手作りパンがパサパサになるのはなぜ?原因と対処法を知っておこう
記事更新日:2024年6月11日パンを自分で作ると、好みに合わせていろいろな味わいを楽しむことが可能です。とはいえ、自分でパンを作るとなると、分量や捏ね具合の調整などさまざまな部分が難しいと感じることも多いです。そのため、そういった些細な加減の違いにより、パンがパサパサになりやすくなることもあるので注意しなければなりません。
手作りしたパンがパサパサになってしまうのは、どのような理由によるものなのでしょうか。今回は、手作りパンがパサパサに乾燥してしまう原因について説明し、その具体的な対処法を紹介します。
目次
パンがパサパサになる原因
手作りしたパンがパサパサになるのは、どういった原因があるからなのでしょうか。パンがパサパサになってしまうことには、きちんとした理由があります。まずここでは、パンがパサパサになってしまう原因について押さえておきましょう。
パサつく原因は乾燥
手作りのパンがパサつくいちばんの原因としては、乾燥があげられます。パン作りの作業工程の中では乾燥を招く要素がたくさんあります。そのため、きちんと注意を払っていないと、パンのパサつきが強まってしまうので注意が必要です。
水分が抜けてパサパサになってしまう
パンがパサつくのは、水分が抜けやすい状態になっているからでもあります。表面だけ温度が上がると、クラストが固くなってパサつきがひどくなります。時間が経つほどに固くなるので、しっかりとした対策をしたほうがよいでしょう。
捏ね上げが理想的でない
手作りのパンがパサつく原因は、作業工程の中のさまざまな要素がもとになっています。そのひとつとして、捏ね上げが理想的でないということがあげられます。ここでは、パンのパサつきを招く捏ね上げがどのようなものなのか確認しておきましょう。
捏ね上げるときの水分量が少ない
パンがパサつく原因として、捏ね上げるときの水分量が少ないということがあげられます。あまりにも早くまとめてあげてしまうと、グルテンが満足に形成されないため、パンの内側の水分を保つ力が弱くなってしまいます。そうなると、パン生地を寝かせたりオーブンで焼いたりしているうちに、どんどんパンの水分量が減って乾燥してしまいます。
捏ね上げるときの温度が高い
生地を捏ね上げるときは、生地の温度も重要です。生地が28℃以上になっていると、生地が乾燥してパサパサしやすくなってしまいます。パン生地を捏ね上げるときの適正温度は24〜28℃くらいです。生地を捏ね上げるときは、しっかりと温度を適温に保つことで乾燥が進まないように気を付けましょう。
発酵の過不足
パンがパサつく原因としては、発酵の過不足もあげられます。パンを発酵させる工程は、パン作りにおいてとても重要なものです。発酵に過不足があるとパンがおいしく出来上がらないだけでなく、乾燥が進んでパサパサしやすくなってしまうので注意が必要です。ここでは、発酵の過不足による生地の乾燥について説明します。
発酵不足
パン生地の発酵が不足してしまうと、生地の目が詰まってしまいます。そうなると、生地が固くなったりパサついたりする大きな原因となるので注意が必要です。
過発酵
パン生地はしっかり発酵させることが大切です。しかし、あまりにもパン生地の発酵が進み過ぎてしまうと、生地のキメが粗くなってしまい、パサつきの原因となってしまうこともあるので気を付けなければなりません。
フィンガーチェックをおこなう
パン生地の発酵の具合を確かめるためには、フィンガーチェックをおこなうことが大切です。フィンガーチェックをするときは、指に粉をまぶして第一関節まで差し込みます。生地の発酵が適度な状態でフィンガーチェックをおこなうと、指を抜いた後も跡がきれいに残っています。フィンガーチェックをしてみてこのような状態になったら、パン生地の発酵を終えて大丈夫です。
焼き時間がかかっている
パン生地がパサパサする原因としては、焼き時間がかかり過ぎているということもあげられます。パンは生焼けを防ぐためにもしっかり火を通すことが大切です。しかし、あまり時間をかけて焼き過ぎると、パンが乾燥してしまうので注意が必要です。ここでは、生地の焼き時間によるパンのパサつきについて説明します。
オーブンに入れたときから乾燥が始まる
パンはオーブンで火を通すと、少しずつ水分が奪われて乾燥していきます。それは、オーブンにパンを入れたときから始まっているのです。オーブンに入れたらすぐにパンが乾燥し始めることを意識している人は、そう多くはないのではないでしょうか。パン作りをするなら、オーブンの扱い方にもしっかり注意を払う必要があります。
焼き時間がかかるほど乾燥してパサつく
オーブンにパン生地を入れておくと、生地はどんどん乾燥していきます。そのため、パンの焼き時間が多くかかればかかるほど乾燥してパサつきやすくなります。よって、オーブンにパンを入れておく時間は、できるだけ短くするに越したことはありません。短時間でしっかり火を通すことでパンの乾燥を防ぎつつ、程よくしっとりとしたおいしいパンを焼き上げることができます。
予熱をおこなうとよい
焼き時間の長さによるパンのパサつきを抑えるためには、オーブンの予熱をしっかりおこなうことが大切です。オーブンを最初からしっかり温めておけば、オーブンにパン生地を入れた瞬間から、パンにしっかりと火が通り始めます。余熱をおこなうと、パンにきちんと火が通って生焼けを防げるというメリットもあります。
スチーム機能を使う
オーブンのなかには、スチーム機能がついているものもあります。そのため、スチーム機能を活用すると、パンの水分を保ちながらきちんと生地に火を通すことが可能です。
焼く時間は伸ばさず温度を上げる
焼成でパンの水分を奪わないようにするためには、パンの焼く時間はなるべく短くすることが大切です。もしもなかなかパンが焼けないときは、時間を延ばすのではなくオーブンの温度を上げることでパンに火を通しましょう。温度を少しでも高く保つためには、余熱もしっかりとおこなうことが必要です。
手作りパンがパサパサになる原因はいろいろある
手作りパンが乾燥してパサパサになってしまう原因としては、さまざまなことがあげられます。ちょっとした加減の違いにより、パンの水分が必要以上になくなってしまうことも少なくありません。パン作りをおこなうときは分量もしっかりとはかり、温度にも気を付ける必要があります。細かな違いが、パンの出来栄えを大きく左右する要因となるので注意しましょう。パンのパサつきを防ぐ方法は、工夫次第でいろいろあります。今回紹介したことについてポイントを押さえて対処すれば、パンの乾燥を防いでおいしいものを作ることが可能です。パンを上手に作るにはある程度慣れも必要なので、うまくいくまでじっくり試してみるとよいでしょう。特にオーブンの使い方や特性は、それぞれのオーブンによっても異なります。同じ温度まで上げることができるオーブンであっても、余熱の具合や性能によっては実際の温度は微妙に異なることも少なくありません。パン作りをするなら、さまざまなポイントにしっかりと配慮して、おいしいパンを作れるように準備を整えておきましょう。