心理カウンセラーになるには?必要な資格とスキルについて解説します|資格のSARAスクール
現在位置
通信教育・通信講座SARAトップ > 心理学・カウンセラーの資格取得講座一覧 > 心理カウンセラー資格・メンタル心理資格取得講座 > 心理カウンセラーになるには?必要な資格とスキルについて解説します

心理カウンセラーになるには?必要な資格とスキルについて解説します

心理カウンセラーは、相談者の心に寄り添い、問題解決のためのサポートをする存在です。多くの人の支えになれるため、やりがいの大きな仕事でもあります。では、心理カウンセラーになるには、どのような方法があるのでしょうか。


ここでは、心理カウンセラーになるにはどうすればいいのか、その具体的な方法と必要な資格やスキルのほか、心理カウンセラーが活躍できるフィールドについて紹介します。

心理カウンセラーの役割とは?

心理カウンセラーは、カウンセリングや心理療法を通して、人々が抱える悩みの解決をサポートする存在です。精神科医とは異なり、診断や治療、薬の処方などは行いません。ストレス社会といわれる現代において、心理カウンセラーが行うカウンセリングと心理療法の内容について紹介します。

カウンセリングを通して問題解決へと導く

心理カウンセラーは、相談者の話に耳を傾け、対話を通して相手の心に寄り添います。このカウンセリングの基本は、傾聴です。相談者の心の状態を対話から把握しながら、心理学の専門知識とスキルを活かして、相談者自身が問題解決の方向性を見いだすための手助けをします。

心理療法で悩みや症状を軽減させる

心理カウンセラーの行う心理療法は、精神分析や認知行動療法、対人関係療法など、さまざまな種類があります。相談者の認知、行動、感情、または身体感覚に変化を起こさせることで、悩みや症状、問題行動などを軽減させる目的で行うものです。心理療法は、相談者を対象とするものから、家族や集団を対象にするものまで、幅広い手法があります。

心理カウンセラーが必要とされる場所と業務内容

心理カウンセラーは、活動する場所や環境によって、業務内容も異なります。心理カウンセラーが必要とされる場所には、どのようなものがあるのでしょうか。それぞれの業務内容とともに見ていきましょう。

病院などの医療機関

医療機関で働く心理カウンセラーは、医師と連携をとりながら心の病を抱えた人やその家族を対象とした、メンタルケアを行います。活動場所は、精神科や心療内科、メンタルクリニックのほか、小児科や産婦人科、神経内科などが挙げられます。また、患者とその家族に加え、医療従事者のメンタルケアを行うこともあるでしょう。

学校など教育現場

学校で働く心理カウンセラーは、一般的に「スクールカウンセラー」と呼ばれ、おもに児童・生徒の心のケアや、子供のことで悩む保護者のサポートを行います。カウンセリングは学校内の相談室などで行うことが多く、子供の普段の様子を知るためには、教師との連携も欠かせません。
カウンセリング内容は、友人や家族などとの人間関係、勉強、不登校といった子供本人による悩みのほか、保護者から摂食障害や発達障害などの相談を受けることもあります。

児童相談所、高齢者福祉施設などの福祉施設

児童相談所で児童や保護者のメンタルケアを行う心理カウンセラーは、「児童心理司と呼ばれます。児童心理司は公務員なので、働くには公務員採用試験に合格しなければなりません。虐待やいじめに悩む子供や、子育てに不安を抱える保護者など、親と子の両方の立場からの相談に対応します。
また、老人保健施設や精神保健福祉センターといった福祉施設で働く心理カウンセラーもいます。おもな業務は、施設利用者やその家族へのメンタルケアを行うことです。

一般企業

従業員のメンタルケアに取り組むために、企業内に心理カウンセラーがいる相談室が設けられるケースも増えています。多くは「産業カウンセラー」と呼ばれ、従業員のストレスチェックや、キャリアに関するカウンセリング、メンタルヘルスに関する社内セミナーを担当するなど、その業務は多岐にわたります。

家庭裁判所、警察関連機関などの行政機関

心理カウンセラーは、家庭裁判所や刑務所、少年院で必要とされる場合も少なくありません。家庭裁判所の「家庭裁判所調査官」は、関係者への事情聴取や事実関係の調査などが業務となっており、被告人に対する心理検査や面接、犯行時の責任能力の有無を判断することも役割のひとつです。
警察署には、犯罪被害者やその家族に対する相談活動やカウンセリングを行うための、警察部内のカウンセラーも存在します。

大学附属施設などの研究施設

大学附属の研究施設などで活躍する心理カウンセラーは、学生のカウンセリングのほか、地域住民からの相談に対応したり、心理検査や発達検査を行ったりします。専門の心理職を置かず、臨床心理士の資格を持つ大学教員が、心理カウンセラーの役割を担うケースも少なくありません。

心理カウンセラーになるにはどうすればいい?

心理カウンセラーになるにはどうすればいい?

