

イーストの炭酸ガスを包み込む

パン作りにおいては、イーストを使用します。イーストとは、微生物の一種であるパン酵母のことです。イーストは糖類を栄養として取り込み、パンを含ませるための炭酸ガスを発生させます。そして、この炭酸ガスはグルテンでできた繊維状の部分に抱き込まれます。このことにより、ふっくらとしたパンを作ることができるのです。

グルテンの力でパンが膨らむ

パンがふっくらと膨らむのは、グルテンの力のおかげです。グルテンが包み込んだ炭酸ガスが膨らむことで、パンのなかにしっかりと空気が入り込みます。そうなることで、やわらかくてふわふわしたパンを作り出すことができています。

グルテンが多いパンの特徴

グルテンは小麦粉の中に含まれていますが、小麦粉の種類によってグルテンの量は異なります。そのため、パン作りでふっくらとしたパンに仕上げたいなら、グルテンの含有量をしっかり理解しておいたほうがいいでしょう。最後に、小麦粉に含まれるグルテンの量の違いについて紹介します。

多い順に強力粉、中力粉、薄力粉

グルテンが多く含まれる小麦粉の種類は、多い順に強力粉、中力粉、薄力粉です。強力粉を使えばふっくらとしたパンが出来上がり、薄力粉を使えばしっとりと密度の濃い生地になります。ふわふわとしたやわらかいパンなら強力粉、フランスパンのようなハード系のパンは薄力粉を使用します。パンの種類によっては、中力粉を用いる場合もあります。

グルテンはたんぱく質の多い強力粉に多く含まれる

グルテンの量は、各小麦粉のたんぱく質の量によって決まります。小麦粉のなかでもっともたんぱく質を多く含んでいるのが強力粉です。そのため、強力粉にはグルテンがたくさん含まれており、しっかりふくらんでふわふわのパンになります。使用する小麦粉の種類はパンの種類によっても異なりますが、基本的には強力粉を使用することが多いです。

パンに含まれるグルテンはパンをおいしくする役割をもっている

パンに含まれるグルテンはパンをおいしくする役割をもっている

パンを作るときは、グルテンの役割をしっかりと理解しておくことが大切だといえます。なぜなら、パンがふっくらとおいしく仕上がるのは、グルテンがあるからです。小麦粉の種類によってはグルテンの含有量は大きく異なります。そのため、使用する小麦粉の種類を間違えてしまうと、思ったようなおいしいパンを作るのが難しくなってしまう恐れもあります。おいしいパンを作りたいのであれば、グルテンの量と小麦粉の種類の関係をしっかりと理解しておきましょう。そうすれば、パン作り以外でも小麦粉を選びやすくなります。

パンが出来上がるしくみには、グルテンが大きな影響をもたらしています。少し難しく感じられるかもしれませんが、だいたいのイメージさえできていればそこまで深く考える必要はありません。小麦粉の種類や加える水の量にさえ気を付ければ、自宅でもおいしいパンを作ることは十分可能です。もちろん、初心者がいきなりプロのようなパンを作るのは難しいかもしれません。しかし、コツをつかんでくると、自宅で食べるには十分なおいしさのパンを作ることができますよ。グルテンの役割をしっかりと理解し、自宅で気軽にパン作りを始めてみてはいかがでしょうか。

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