心理カウンセラーの仕事はきつい?噂の真相と隠れた魅力を徹底解説
記事更新日:2024年9月26日「心理カウンセラーの仕事はきついと耳にしたことがある」
「心の悩みに寄り添う仕事に魅力を感じるけれど不安も大きい」
相談者の心の問題は、その人の人生を左右するものであり、相談を受ける心理カウンセラーにも相応の責任がのしかかります。
しかし、心理カウンセラーはきついばかりではなく、大きなやりがいを感じられる魅力的な仕事です。
本記事では、心理カウンセラーの仕事がきついといわれる理由や、きつさの裏側にあるやりがいや魅力について解説します。
やりがいを持ってカウンセラーを続けていくために重要な、心理学の知識習得に役立つ資格もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
心理カウンセラーの仕事はきつい?過酷といわれる6つの理由
心理カウンセラーの仕事について「きつい」「つらい」というイメージをお持ちの方は少なくないはずです。
なぜこのようなイメージが付きまとうのか、心理カウンセラーに求められる役割から、過酷といわれる理由をひも解いていきましょう。心理カウンセラー資格はこちら
相談者への声掛けに気を遣う
心理カウンセラーには、相談者の話への傾聴とあわせて、適切かつ思いやりのある声がけが求められます。
カウンセリングに訪れる人々は、過去の経験によるトラウマに悩まされていたり、精神疾患を患っていたりするなど、精神的に不安定な状態にあります。
そのため、カウンセラーが何気なく放った言葉によって症状が悪化したり、相談者とカウンセラーの信頼関係が崩れたりするおそれもあるのです。
相手の心に寄り添う声がけをするためには、話の内容だけでなく表情やしぐさからも精神状態を読み取り、目の前の相談者と真摯に向き合うことが大切です。
相談者からのきつい言葉にストレスを感じる
全ての相談者が、心理カウンセラーを信頼できる存在と認識しているとは限りません。
カウンセリングを受ける方の中には、周りから勧められて訪れた人や、被害者意識が強い人、自身がカウンセリングの必要性を実感していない人もおり、カウンセリングにネガティブなイメージを抱いているケースも少なくありません。
そのような場合、相談者からきつい言葉を浴びせられることもあるでしょう。
心の専門家である心理カウンセラーには、分け隔てなく相談者の態度や言動を受け止め、冷静に対応することが求められます。
ただし、相談者からの苦言や暴言をそのまま飲み込むだけでは、カウンセラー自身が精神を病みかねません。
心理カウンセラーを続けていくためには、ただきつい言葉に耐え続けるのではなく、業務で負った精神的ストレスをセルフカウンセリングで軽減したり、研修やセミナーでストレス対処法を学んだりすることも重要です。
責任が重い
心理カウンセラーに寄せられる相談は、相談者の人生を大きく左右する内容であることも多々あります。
中には、命を絶つことを考えるほど追い詰められているケースもあり、そのような悩みを受け止め解決に導くことに大きなプレッシャーを感じるのは、ある意味必然といえます。
心理カウンセリングは、あくまで相談者が心の問題を自力で解決するためのサポートであるため、ときに「自分は相談者に対して何もしてあげられない」と無力感を覚えることもあるでしょう。
しかし、相談者が極端な選択をしたり、相談者の状況が悪化したりしても、それがカウンセラーの責任とは限りません。
心理カウンセラーには、心理学の勉強に励み、責任感を持って目の前の相談者と向き合う努力を重ねつつも、相談者の選択や変化に対して、過度に責任を感じない心の余裕も必要です。
常に自身の精神面を安定させておく必要がある
相談者にとっての「心の拠り所」であるためには、心理カウンセラー自身の心に余裕がなければなりません。
自分の精神面が不安定な状態では、大きな不安や悩みを抱えた相談者を受け止めるのは難しいため、常に自身のメンタルを安定させておく必要があります。
また、心理カウンセリングでは、相談者の心の不安定さに影響されないことも大切です。
心理カウンセラーとして活動するうえで、過度に感情移入することなく相手の気持ちをあくまで相手のものとして受け止める「共感」はしても、相手と同じ気持ちになり自身も揺さぶられる「同感」はしないという考え方は、非常に重要といえます。
収入が安定しない・求人が少ない
心理カウンセラーの仕事は、非正規雇用である場合が多く、収入が不安定になりやすいのが特徴です。
ある程度まとまった収入を得るためには、ほかの仕事との兼業や、複数の施設での兼務が必要な場合もあります。
起業してフリーの心理カウンセラーとして活動していく場合には、SNSやホームページを使って自力で集客する必要があるため、軌道に乗るまでに経営面で苦労する可能性もあります。
心理カウンセラーの仕事で安定した収入を得るには、雇用条件に挙げられることの多い心理系の国家資格や信頼性の高い民間資格の取得や、カウンセラーとしての経験の蓄積を通してキャリアアップするための土台を構築していくのも方法の一つです。
常に新しい知識・スキルの習得が求められる
心理カウンセラーは、カウンセリングのプロとして、常に時代に即したカウンセリングスキルや知識を習得し続けなければなりません。