心理カウンセラーとして活動するには、心理学やカウンセリングに関する専門知識が必要不可欠です。では、心理カウンセラーに必要な知識やスキルは、どのように身に付ければ良いのでしょうか。

大学や大学院で心理学を学ぶ

大学の心理学部や心理学科では、心理学の知識を専門的に学ぶことができます。また、文学・教育学・社会学・人間科学系の学部でも、多くの大学では心理学や臨床心理学の専攻が可能です。
心理カウンセラーの資格の中には、大学や大学院で学ぶことを必須条件としているものもあります。卒業するまでに時間と費用はかかりますが、専門知識を確実に身に付けることができるでしょう。

専門学校や民間スクールで基礎を学ぶ

専門学校や民間スクールの中にも、心理カウンセラーに関する勉強ができる場所は多くあります。心理学やカウンセリングの基礎を学び、心理カウンセラーの民間資格の取得を目指すことも可能です。スクールによってカリキュラムや通学期間、取得できる資格などに違いがあるため、比較・検討することが大切です。

通信教育で心理学を学ぶ

「学校に通う時間が取れない」「自分のペースで学びたい」という人には、通信教育がおすすめです。通信教育は、自宅で好きな時間に心理学を学ぶことができ、大学やスクールに通う場合と比べて費用を抑えることもできます。カリキュラム修了と同時に、民間の心理カウンセラー資格を取得できる講座もあります。

[column_cta]

心理カウンセラーに資格は必要?

心理カウンセラーになるために、絶対に取得しなければならない資格はありません。場合によっては、資格がなくても心理カウンセラーとして働くことは可能です。ただし、カウンセリングを行うための専門知識は必須のため、ほとんどの心理カウンセラーは、何らかの資格を取得して活動しています。

働く場所によっては資格が条件となることもある

働く場所によっては、「臨床心理士」や「公認心理師」の資格が採用条件になることがあります。特に、医療機関に心理カウンセラーとして勤める際には、臨床心理士の資格が求められるケースが多いでしょう。
また、児童相談所における児童心理司として働くには、公務員採用試験への合格が必須です。

資格は知識とスキルの証明になる

専門知識をきちんと習得していると証明するためには、資格の取得が近道です。心理カウンセラーが受ける相談には、家族や恋愛、健康のことなど、デリケートな内容を含むことが多いもの。知識やスキルのないカウンセラーには、相談者も信頼を置くことは難しく、心を打ち明けて話そうとは思われないでしょう。

心理カウンセラーになるには? 動画で紹介

心理カウンセラーの代表的な資格とは?

心理カウンセラーの代表的な資格とは?

心理カウンセラーに関する資格は、国家資格と民間資格を合わせると多くの種類があります。目指したいカウンセラー像を考慮した上で、適した資格を取得しましょう。ここでは、心理カウンセラーの資格について代表的なものをご紹介します。

臨床心理士

臨床心理士は、日本臨床心理士資格認定協会による民間の認定資格です。内閣府が認可する資格でもあり、取得者は病院などの専門施設で臨床心理士として働くことができます。心理専門職として認定される資格のため、教育現場でスクールカウンセラーとして活躍する臨床心理士も多くいます。
受験資格には「協会指定の大学院を修了し、所定の条件を満たしている者」「臨床心理士を養成する専門職大学院を修了する者」「医師免許取得者で、免許取得後に2年以上の心理臨床経験を有する者」などの条件があります。

公認心理師

公認心理師は、2017年に公認心理師法が施行されたことで誕生した、日本初となる心理職の国家資格です。活動領域は、医療機関や学校、一般企業、福祉施設など幅広く、心理査定や心理面接のほか、心の健康についての教育や情報提供活動などを行います。仕事内容は臨床心理士と似ていますが、より心理学全般に対応できる専門家として活躍が期待されています。
受験には、「大学と大学院で指定科目を履修し卒業した者」「5年以上の実務経験があり、講習を受講した者」といった、受験資格条件を満たす必要があります。

産業カウンセラー

産業カウンセラーは、日本産業カウンセラー協会が認定する民間資格です。おもに、企業におけるメンタルヘルス対策を担うほか、従業員のキャリア形成への支援や働きやすい職場環境づくりなどにも携わります。
資格試験を受けるには「試験日に20歳に達しており、協会が行う産業カウンセリングの講座を修了している者」「大学や大学院の心理学または心理学隣接諸科学・人間科学・人間関係学のいずれかの学部・専攻を卒業し、指定科目において規定の単位を取得している者」などの条件があります。

メンタル士心理カウンセラー®

メンタル士心理カウンセラー®は、日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP)が認定する民間資格です。資格取得者は、心理学の基礎知識やストレスから起きる症状と、症状別のケア方法などを十分に理解していることが証明されます。メンタル士心理カウンセラー®は、人間関係やストレスに悩む人の問題を、心理学の知識と技法で解決に導く、心のスペシャリストです。
資格取得に必要な知識やスキルは通信講座で学ぶことができ、資格取得にあたっては在宅での受験が可能です。

