パンの老化とは?老化を遅らせる方法を押さえておこう
記事更新日:2024年6月11日パンはそのまま置いておくと、老化が進んでしまいます。老化といってもパンの老化は、一般的にイメージされる老化とは異なるものです。パンをおいしく食べるためには、なるべく老化を防ぐ工夫をすることが大切です。老化を防ぐ方法としてはさまざまなものがあります。特にパンを作る過程でいろいろなことに気を付けておくと、パンの老化を効果的に防ぐことができます。
今回は、パンの老化を防ぐ方法について説明します。パンの老化の意味についても触れるので、パンをおいしく食べたいという気持ちのある方はぜひ参考にしてみてください。
目次
パンの老化とは?
パンの老化とはどのような意味をあらわしているのでしょうか。老化とはパンの専門用語のひとつで、一般的な老化とは異なる意味をもっているので注意が必要です。ここでは、パンの老化とはどのようなものなのか、基本的なところを確認しておきましょう。
水分が蒸発して硬くなること
パンの老化とはパンに含まれている水分が蒸発してしまい、硬くなることを示しています。パンが老化すると、そのパン本来のおいしさを味わうことができなくなってしまいます。そのため、パンの老化をなるべく防ぐ方法を実践することが大切です。
味や香りが抜けることを老化現象という
パンの老化は味や香りが抜けるという意味もあらわしています。水分とともに味や香りが悪くなってしまったパンは、そのままでは味気ない印象になってしまうでしょう。
老化を遅らせるには?
パンの老化は、パンの作り方次第で遅らせることが可能です。パンの老化を遅らせるには、どのような工夫が必要なのでしょうか。ここでは、パン作りにおいてパンの老化を遅らせるためにできることを説明します。
効果的なのは油脂と卵
パンの老化を防ぐためには、油脂や卵をしっかり使用するのが効果的です。パンは小麦粉や酵母などを使用すれば、十分においしいものを作ることが可能です。しかし、油脂や卵を加えることでさらに風味を付け加えることができます。それだけでなく、油脂や卵には、パンの水分をしっかりと保って老化を防ぐ効果も期待できるのです。パンの種類にもよりますが、油脂と卵をたっぷり使用して作るパンは老化するのが遅い傾向があります。
油脂と卵の働きとは?
パンに油脂を使用すると、油分がコーティングの役割を果たします。それによって、パンの水分の蒸発を防ぐことが可能になります。また、卵をパンに使用すると、乳化することにより生地の水分を保ちやすい状態になります。
老化を遅らせる材料のポイント
パンの老化を遅らせるためには、材料の種類にもポイントがあります。老化しにくいパンを作りたいのであれば、パン作りに必要な材料の種類にもこだわりをもちましょう。ここでは、老化を遅らせる材料のポイントについて紹介します。
高タンパクの小麦粉を使う
パンの老化を防ぐためには、高タンパクの小麦を使うと効果的です。小麦粉は種類によってタンパク質の量が異なります。パンにはもともとタンパク質が多い強力小麦が使われることが多いです。そのなかでも、高タンパクの小麦に着目すると、よりパンの老化を遅らせる効果を期待できるでしょう。
トレハロースを使う
トレハロースは、きのこや酵母などに含まれている糖のことです。トレハロースは細胞やタンパク質を乾燥によるストレスから守る働きをもっています。そのため、パンの材料としてトレハロースを使用すると、パンの老化を防ぐのに高い効果を発揮します。
老化を遅らせる作り方のポイント
パンの老化を防ぐには、作り方についてもポイントがあります。材料だけでなく、作り方についてもしっかりと配慮することが大切です。ここでは、パンの老化を遅らせる作り方のポイントについて説明します。
中種法
パンの老化を遅らせるためには、直捏法よりも中種法を選んだほうが効果的です。中種法であれば、熟成や水和もしっかりおこなえるため、パンの老化を防ぐことができます。
発酵過不足にならないこと
パンの老化防止のためには、パンの製造過程でしっかりと発行させることが重要です。発酵不足になってしまうと、パンの老化を早める原因となります。ただし、発酵させ過ぎた場合も老化を早める原因になるので注意が必要です。パンは適度に発酵させることが最も重要です。
適正な焼成
パンが老化する原因としては、きちんと焼けていないということもあげられます。適正な焼成ができるよう、約時間や温度などにも配慮する必要があります。
パンの表面をコーティングする
パンを老化させないためには、パンの表面のコーティングも重要です。油脂や砂糖などでコーティングをおこなうと、パンの老化が遅くなります。パンのコーティングは、パンの仕上げとして見た目をよくする効果も期待できるので、積極的にとり入れてきましょう。
パンの保存方法
パンの老化を防ぐには、パン保存方法も重要です。パンの老化を防いでしっかり保湿しながら保存するには、どのような保存方法が適しているのでしょうか。ここでは、パンの保存方法について詳しく説明します。
冷蔵庫は乾燥しやすいので要注意
パンを保存する場合、冷蔵庫にしまうという人も多いかもしれません。しかし、パンを冷蔵庫で保存すると一気に乾燥が進んでしまいます。たとえラップできちんと包んでいたとしても乾燥します。そのため、冷蔵庫でのパンの保存には注意が必要です。
時間を置くときは冷凍保存
パンをある程度長く置いておきたいという場合は、冷凍庫で保存するのがいちばんです。冷凍庫でパンを保存すれば、パンのおいしさそのものを保ちやすくなります。パンはラップなどに包めば、そのまま冷凍庫に入れて冷凍することが可能です。食べるときはオーブントースターなどで温めると、おいしく食べることができます。
温め方
パンを保存して後から食べる場合は、温め方も重要です。電子レンジやオーブントースターを使えば、パンをおいしく温めることが可能です。パンの乾燥が進んでいるときは、霧吹きで軽く水分を与えて水分補給するようにすると、パンがしっとりおいしく焼きあがります。
パンの老化を防いでおいしく食べよう
パンをおいしく食べるためには、パンの老化を防ぐことがとても大切です。パンは出来立てがいちばんおいしく食べることができます。とはいえ、パンをたくさん作ったときはすぐにすべてを食べきるとは限りません。そのため、パンを少しの間保存しておきたいと思うことは決して少なくないでしょう。パンをなるべく長くおいしく食べるためには、パンの老化対策が必要不可欠です。
パンの老化を防ぐには、パン作りの過程において様々なことに気を付ける必要があります。パン作りのレシピではもとともとパンの老化を防ぐための工夫が取り入れられていることも多いです。とはいえ、きちんと自分の知識として老化を防ぐ方法を知っておいたほうが、効果的にパンの老化対策をおこなえるでしょう。それぞれの工程において、どうしたらパンの老化を防げるか考えながらパン作りをおこなうことが大切です。また、パンの老化対策としては、パンの保存方法や温め方などにもポイントがあります。ポイントをしっかり押さえることで、手作りしたおいしいパンをなるべく長く楽しめるようにしましょう。