SNS上での誹謗中傷によってうつ病を発症するケースが増えるなど、時代の流れとともに、心の問題を引き起こす原因も変化しています。
同時に、心の問題の解決に有効とされる心理学的アプローチが次々と明らかにされるなど、カウンセリングに生かせる知識やスキルも常にアップデートされています。
向上心を持って新たな知識やスキルを身につけたり、最新の研究結果や事例を把握したりすることで、これまでのカウンセリング手法では対応できなかった悩みを解決に導ける可能性が広がり、より多くの相談者を救うことにもつながるでしょう。
心理カウンセラーはきついだけじゃない!やりがいを感じられる3つのポイント
精神面が不安定な相談者を相手にするカウンセリング業務では、きついと感じる場面が少なからずあるでしょう。
しかし、心理カウンセラーの仕事は、決してきつい、つらいだけではありません。
ここでは、心理カウンセラーの仕事でやりがいを感じられる3つの魅力的なポイントについて解説します。
相談者の変化・成長する姿を見られる
心理カウンセラーにとって、自身のカウンセリングや声掛けによって、相談者の心の問題が少しずつ解決に向かっていく様子を目の当たりにできることは、もっとも大きな喜びです。
・無表情だった相談者に笑顔が見られるようになった
・不登校から保健室登校ができるようになった
・休職を経て職場の復帰プログラムに参加できるようになった
・親子関係に改善の兆しが見られるようになった
さらに、このような変化・成長を遂げた相談者からの感謝の言葉も、仕事に対するモチベーションの向上につながります。
相談者とのかかわりが自己成長につながる
相談者とのかかわりが、心理カウンセラー自身の自己成長を促してくれることもあります。
カウンセリング時の会話の中には、自分にはなかった考え方や価値観、相手を思いやる声掛けの方法などへの気づきにつながるヒントが隠されています。
また、客観的な視点で相談者の心理状態を分析し共感していく中で自己理解が深まり、自身の課題や心の問題が解決することもあるでしょう。
さらに、自分が経験したことのないあらゆる問題に触れる経験は、思考に柔軟性を持たせ、視野を広げてくれます。
さまざまな場所で活躍できる
心理カウンセラーは、学校や企業、医療現場など、さまざまな場所で必要とされています。
また、心理カウンセラーになるために必須の資格はありませんが、心理系の国家資格や特定の民間資格を取得している場合、より活躍の場を広げられる可能性が高まります。
一部の国家資格や民間資格では、大学・大学院での指定科目の履修などが認定試験の受験資格に含まれているため、資格取得を目指す場合は、あらかじめ条件を確認しておきましょう。
やめておくべき!?心理カウンセラーに向いている人・向いてない人
心理カウンセラーの仕事のきつい側面とやりがいを感じられる側面の両方を把握したところで、ここからは、心理カウンセラーの適正について触れていきます。
自分が心理カウンセラーに向いているのか、あるいはやめておくべきなのか気になる方は、ぜひ参考にしてください。
向いている人
心理カウンセラーに向いている人の主な特徴は、以下のとおりです。
・人に関心が持ち、共感できる人
・人の話を根気よく聞ける穏やかな性格の人
・人の役に立ちたい人
・相談者と距離感を保てる人
・相談者の悩みや不安を受け止める忍耐力がある人
・知識やスキルの習得・向上に意欲的な人
上記に加えて、自身の心の問題を乗り越えた経験のある方や、常に安定した精神状態で相談者を受け入れられるよう自身のメンタルケアを適切に行える人も、心理カウンセラーに向いているといえるでしょう。
向いていない人
先に挙げた「向いている人の特徴」に当てはまらない方や、以下のような特徴を持つ方は、心理カウンセラーに向いているとはいえません。
・傾聴力が足りない人
・自己主張が強すぎる人
・自分の考えを押しつける人
・相談者に感情移入しすぎる人
上記の特徴を持つ方は、相談者の話に根気強く耳を傾けたり、相談者の自己解決力を導き出したりするのが苦手な傾向にあります。
ただし、これらの特徴は、心理学の基礎知識やカウンセリングに関するスキルを身につけることで改善が可能です。
きついか楽しめるかはスキル次第?おすすめ心理カウンセラー関連資格5選
「きつい」と感じられることのある心理カウンセラーの仕事も、相談者の悩みの原因の特定や問題解決のサポートに役立つ知識やスキルを高めることで、負担を減らしながら楽しく取り組めるようになるでしょう。
ここでは、やりがいを感じながら心理カウンセラーとして活動するためのスキルアップにつながるおすすめの心理系資格を5つご紹介します。
メンタル士心理カウンセラー資格
「メンタル士心理カウンセラー」は、心理学の基礎知識や心理的ストレスによる症状に関する知識を備え、心理カウンセラーとして活動できるレベルに至っているとされた方に与えられる資格です。
カウンセリングの根底にある心理学の基礎知識を着実に身につけていることの証明となる本資格は、心理カウンセラーとして活動するうえでの自信につながるでしょう。
資格検定試験内容 | ・心理的ストレスによる症状・主な原因 ・回復するための治療法 ・治療に関して知っておくこと など |