メンタル心理インストラクター®

メンタル心理インストラクター®は、日本インストラクター技術協会(JIA)が認定する民間資格です。資格取得を通して、心理学やカウンセリングに関する専門知識に加え、さまざまな医療知識を身に付けることができます。家族との関係やサポート方法、社会復帰に向けた生活改善方法などに関して、十分に理解した人が認定される資格です。
資格取得に必要な知識やスキルは通信講座で学ぶことができ、資格取得にあたっては在宅での受験が可能です。

子供心理カウンセラー

子供心理カウンセラーは、日本インストラクター技術協会(JIA)が認定する民間資格です。子供の人格や性格の形成に関わる知識を有し、適切なアドバイスやカウンセリングを行うための知識を有していることを証明することができます。
資格取得に必要な知識やスキルは通信講座で学ぶことができ、資格取得にあたっては在宅での受験が可能です。

チャイルド心理カウンセラー

チャイルド心理カウンセラーは、日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP)が認定する民間資格です。子供の心に寄り添うカウンセラーとして、子供の心理や発達を十分に理解し、悩みや問題に対してカウンセリングを行う技能・知識を持つ人に与えられます。
資格取得に必要な知識やスキルは通信講座で学ぶことができ、資格取得にあたっては在宅での受験が可能です。

[column_cta]

自分に合った心理カウンセラーの資格の選び方

自分に合った心理カウンセラーの資格の選び方

心理カウンセラーに関する資格は、前述した資格以外にもさまざまな種類があり、活躍したい分野によって取得すべき資格も異なります。また、資格取得に向けた学びやすさや受験条件なども、どの資格を取得するかを選ぶときの大切な要素です。
続いては、自分に合った心理カウンセラーの資格の選び方について解説します。

対象者から選ぶ

資格を選ぶときには、自分はどのような相談者をサポートしたいかを考えることが大切です。例えば、働く人のメンタルケアをしたいなら産業カウンセラー、子供のカウンセリングを中心に行いたいなら児童心理司や子供心理カウンセラー、チャイルド心理カウンセラーといったように、対象に適した資格を取得しておくと、将来的に有利に働くでしょう。

働く場所から選ぶ

どのような場所で働きたいかを考えて、資格を選ぶ方法もおすすめです。病院などの医療機関に勤める心理カウンセラーは、臨床心理士や公認心理師の資格を保有することが採用条件となるケースが多いでしょう。また、公的機関において子供や障害者などの心理サポートを行いたい場合は、児童心理司の資格が挙げられます。これらの資格は、大学や大学院への通学が必要になるなど、取得の難度は高いものとなります。

学びやすさから選ぶ

心理カウンセラーの資格の中には、在宅受験が可能なものもあります。通信講座で学べば、修了と同時に認定される資格もあります。仕事や家事、子育てなどで時間が取れず、通学が難しい場合は、在宅で取得が目指せる資格を選ぶのもおすすめです。

心理カウンセラーに求められるスキル

心理カウンセラーになるには、資格さえ取得すればいいというわけではありません。資格のほかに、心理カウンセラーにはどのようなスキルが必要なのでしょうか。

カウンセリングスキル

カウンセリングでは、さまざまな手法を用いて相談者の様子を把握します。相手の心の状態を正しく理解するには、一人ひとりの状況に合わせたカウンセリング方法を活用しなければなりません。カウンセリングスキルは実践の積み重ねから磨かれるため、資格を取得した後も学び続ける必要があります。

コミュニケーション能力

いくら専門知識に長けていても、相手から悩みを引き出すコミュニケーション能力がなければ、問題を解決に導くことはできません。対話を通じて相談者自身が問題を整理できるようにするために、コミュニケーションのとり方は非常に重要です。マニュアルどおりではなく、相手に合わせた臨機応変なコミュニケーション能力が求められます。

論理的思考力

常に論理的思考を意識することも、心理カウンセラーに必要な要素のひとつです。相談者の話に感情的にならず、きちんとした論理に基づいた対応をするのが心理カウンセラーの仕事です。物事を論理的に判断できて、初めて相談者が抱える問題を正しい方向へ導くことが可能になります。

心理カウンセラーになるには専門知識を身に付けよう!

心理カウンセラーになりたいと考えるなら、まずはしっかりと勉強をして、心理学に関する専門的な知識を身に付けましょう。
正しい知識は相談者の悩みを解決へと導くために、必要不可欠です。そして、知識とスキルを証明するには、心理カウンセラーに関する資格取得が望ましいといえます。心理カウンセラーの資格の中には、初心者でも学びやすいものや、通学せずに取得できるものも多数あります。自分に合った方法で、心理カウンセラーを目指してみてはいかがでしょうか。

心理カウンセラー資格・メンタル心理資格に関する記事一覧