パン生地のガス抜きとは?しくみややり方を紹介
記事更新日:2024年6月11日パン作りにおいては、いろいろな工程があります。そのなかでもガス抜きはとても重要な工程です。ガス抜きをしないと、パンの生地が穴だらけになってしまったり、アルコールのような香りになってしまったりします。そうなると、他の工程を完璧におこなっていても、おいしいパンを完成させるのは難しいといえるでしょう。パン作りをおこなうなら、ガス抜きをしっかりとおこなう必要があります。
今回は、パン作りにおけるガス抜きの方法について紹介します。ガス抜きの意味についても解説するので、しっかりと内容をおさえておきましょう。
目次
パン生地のガス抜きとは?
パン作りにおいては、ガス抜きの工程もとても重要です。ガス抜きをしないと、見た目はよくても味が悪いパンに仕上がってしまう恐れがあります。このガス抜きとはどのようなものなのでしょうか。まずは、パン作りにおけるガス抜きの概要について説明します。
発酵でできた炭酸ガス
パン作りをおこなうときは、必ず発酵の工程があります。ここではイーストの働きによって炭酸ガスが発生します。ガス抜きで抜くのはこの炭酸ガスです。ガスを抜くことで、よりおいしいパンに近づきます。
大きな気泡をつぶして空気を抜くこと
ガス抜きをすると、パンの中に大きな気泡がつぶれます。空気が抜けて、適切な量の空気をパン生地の中に残すことができます。大きな気泡を残したままパンを焼き上げてしまうと、穴ばかりのパンになってしまい、食べ応えがなくなるので要注意です。おいしいパンを作るためには、ガス抜きがとても重要だといえます。
ガスを抜く意味
ガス抜きの概要がつかめたところで、今度はガスを抜く意味について確認しましょう。パンはふっくらしているほうがおいしいので、ガスをわざわざ抜くのはもったいないと思う方もいるかもしれません。しかし、パンのなかにあるガスの量によっては、パンがおいしくなくなってしまうこともあります。ガスの量を調整してパンをおいしくする仕組みについてしっかりとおさえておきましょう。
パンのキメが細かくなる
パンのガス抜きをすると、パンのキメが細かくなります。大きな気泡が抜けるからです。あまりに大きな気泡があり過ぎると、パンの質感がザラザラしてしまい、あまりおいしくない印象になってしまうでしょう。いくらパンがふっくらしていても、中身が穴だらけではがっかりしてしまいますよね。
膨らんだ生地に弾力性をあたえる
一度膨らんだ生地のガスを抜くと、その分生地に弾力をあたえることができます。空気の量を整えることで、食感もちょうどよくすることができます。また、ガスを抜くことでパンにしっかりとした焼き色が付きやすくなるというメリットもあります。
生地のキメが粗くなると最後にアルコール臭がする
生地の発行が進み過ぎると、過発酵とよばれる状態になってしまいます。そうなると、アルコール臭やイーストの匂いが強くなってしまい、風味に影響が及びます。パンを食べるなら、香りは重要ですよね。小麦の風味をしっかりと活かしたおいしいパンを食べるためにも、パンのガス抜きはとても大切な役割を果たしています。
ガスを抜くタイミング
それでは、パン生地のガスを抜くタイミングは具体的にいつなのでしょうか。ガス抜きはタイミングがとても大切です。おいしいパンを完成させるためにも、ガス抜きのタイミングにはしっかりとこだわりをもちましょう。ここでは、ガスを抜くタイミングについて詳しく説明をおこないます。
生地をこねて一次発酵したあと
パン作りにおけるガス抜きのタイミングは、生地をこねて一次発酵したあとです。一次発酵はパン作りの最初の発酵の段階です。材料を混ぜて生地をこねたことで、生地がふっくらと膨らんでいきます。発酵は時間や環境が重要で、これらの加減が少し変わるだけで発酵の具合も変わってしまいます。発酵が適切に進んでいるときでもガス抜きは必ずおこないます。そうすることで、二次発酵に向けて適切な生地の状態にすることができるのです。
生地を休ませる前におこなう
生地を一次発酵させた後は、生地を置いて休ませる工程があります。生地のガス抜きは、一次発酵を終えて生地を休ませる前におこないましょう。そうすることで、生地のガスをしっかり抜いたうえで生地の状態を整えることができます。なお、ガスを抜いて休ませた生地は次の工程で二次発酵をおこないます。
ガス抜きのやり方とコツ
パン作りにおける生地のガス抜きはどのようにしておこなえばよいのでしょうか。最後に、パン生地のガス抜きのやり方やコツについて紹介します。ガス抜きはとても重要な工程なので、正しくおこなうことができるように準備を整えましょう。
手のひらでポンポンと叩く
ガス抜きをするときは、生地を手のひらでポンポンと叩くようにします。生地はデリケートなので、優しく丁寧におこないましょう。強くなりすぎないように軽めに叩いてください。優しく刺激を与えるだけでも、生地のなかのガスはしっかりと抜けていきます。ガスが抜けたかどうか判断するが難しいかもしれませんが、ひととおりの工程を済ませたらそれでOKです。実際にパンを焼き上げてみると、ちょうどよく膨らんでおいしいパンになります。
ガス抜きは発酵時間の2/3が目安
ガス抜きをおこなう時間は、発酵時間2/3くらいが目安だといわれています。パンの種類やレシピによっても多少異なりますが、だいたいの目安としておさえておきましょう。ガス抜きもし過ぎると、パンの膨らみが足りなくなってしまうので、時間のかけ過ぎは禁物です。慣れてくるとちょうどいい時間ややり方のコツがつかめてくるので、まずは実際にやってみてください。
発酵が長くなる場合は1時間ごとに抜く
パンの種類によっては、発酵時間が長く必要になることもあります。その場合は、1時間ごとにガス抜きをするのがおすすめです。少しずつガスを抜くことで、発酵の時間が長いパンでも生地の状態を整えながらおいしいものを作ることができます。
パン作りにおけるガス抜きはとても重要!
パン作りにおいては、ガス抜きがとても重要な役割を果たしています。ガス抜きをきちんとおこなわないと、おいしいパン作りができなくなってしまう可能性が高いです。せっかく自分でパンを作るなら、できるだけおいしいパンを作りたいですよね。そのためには、ガス抜きの重要性を理解してしっかりと実践する必要があります。ガス抜きというと専門的な方法が必要そうに思えますが、実際には生地を手で優しくおさえるだけです。そのため、初めて自分でパン作りをするという人であっても、問題なく生地のガス抜きをおこなうことが可能です。一度やってみればコツがすぐつかめるので、まずは実践してみましょう。
おいしいパンを作るためには、ガス抜きの工程が大きなポイントとなります。ガスの量は目で見ても分かるものではないので、何となく省略してもいいように思えるかもしれません。しかし、そうやってガス抜きの工程をおろそかにしてしまうと、焼き上がったパンに大きな差が出てしまいます。見た目だけでなく、中身もおいしいパンを作るためにはガス抜きをおろそかにしないようにしましょう。ガス抜きのコツをおさえて、オリジナルのおいしいパンを作ってみてください。