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受験資格 | 特になし |
受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験・期日までに解答用紙を提出 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
試験日程 | 2ヶ月に1回のペースで開催(年度により異なる) |
行動心理カウンセラー資格
「行動心理カウンセラー」は、行動から相手の気持ちを読み解く学問である行動心理学に関する基本的な知識を有していることの証明となる資格です。
行動の裏に隠された感情や心理への理解は、普段の行動や面談時の手や目の動きから相談者の心理状態を的確に読み取る必要のある心理カウンセラーの仕事に、おおいに役立ちます。
資格検定試験内容 | ・アンダーマイニング効果 ・単純接触効果 ・類似性の法則 など |
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受験資格 | 特になし |
受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験・期日までに解答用紙を提出 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
試験日程 | 2ヶ月に1回のペースで開催(年度により異なる) |
ストレスカウンセラー資格
「ストレスカウンセラー」は、ストレスマネジメント能力をはじめとする、ストレスに関する知識を十分に理解した者に与えられる資格です。
心の問題は、仕事や学業、プライベートなどでのさまざまなストレスが原因となっているケースが多いため、ストレスとの付き合い方やストレスの対処法に関する知識は、相談者の心に寄り添う心理カウンセラーにとって必要な学びといえるでしょう。
資格検定試験内容 | ・心理トレーニングの方法 ・主体性を発揮させ、自立させるトレーニング方法 ・瞑想を取り入れた心理トレーニング など |
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受験資格 | 特になし |
受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験・期日までに解答用紙を提出 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
試験日程 | 2ヶ月に1回のペースで開催(年度により異なる) |
アンガーカウンセラー資格
「アンガーカウンセラー」は、怒りの本質や怒りを引き起こしやすい思考などの、怒りに関する基礎知識を有していることの証明となる資格です。
怒りの感情はネガティブな思考や言動につながりやすいため、怒りを制御するアンガーコントロールや怒りを手放し心にゆとりを持つためのテクニックについて学ぶことは、精神的に不安定な状態にある相談者に対するカウンセリングにもプラスにはたらくでしょう。
資格検定試験内容 | ・後悔しない怒り方 ・怒りを溜め込まない考え方 ・怒りの耐性を高くする方法 など |
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受験資格 | 特になし |
受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験・期日までに解答用紙を提出 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
試験日程 | 2ヶ月に1回のペースで開催(年度により異なる) |
福祉心理カウンセラー資格
「福祉心理カウンセラー」は、福祉や心理学に関する基礎知識を有し、カウンセラーとして活動できるレベルに至っているとされた方に与えられる資格です。
資格取得を通して、高齢者施設や障害者支援施設などの福祉施設でのカウンセリングに役立つ、リハビリテーションや自立支援、自宅療養に関する知識を身につけられます。
資格検定試験内容 | ・クライアントと家族の関係性 ・心理的な症状 ・リハビリテーションと自立支援 など |
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受験資格 | 特になし |
受験料 | 1万円(税込) |
受験申請 | インターネットからの申し込み |
受験方法 | 在宅受験・期日までに解答用紙を提出 |
合格基準 | 70%以上の評価 |
試験日程 | 2ヶ月に1回のペースで開催(年度により異なる) |
まとめ
心理カウンセラーには、心に問題を抱えた精神的に不安定な相談者を相手にする中で、きついと感じる可能性があることは、否定できません。
しかし、相談者の変化や成長する姿を見られることは、心理カウンセラーにとってこのうえない喜びです。
また、常に知識やスキルをアップデートし続けることで、相談者の悩みの的確な把握や効果的なカウンセリングを行いやすくなり、よりやりがいを感じられるようになるでしょう。
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